正直者の憂鬱・ム | ラテックスは妄想中

ラテックスは妄想中

暴走ギミな妄想をチラカスBananaです。
甘味世界を目指し オリジナル小説書いてます。
腐 要素 多くなってきちゃいました。苦手な方ご注意ください。

 

 

染物…って

なんだっけ?

え?え?え?

布とかに色を入れる…

だよね?

 

そんでもっての

材料集めって

 

何かを集めて加工に使う

 

…ゲームでしかしたことないなぁ

そんな作業

へぇ…

そういうのやってんだぁ…

 

彼のプライベーな話

本人から聞けて

ちょっと

ワクワク感抑えられないまま

 

「…素材集めって

 ゲームでしかしたことないや」

 

自分の中にある

感想

素直に口にしながら

 

自分で材料集めから…って

ガチモードなアーティストな彼へ

 

敬意を伝えたいのだが

 

どうにも

いい感じの言葉

見つかんなくって

 

とりあえず

へらっと笑えば

 

まだ切り取ってもいない草花に

顔に近づけ

 

香りを嗅いでる

彼の所作

 

花摘みを楽しむ

女の子の

目についたものを片っ端から

ってのとは違って

 

すんげぇ目がマジで

 

一枚だけ

用意したビニール袋に

 

そもそも入れてく草花

厳選してる様で

 

香りで色とかが違うのか?

職人っぽい

彼が切る前に

触った葉や

その足元から

立ち上るハーブの香り

 

僕の鼻にも

草の

 

すりつぶした時の

フレッシュな香が

嗅ぎとられ

 

どこか懐かしく感じる記憶と

セットに

走馬灯

よろしく

 

…校庭の芝生

裸足で

踏んだ時の感触

足の裏に再現した

感覚の記憶に

 

おぉぉ…懐ぅ…とか

トリップしつつ

 

きりりと

真剣な目の彼の様子に

今の現象

伝えたいけど

余計なこと言えない空気感

あって

 

一旦

留まる

 

少しだけど

言葉を発したことで

 

おしゃべりモードに

切り替わったか

 

ダンマリモードに戻るのは

ちょっと無理なようで

 

「何?なぜ採らないの?」

 

そもそも

摘み取る草花の選別に

時間がかかってる彼に

 

余計なお世話だろう

けど

 

 

「…とりあえず採取して

 選別は後ですればいいのでは?」

 

素人の助言っぽいこと

口にして

 

悩んでる彼の

悩みの理由

聞き出すにしろ

 

とりあえず

切っ掛けは必要で

 

「…なんなら採取手伝うし…」

 

余計なお世話

 

申し出れば

 

 

「いや…

 ごめんね

 …アイス食べに行くの遅くなるね」

 

色々考えている表情のまま

 

そもそもこの場に

僕がいる原因

口に出して

 

気にしてる様子から

彼の

集中力が

途切れたの

 

あ…やべぇ…

 

 

首を振って

 

「あぁ…大丈夫

 ぜんぜん そんなことは…

 てか

 葉ってどれも緑なのに

 種類で

 色とか変わってくるもんなのかねぇ」

 

 

再度

 

目の前の草花

厳選している

 

彼の姿

遠慮なく見つめながら

発言待つ

 

集中しちゃった?

ダンマリな彼

 

草の青い香りに誘われたか

飛び交う虫にすら

 

対処しない彼の

すぐそばまで行って

 

手のひらで虫を払いながら

 

「この辺の葉

 ローズマリーでしょ?」

 

 

彼の視線の先へ

手を伸ばし

 

枝いっぱいの葉

しごいて

刺激し

 

その香り強くしつつ

 

彼の意識を僕の手へと

誘導してみた

 

 

  つづく