正直者の憂鬱・イ | ラテックスは妄想中

ラテックスは妄想中

暴走ギミな妄想をチラカスBananaです。
甘味世界を目指し オリジナル小説書いてます。
腐 要素 多くなってきちゃいました。苦手な方ご注意ください。

 

 

やっかみありきの

うざ絡み

反省してる

 

…って風な事

彼が

僕の沈黙に

ポロリしたけど

 

ごめん

僕は謝罪が欲しい訳じゃない

って事

よりも先に

そもそも

怒ってもいないって事

 

なぜか

誰に対しても

すらすら出てくる

口先の言葉

 

全然出てこなくて

 

だからか

 

僕の印象

いつもと違うって

察した彼が

 

ちょけちゃだめだって

判断したのだろう

 

けど

 

 

今の僕ときたら

 

一般的な純情男子が

絶世の美女 前にして

あがってる

 

…って風な

思考まとまらないままに

 

さっきから

彼の謝罪に

的確なリアクション

取れずに

 

ただ

黙って

彼のご用事に

付いて来て

 

彼からしたら

気まずいだろう

とか

 

ちょっと

話を変えないと

焦りが出たころ

 

辿り着いたのが

 

 

「…なんだここ?」

 

 

多分

昔は使われてた駐輪所…って事か

 

朽ちかけた屋根のある空間

その周辺が

構内の

手入れされた庭木とは違って

 

ハーブだろうか

見慣れない植物

小さい草花が

 

多分

相性とか考えられて

植えられているのだろう

 

一件

外国のような印象

無きにしも非ずな配置で

 

箱庭…って印象に

 

「入っていいの?」

 

手がけた人の思い入れ

大事に育てているんだろう

草花の様子から

 

つい

躊躇する

 

「そもそも駐輪所だからね」

 

成る程

 

確かに

メインは 箱庭ではなく

雨風しのげる…

 

とは言え

 

肝心かなめの

駐車スペースには

自転車やバイクの類は一台もない

 

 

ここに来たって事は

 

「こんなところで待ち合わせ?」

 

ひょっとして

今から

ここを利用している誰かが来るの

待つのか?

 

日陰になった

屋根の下に入ったところで

 

外からの入り口になる

 

格子の扉の方へ視線

向ければ

 

 

「…いや…」

 

なんだろう

 

絶対いつもの調子なら

軽いからかい

口にする友人の存在

真似るところなのだろう

 

けど

 

今日の僕の様子が

いつもと違うから

 

言葉を出さない方に決めた様で

 

つぐんじゃった

けど

 

「ここのハーブね

 …少しなら取っていいって

 許可貰えたから

 それを今日 取りに来てて」

 

え?

そうなんだ

 

へぇ…って

見てれば

 

ちゃんと

採取用の準備だろう

 

袋を出して

ハサミも準備してる様子に

あぁガチなんだ

 

「え?何に使うの?」

 

それは

単純な疑問からの質問で

 

そもそも

彼にしてみれば

一人でこっそり…って

時間だったのかもしれない

無理くりついてきた格好の

僕相手に

 

どこまで話そうか

躊躇した様子

 

質問した後気付いて

 

あぁ…聞かない方がいいなら…

 

 

「いや 別に興味ないけどね」

 

応えなくてもいいよって流れ

口にすれば

 

 

「…染物をね

 趣味でやっててさ

 

 いろんな色を

 可能な限り

 天然の染料での

 再現を試してて

 

 …地味な趣味だろ?」

 

 

なんと

まるで理解できそうにない

ご趣味の話

 

口にされ

 

また一つ

彼に対する

印象の変化

フィルターとなって

 

僕の目にキラキラと

フォーカス効果が

追加された

 

  つづく