旧館と呼ばれる
この建物の
上層階…
3階に当たるフロアーで
一旦
ここまで…となっている
木製の階段
ここから
更に上へと行くには
地下の階段が設置されてた一階
同様に
廊下を突っ切った先にある
4階への階段までの移動があって
用がなければ
登ってみようとは思わない
移動距離を
3階の外が見える窓側の壁に
寄っていき
普段
見上げることのない
大木の緑の葉を
目線の高さで見る
鳥の感覚
…窓から手を伸ばせば
掴めそうな枝だなぁ
等と
マジモノは見たことないけど
木登りする子供がいたなら
あの辺の枝に足をかけて…
とか
目にした窓の外の残像から
体験したことのない
木登りを
連想しつつ
実際には
人が昇れるような
足場になり得る枝は
地上に近くなるにつれ
切り落とされてて
不可能なんだよなぁ…
と
現実を俯瞰し
窓枠の壁に視線落とし
2階以上の建築物
そもそも
木造ではない
けど
古き良き
和洋折衷なデザイン
と
言うべきか
壁紙や塗装で一色
と言う作りではなく
木製の壁板で
下半分が覆われていて
うっかり
壁を汚さないように
もしくは
汚れが目立たないように
…って感じが
外壁の石 むき出しな
元 応接室で
現 麻雀部屋より
素朴なんだがお洒落に見える
と
旧館で
使用頻度も少なかろう
とは言え
手入れの行き届いた
上層階の様子に
あれあれ?
思ってたより
人の往来が多いのか?
と
思わず
教室に使われる事も
あるのだろう
区切られた個室の扉に
視線向けながら
4階への階段があるであろう
廊下の角を曲がれば
「…そっちじゃない」
サカシタさんの声
背後から
すぐ目の前に
階段が見えているのに
間違ってると
止められ
なんと
他にもルートが?
と
この建物のこの辺りは
つい最近だと
トイレを使いに来ただけで
正直
知らない事の方が多く
サカシタさんの半身後ろ
付いて歩けば
内階段の反対側の廊下
麻雀部屋同様な
廊下突き当たりにドアがあって
その手間の廊下から
外に出られる
テラスへのドア
開ける様指示され
簡単な施錠外し
室外へと
出ると
螺旋状の
外階段があって
急に
探検気分
ワクワクが高鳴る中
…あっでも
さっきのドア
鍵されたら帰れないのでは?
と
不安から
振り返れば
アオイさんと目があって
つい
何も考えないまま
無意識に
微笑んでしまった
つづく