今の世のトウリの実・も | ラテックスは妄想中

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暴走ギミな妄想をチラカスBananaです。
甘味世界を目指し オリジナル小説書いてます。
腐 要素 多くなってきちゃいました。苦手な方ご注意ください。

 

 

今のご時世

紙での資料作成は

周囲の目

気にした方がいいのだろうか

 

コピー機が一式

旧館一階

裏出口の隣の部屋に

集められてて

 

ここは昔

運転手付きのお客さんが

車で乗り付けた際

運転手さんの

控えの場だった

 

…と聞いたが

 

今は

単なる物置

倉庫と化している

 

日当たりのあまりよくない

空間に

 

客員教授と連れだって

入ると

 

未だに

紙に拘る授業形態

減りつつはあれど

 

無くなる兆しはなくて

 

「…お疲れ様です」

 

 

白衣姿の男性

コピー機の前に居たから

一応

後から来た自分の方から

挨拶をする

 

その際

この空間を共有するものが

みんな持っている

 

長い棒状の

部門ごとに色分けされた

木のホルダーが付いた

旧式な大きなカギ

目視する

 

 

大抵

白衣のポケットに

さしてる

この部屋の鍵なのだ

そのサイズから

納まりきらずに

飛び出してるの

 

不思議と

重量感からか

落とすことはない

ある意味

それを持っていないものは

入出できない

自動ロックな出入り口な訳で

 

邪魔なそれを

 

尻ポケットにさして

両手を開けながら

 

稼働してる2つ目のコピー機の方へ

客員教授と

向かえば

 

「…学生の入室禁止の期間

 そろそろなんで

 チェックしておいてくださいね」

 

 

テスト用の印刷も

扱うようになった空間って事で

 

挨拶位しか

かわしたことのない

相手からの

 

明らかな

外部の人間

同伴させてる事への

注意喚起

…なのは

分かってる

けど

 

あからさまな

 

…誰だよそいつ…

 

頭を下げて

やり過ごそうとしたの

 

許してはくれない様で

 

 

「…教授の具合はどうです?」

 

老教授の病気療養

始まって

 

こういう質問

時々ある

けど

 

 

…どうですか…って聞かれても…

 

正直

 

仕事が増えてて

教授の状況…てか

お見舞いも まだ行けてない

事実

思い出して

 

「…休暇中に

 お見舞いに行こうかなって…」

 

…今思った…

って事

 

返事にすれば

 

 

「…じゃぁ

 確かめてきて欲しいなぁ

 

 教授の

 美人だって有名な

 娘さん

 本当に美人なのか

 

 確かまだ未婚だって聞いたけど」

 

 

あぁ…そうだ

 

助手の一部で話題になってた

その手の確認と報告

 

美醜の感覚は

個々の好みが大きく関わるから

 

何をもって

美しいかによる…って点で

 

見た美麗の表現を

それぞれ言葉にする

遊び

 

それなりに

頭を使う表現方法の

鍛錬な

わけ

だけど

 

それを知らない

他の人が

今の会話聞けば

 

単なる

下世話な

物見遊山

 

…いや

まぁ正直

 

そうなんだけど

 

そういう流れの

申し出に

 

ははは

空笑いして

なんとなく

返答を誤魔化しつつ

 

出力したデーターの

一部目が

滞りなく印刷できているのか

確認する為

 

紙の一枚

手に取る際

 

…時々やらかす

 

紙で指を切る

 

こんなところでやらかして

 

…ただでさえ

資源の無駄にならないように

取り扱い

気遣ってる紙

 

汚れてないか

気にしつつ

 

痛む中指

 

ぷっくり

線上の上に

赤い球

大きくなってるの

 

…どうしよう…

眺めていれば

 

 

「…これで押さえて」

 

客員教授が

テッシュを袋ごと

手渡してきた

 

 

   つづく