今の世のトウリの実・と | ラテックスは妄想中

ラテックスは妄想中

暴走ギミな妄想をチラカスBananaです。
甘味世界を目指し オリジナル小説書いてます。
腐 要素 多くなってきちゃいました。苦手な方ご注意ください。

 

 

「…成る程

 優秀なんだね君」

 

物事の感じ方

人によって違う

けど

 

今の客員教授の言葉に

誉められてる

って感覚は無くて

 

どちらかと言えば

 

まずいな…って気分

 

というのも

 

ひな型があって

既に存在する資料の

単純な手直し

してるだけの作業を見せてる

現状

 

客員教授は

外部の人間だから

 

零から作成したものだと

勘違いしたの…かも?

 

そう思ったから

 

「…いや これは…」

 

ちゃんと間違い

勘違いを正しておかないと

 

ハードルが高く設定されては

なにかと

負担が大きくなる可能性が…

 

と言う訳で

 

簡単な確認作業で終わるはずの

ちょっとした時間に

 

「もともとある

 歴代のひな型に

 テコ入れしただけの資料で…」

 

 

単純な

データーの確認と

記述手直ししかやってない

解説すれば

 

 

「…それって

 内容把握していないと

 簡単じゃない

 時間のかかる作業なのでは?」

 

…なんだろう

 

客員教授は

自分の発言に対して

間違いを認めない系なのだろうか?

 

それとも

単に

 

褒めることで

相手を伸ばす

 

良い気分で働いて欲しくて

リップサービス

欠かさない系の上司なのだろう

か?

 

等と

 

…あぁそうなんだ…

 

って返されるだろうと

思ってた読みが外れ

 

準備していた返しのセリフ

 

…そうなんです…

 

が使えなくなって

 

「……」

 

沈黙

 

老教授とは違う思考で

会話のテンポ

構成し直しが必要な事は

 

先週から思っていた

ものの

 

そう簡単に

切り替えができるほど

対人面のスキル

高くないから

 

ゆっくり慣らしていくしかなくて

とりあえず

 

 

「…ありがとうございます」

 

他に適切な返し

思いつかなくて

 

褒められた

事に対しての 反応

言葉にして

 

「で…後半のこの部分

 

 前半の繰り返しなので

 削除しようと思ってて

 

 この辺…から ここまでを…」

 

モニター上

マウスポインタで

 

作業する際と同様の動きで

解説しつつ

 

ドラッグして特定の箇所に

注目促せば

 

 

「…ぁあ…ん…

 

 まだそこまで確認追いついてない…

 けど

 

 分った 任せるよ

 この資料で説明したい内容さえ

 抑えて置いてくれてるなら問題ない」

 

 

例年との変化の図式

毎年更新される棒グラフ

 

授業内でほんの数秒

見るか見ないかの資料

だけど

 

うちの老教授は

紙に拘る人だった為

そのままの習慣で

つい

客員教授の授業データーも

紙に印刷して準備して来た

 

 

それに関して

改善を求められなかった

 

データーの確認なら

メール一本で

済みそうなチェックを

 

客員教授のデスク前に

プリントし並べて置いて

指示を仰ぐ

 

今は

そのプリント作業を端折る為に

ひとつのモニター前に

二人並んでの

タイムロス

 

きっと

旧式な手法だなぁ…って

呆れてるんだろうなぁ

等と

 

年が近い相手に

助手の立場で補佐するって

だけの事なのに

どうしても

 

自分のテリトリーを

物色されてる気分

否めなくて

 

時代に合ってない

変化してない部分

 

他人からの見え方

気にして

 

卑屈な発想

抱いてしまう

 

 

だって

自分でも改良したと

思ってる

けど

ここにある機材で

どうすればいいのか

分からないから

そのままを維持している

 

…そんな言い訳も

とめどなく

心の奥に溢れるの

 

自分でも嫌になる

 

そんな自己嫌悪

相手している暇はない

 

客員教授からOKが出た

資料のテコ入れ

文章の削除や

データー部分の数字に間違いがないか

最終チェックをもう一度

頭から確認後

 

受講生の人数

プラス

予備に5人分

プリント出力開始キーをクリックで

 

ひとまず

今日の準備の第一段階は

終わった…と

 

一階にあるプリンター部屋まで

送ったデーターが

作動しているかの確認の為

 

「…お茶…かなにか 入れましょうか?」

 

控室に一人残す

客員教授に

今頃になって

 

接待的対応 口にすれば

 

隣で

モニター覗き込んでた

顔を

左右に振ってから

 

「…作業を見学してもいい?」

 

なんと

 

好奇心か

それとも単に暇だからか

 

妙な申し出

 

なにいってんだ?

と思いつつ

 

「…ご自由にどうぞ」

 

そう答えてから

 

いや

断るとこだったんじゃない?

自分の口から出た言葉に

なんでなんで?と

繰り返した

 

 

  つづく