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★ Defense - starting pitcher ★
今日の野上さんの、7 1/3イニングを投げて四球2・単打4・三塁打1で奪われた出塁7、
結果失点・自責点共に初回の2のみという素晴らしい投球はある程度珍しいもので
今後もこういった投球スタイルでいくのか、またその場合
今日の素晴らしい成績を継続して再現していける投球なのか、
それとも今日はシーズン最終盤の、天王山決戦ということもあり
今日限定での何らかの戦術のもと繰り広げられた投球なのか、
このあたりある程度長い期間にわたって興味深く追っていきたいと思うものでした。
まず第一に、ストライク率が約57.3%と物足りない水準に留まったこと。
初球ストライクを取った勝負は14度で何とか全体の半数ほど積み重ねていくものの
初球から2球続けてボール球となった勝負も計6度と数多くかさんでいくなど
慎重に慎重にゾーンの隅をかすめる過剰な制球を求めるあまり
ボール球を数多くかさませてのある程度苦しい、緊迫の勝負が続いていきますが
その2ボール以降の勝負計14度(全体のほぼ半数)の結果を観てみると
四球2個こそ奪われるものの初回の稲葉選手の単打から8回の陽選手の単打まで
凡打10(うち三振3・グラウンドアウト4)に抑え続けていくことができたことが
今日の素晴らしい成績に繋がったといえ、この部分の再現性について
今後もある程度長い目で追い続けていければと思います。
そして第二に、今日はその速球を全体の約35%、2シームを併せても約37%ほどと
おおよそ全体の1/3を多少超えてくるほど利用するにとどめながらも
結果としては外野手の処理したフライアウトを計3個のみに抑えながら
ポップアウト4・ラインアウト2・三振3に加え何よりグラウンドアウト9個と
もちろん野上さん自身を含めた
ライオンズ守備陣の安定した、そして素晴らしいフィールディングの数々に大きく感謝しながらも
グラウンドアウトを数多く奪いながらアウトを積み重ね、
順調にイニングを消化していくいつもの素晴らしい本格派グラウンドアウト投手の投球を
1ゲームを通じて安定して継続していくことに成功したこと。
原因として考えられるのは、
まずは大前提としての速球以外の球種の低めへの制球において
その全70球のうち高め以高に到達したのは計17球(約24.3%)とある程度散見されるものの
低め以低に到達したものも計45球(約64.3%)とほぼ全体の2/3近くを占めたことがあるでしょうが
それでもその低め以低に到達した計45球のうち
ボール球が実に26個で全体の半数ほどに到達すると共に奪ったアウトも5個であるのに対し
真ん中~高め以高に到達した計25球では
四球1・単打1の一方で計9個のアウトを奪ったことがあり
つまりは、ファイターズ攻撃陣がどうしても
うまく球種を速球以外の球種に絞り切ることができずでいる中で
チェンジアップはいつも通り、特に左打者に対し
非常に効果的な素晴らしい精度を誇っており、
加えて野上さんにとってある程度課題であるといっていいそのスライダー系についても
今日は特に130km/h近くを計測してくる打者の手元で鋭く曲がる速いスライダーが右打者に対して非常に効果的で
数多くゾーンの中で勝負していく中で、初回の中田選手の単打から8回の陽選手の単打まで
凡打5(うち三振1・グラウンドアウト3)に抑えることに成功していくなど
野上さんの多少制球の甘いスライダーやチェンジアップに
ファイターズ攻撃陣がなかなかうまく対応できず
凡打を繰り返したことが挙げられるのではないかと観て取れます。
こうやって様々な部分に分けて分析を施した後、全体として大きく包括していくならば
やはりファイターズ攻撃陣が今日の野上さんの投球になかなか対応しきれなかったことが
速球以外の球種が多く、ボール球も多くある程度投手不利なカウントでの勝負の多い
今日の野上さんの投球を助けたことが非常に大きな要素としてあったといえますが
もちろん今日のスライダーやチェンジアップ、カーヴが
非常に素晴らしい精度を誇ったことは野上さんの投球の素晴らしさとして大きく称賛すべきで
それをこのシーズン最終盤の、非常に緊迫の首位争いゲームでみごとに発揮し
先発投手としてのしごとを非常にうまくこなし優秀な成績にまとめてきたことは
文句なく、非常に高く評価すべき点であったと言えます。
あとは今シーズン残りの登板でも今日のような投球を、そしてその投球の上での素晴らしい成績を
特に他チームの攻撃陣を相手にしても継続していくことができるか、
そして更にはおそらくある程度研究されるであろう来シーズン以降も
同じように継続していけるか、にも大きく着目していければと思います。
★ Offense ★
今日のライオンズ攻撃陣は得点圏にランナーを置いての打席は計5度、
その内訳は 2-5(うち三塁打1・三振1)で得点圏に残塁2・得点3という成績、
また今日は6安打に加え2四死球で奪った出塁は計8、
その全8人のランナーの行方は残塁3に加え盗塁死1で得点4という結果でした。
今日はファイターズ先発、吉川投手に対し
7 2/3イニングで計107球(1イニング平均14球)を費やさせるに留まるなど
その素晴らしい投球の前になかなか順調に出塁を奪うことのできない
苦しいイニングが続いていきますが
それでも全体としては奪った出塁は四死球2個をはじめ計8個と
こちらはまずまず合格点の成績を残すことに成功、
また加えて今日は浅村さんの今シーズ第5号となる先頭打者ソロ本塁打や
勝ち越しおよび決勝打となるナカジさんの2打点つき今シーズン初の三塁打1本といった
ライオンズ攻撃陣本来の魅力である長打についても複数魅せることに成功し
更には8回に4本の長短打および犠打1を集中したこともあり
結果残塁3ながらも得点4を奪うという
非常に効率的な攻撃を魅せることに成功、
もちろん今日の勝利は野上さんやランディさん、そして涌井さんを中心とした
ディフェンスに大きく感謝すべきものであったことも
忘れてはならない非常に大きな要素として存在していましたが
それでもライオンズ攻撃陣としては、今日は全体としてなんとかうまく、
そのしごとをこなすことに成功したと高く評価できるものでした。
シーズンのいよいよ最終盤の緊迫のゲーム続きの中で
今後も今日のようにもちろんなかなか思うように数多く忍耐強く闘い続けることができず
また順調に出塁を積み重ねていきそして得点を積み重ねていくことの難しい、
そんななかなか思うようにならない攻撃が数多く積み重なっていく可能性が高いと予測できますが
それでも、今後も基本的には、これまでと何一つ変えずに
今日のような効率的な攻撃に頼り過ぎることなく
とにかくまずは残塁を恐れずに
数多く忍耐強く闘い続ける打席を創り出し続けていきながら
初球から積極的に狙い球を絞って鋭く弾き返していく中で効果的に織り交ぜ続け
出塁をひとつひとつ奪い続け、積み重ね続けていくことだけに最大限・最優先に集中し続けていき
その上で1点1点をスコアボードに記録し続けていってほしいと願います。
★ September Baseball ★
今日のゲーム終了後のインタヴューにおいて、浅村さんが
ことば自体としては9/6 ホークス戦終了後に引き続き
- 3連勝します!! - と高らかに宣言しましたが
今日のこの宣言は、もちろんのことながら前回の宣言とはまったく異なり
相手は現在首位のファイターズという難敵ということを
十二分に理解した上での挑戦者としての宣言であり
そこには油断や気の緩みの介在する余地はまったくないといってよく
むしろ今回は何度でも、失敗を恐れることなく“積極的に”変わらずに宣言し続け
自らを追い込み、負荷をかけ、厳しく引き締め続けていく中でも存分に楽しみ抜く
浅村さんの素晴らしさが遺憾なく発揮された非常に素晴らしい宣言であったと
非常に高く評価できる言葉であったと言えます。
結果の如何に変わらず、恐れずに大胆にそして積極的に宣言し続ける姿勢は
これこそが浅村さんの積極的なプレイの数々を支え続けていく
非常に素晴らしい特長であるといってよく
宣言したからには、是非是非その強い、失敗を恐れずに
前へ前へ前進していく“想い”をチーム全員で共有して
必ず、この三連戦の三連勝をみごと勝ち取ってください。
心より楽しみにし、そして非常に大きく期待させていただければと思います。