順風で“帆”を上げよ | Peanuts & Crackerjack

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$ピーナッツとクラッカージャック-BS20100619

交流戦開始時点で今シーズン、
パ・リーグの防御率1位だった帆足さん。

左腕投手が一流の投手として
長年にわたって活躍し続けるためには
相手の右打者を抑えていくことが必要なのですが

帆足さんは右打者の内角へ食い込む
速球とパームのコンビネーションを武器に

今シーズンは外角への投球の制球の精度を上げ
対右打者被打率2割そこそこと素晴らしい成績で
順調に勝ち星を獲得していっていました。

交流戦で対戦するセ・リーグの各チームは
当然エース級の素晴らしい投手として
その投球を研究し、対策を講じてきました。

それは一言で言うならば
“右打者だけに頼らないラインアップで”
ということでした。

そして交流戦、タイガースを除く5球団と
それぞれ1ゲームずつ対戦した帆足さんでしたが

左の巧打者の多いセ・リーグ相手に苦戦し
1勝3敗、それも勝ったのはもともとラインアップに
右打者の多いドラゴンズ相手にだけという結果でした。

そして今日のホークス攻撃陣も
1、2、4、5、7番に左打者を置く
どちらかといえば左打者の多いラインアップで

帆足さんの攻略を目指してきました。

結果から言うならば

62/3回を投げ打者29人に対し投球数117、
被安打5、与四球4、奪三振5で自責点・失点ともに1、


QSを大きく越えてくる素晴らしい投球でしたが

グラウンドボール・エアボール比率でいうと

四球4、三振5をのぞく20の勝負において

グラウンドアウト7、グラウンドボールエラー1、
そしてグラウンドボールシングル2と
グラウンドボールは10、ちょうど5割なのに対し

内野へのフライアウト2、ラインアウト1を除き
外野へのエアボールはフライアウト4、
フライボールシングル3の7個、35%でした。


グラウンドボール・ピッチャーとしてその比率が
帆足さんの投球を判断するひとつの指標となり
有名になり定着しているのですが

右打者の放つ左方向へのグラウンドボールが
その中でも最も重要な打球なのですから

左打者との対戦がこれだけ増えてくれば
そろそろこの比率を帆足さんの投球の指標として
使い続けるのは適さなくなってくることも
じゅうぶん予想されます。

そうやってグラウンドボールの比率が落ちてきても
帆足さんの投球を支えるものは変わらず

クラッチ・ピッチャーであるということ。

得点圏にランナーを背負った場面でどれだけ粘り
最少失点にまとめつつ長いイニングを消化していくか。

これはピッチャーの基本中の基本ともいえますが

そんな粘りを今日のゲームでは
遺憾なく発揮できたのではないかと思います。

今日は左打者に4つの四球を与えるなど
あきらかに左打者に対し過剰な意識があった帆足さん。

本来そこまで左打者を“苦手”にするほどではないのに
左打者も右打者同様に抑えられることを証明しようと
自ら慎重になりすぎる面はあり、今後の課題でしょうが

ランナーを得点圏に置いた場面では
左打者に対し慎重に粘りの投球を魅せ、
過剰に意識することのない右打者との勝負を選び続け

結果4度の勝負のうち3度をきっちり抑え
1度詰まったあたりのシングルで
1点を失うだけにとどめた投球は

今後、相手チームがその左右をも含め
どんなラインアップを組んでこようとも変わらず
続けていってほしい投球ですね。

そして、そうやって最少失点にまとめ続け
また順調に勝ち星を重ねていけるようになれば

その中で左打者に対する過剰な意識を対戦を重ねつつ
少しずつじっくりと和らげていってほしい。

航海ではいつも順風満帆とはいかないものです。
もちろん逆風のときも多くあり課題も山積みですが

そんなときは意地になってそれでも帆をはって
しゃにむに進んでいこうとするのではなく

待って、粘っていればそのうち海路の日和あり、

逆風のときには帆を畳んで錨をおろして
守備陣の助けを多く借りながら

流され押し戻されないよう待ち、粘り続けよう。

そして順風が吹き、味方攻撃陣が逆転してくれれば
そこでこそ帆を上げて勝利に向かって
どんどんと積極的に勝負をしかけていこう。

今日また高山さんが戦線を離脱した攻撃陣ですが
交流戦の苦しみと試行錯誤が今日も実を結び

それまで1安打のみと手も足も出なかった
ホークス先発和田投手に対し5回2アウトから
シングル、四球でランナーを2塁にまで進めると

ずんどこさんが連日のHRで3点を奪い逆転、


6回にはようやく新クリーンアップが機能し
GGさんの犠牲フライで1点をとることに成功しました。

明日もおそらくホークス先発の杉内投手に対し
なかなか得点を奪えないイニングが続くかと思います。

そんな中、ライオンズ先発のミンチェさんは
決して張りあって完璧な投球をする必要はなく

粘って最少失点にまとめながら
勝敗に関係なく完投を目指す投球を魅せてほしい。

今はなかなか順風が吹くことも少なく
満帆に帆を張ることもそうないでしょうが

一番おもしろい、そして重要な勝負はもちろん
シーズン終盤の順位が決定してくる重要なゲーム。

順風を待ち、粘りながら1つ1つ勝利を積み重ねていき
少しずつペナントレースの優勝へ近づいていきましょう。



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