2009年10月3日、このゲームに勝利すれば
球団初のCS進出が決まるイーグルスに対し
ライオンズの先発はここまでイーグルス戦通算
16試合に投げて9勝0敗の帆足さん。
イーグルス野村監督はこの帆足さん対策として
左打者をずらっと並べ、攻略すると宣言。
実際は左打者は1番中村真人選手、3番鉄平選手、
5番草野選手、8番小坂選手の4人だけで
そこまで左打者だらけ、というわけではないもの。
しかし、結果は初回に中村真人選手が四球で出塁後
鉄平選手が2ランHR、そして草野選手がソロHR。
5回には右左関係なく連続5長短打で大量失点、
結局4 1/3回を投げて被安打10、失点8で降板と
とても悔しい投球となったゲームでした。
もちろんこのゲームでは左打者がどうこうではなく
相手のCS進出を阻止する重要なゲームであること、
相手チームに未だ負けなしであるということ、
そして左打者を並べても打たせないと証明すること、
様々な意識が強すぎての帆足さんの自滅であった、
こう分析するのが妥当だとは思いますが
実際、帆足さんの被打率を見てみれば
今年も対右打者が.200なのに対し
対左打者は.272という数字が出ています。
もちろん、その統計では
対右打者の打数が190であるのに対し
対左打者の打数が81と圧倒的に少なく
これだけで左打者のほうが帆足さんを
打ちやすいと結論付けるのはまだまだ早計でしょうが
交流戦のほぼ1発勝負、というゲームでは
対今年のパ・リーグ防御率1位投手ということで研究され
そのデータに基づいてそこまで右打者をずらり、とは
並べてこないチームが続いてきているようです。
5月16日ベイスターズ、1・2番がいずれも左打者。
5月22日ドラゴンズはそこまで変わりはなかったものの
今日ジャイアンツは5人が左打者というラインアップ。
今日も実は浴びた長打は右打者3、左打者2と
左打者“だけ”に痛打され苦手としているのではないものの
通常左投手が苦手とする右打者をある程度得意とするために
相対的、比較的に左打者が打っている印象となるのでしょう。
ですから、今日のジャイアンツ戦についても
帆足さんが左打者を苦手にしており
そこをジャイアンツ左打者にうまく攻略されたのではなく
今日のゲームの敗戦は1にも2にも
ジャイアンツ先発の東野投手の素晴らしい投球の前に
6回まで安打0に抑えられた攻撃陣、
特にしごとをこなせなかったクリーンアップに
帰せられるべきもので
帆足さんの61/3回を投げて失点・自責点4は
惜しくもQSをクリアするには至らなかったものの
ある程度長いイニングをきっちり消化してくれたと
それなりの合格点はあげられるものだったと思います。
しかし、やはり明日に向け最も留意すべきは
ジャイアンツ首脳陣の素晴らしい研究・分析と
それに基づいた対策、挑戦が数多く見られること。
スクウィーズ犠牲バントで、そして1・3塁から重盗でと
1点を積極的にもぎとりに来たり
帆足さんの制球の良さをうまく利用して
どんどんと初球から積極的に狙い強振してきたり。
もちろん失敗も多く重ねたものの
7回には0アウトから阿部選手、長野選手が
それぞれ初球を狙い撃ちして2者連続のHRと
実を結んだシーンもありました。
このジャイアンツ首脳陣と攻撃陣の
相手のなかなか攻略の難しい先発投手に対する
凄まじい研究とそれに基づく多くの挑戦は
当然、明日のライオンズ先発岸さんにも
続いていくことは予想に難くありません。
それは岸さんの投球に対して、というだけでなく
キャッチャー細川さんを始めとした守備陣に対し
様々な揺さぶりをかけつつ綻びを得点に結びつけ
そこから願わくば岸さんの自滅を、というものも
もちろん多く予想できます。
渡辺監督の
-一度気を引き締め直さないといけないね-
というコトバはジャイアンツのそういった
まるで日本シリーズの必勝を期す1戦と同じような
素晴らしい研究・分析があり、それに基づいた
様々な対策・揺さぶりが徹底されているという
相手チームの首脳陣をはじめ
選手たち一人ひとりの非常に高い集中力を
ひしひしと肌で感じたからの発言ではないかと思います。
もちろん岸さんは自分のいつも通りの投球を
迷うことなく明日も貫くことだけであって
ここまで抑え続けているジャイアンツ相手だとか
余計なことを“意識”しないことが重要ですが
むしろ明日は当然のことながらライオンズ攻撃陣と
そして守備面では特に細川さんが試される、
そんなゲームになりそうですね。
明日はジャイアンツ攻撃陣がどう動いてきて
それにライオンズ守備陣がどこまで動揺することなく
きっちり1つ1ついつもどおり対処できるか。
そして今日はしごとをさせてもらえなかった
ライオンズ攻撃陣がどう相手投手を攻略するか。
そのあたりを楽しみに観戦させていただきたいと思います。