肩が上がってしまう。

ポアントにピケでは立てるけどルルベで上がれない。


こういった方はみぞおちにフタがあることが多いです。


みぞおちは絶対に閉じる。という意識がフタを作ってしまうこともあれば、バランス自体をみぞおちで取ってしまう癖がしみついている場合もあります。


みぞおちにフタがあるとアームスも体の奥から使えません。


引き上げれば引き上げるほど体が硬くなり、呼吸が入っていかなくなります。


このフタは体を繋げていくとちゃんと取ることが出来ます。


フタをとると皆さん、自分の体はこんなにも楽だったのかと言います。

今まで出来なかったことが簡単に出来てしまうこともあります。


フタがあるから押さえつけて上がれない。という方がとても多いのです。


上に上がろうとする力に対して、みぞおちのフタが下に押さえつける力が強すぎてポワントにも立てない。


本人もフタの存在に気がついているけど全然取れない。ということがあります。



この前のレッスンで私が生徒さんの体を誘導して、フタを取ったところ「上にも横にもすごく円を感じる」と生徒は言い始めました。


体で円を感じると、自然と円をなぞりたくなるから、円をなぞるように腕を動かし始めます。


それは、バレエのアームスの軌道そのものです。


これがパッシブムーブメントによるバレエの生成です。


円になる感覚が無いとピルエットでも回れません。


そして不思議なことに、人間は体が繋がり円になると「シュッ」とか「「サッ」」とか「スポーン」とか、いきなり擬音だらけで喋り始めます。


感じたままが言葉になるのです。


言葉で「ここをこういうふうに使って」と説明すると「そこをそういうふうに使う」というように、意味がはっきりと固定されてしまいます。


しかも、言葉の認識はそれぞれ違うから、正確には伝わらない。


擬音で「シュッとやって、ハッと止まる」と言ったほうが、相手も感覚でキャッチ出来るので良い場合も多いのです。



上半身に蓋(フタ)をしている生徒 


擬音で踊る。意識で踊る。 


私の体は点と線。筋肉は存在しない。 


あやつり人形になった気分で