先日、初めてポワントを履く生徒と東京のバレエショップにポワントを買いに行きました。

ゲイナーのアメリカバージョンがほぼ無くなったので、それに似たポワントはないかな?と思って探しに行きました。


シューフィッターの方には予想通り

「初めからゲイナーを履く話はあまり聞かないんですけど…」

と言われました。

「ファーストポワントがゲイナーでは、まだ足指や足裏、引き上げや体幹、脚の内側ラインが弱いから履きこなせないでしょう」という考えからです。


一般的な考え方だと、シューズとポワントの差が少ない感じのポワントを履かせたがります。

「足が強くなるまではゲイナーを履かないほうが良い」という意見を良く聞きますが、ファーストポワントを履いてすぐに踊らせるわけではないですし、立つ降りるを繰り返すことから始めて足を強くして次の段階に進めば良いのです。

それにポワントで立つことで鍛えれる部分もあります。

だから脚馴染みの良いポワントよりも、機能が優れているポワントを初めから履いた方が良いのです。


そもそも「足が強い」ってどんな足でしょうか?

まず私は「ファーストポワントは○○や○○、プロになったら☓☓」というように、初心者と上級者でポワントを分ける考え方をしていません。 

バレエの体の使い方にファーストもラストもありません。

(この記事のタイトルは、あえて「初心者におすすめのポワント。それはギョクチュアイクト。」と書いてみました)


まず初めは「プロのバレエダンサーとは違う立ち方をしましょう。」

それで初心者の立ち方をやっているうちに、いつかプロの立ち方になるのでしょうか?

なりません。


足指と足裏の筋肉やふくらはぎで立っている人はバネで立てるようにはなりません。

まっすぐ踏んでいる人やプラットフォームに頼って立っている人は、S字で立てるようにはなりません。


そういう人も初めからS字で立つ練習をしたら、S字で立てるようになったかもしれないのに。


この「まっすぐ立つ立ち方」S字の立ち方」の2つはまったくあいゆずれるところは無く、完全に別世界です。

まっすぐバレエの延長線上にS字のバレエはありません。

20年やっても30年やっても、まっすぐバレエはまっすぐバレエです。

まっすぐバレエの初心者はまっすぐバレエの上級者に育ち、S字バレエの初心者はS字バレエの上級者に育ちます。

「ー」は「ー」になり

「〜」は「〜」になります。

立ち方の種類が違うのです。


ファーストポワントで足指、足裏の筋肉をジワジワ使って立つポワントを選ぶと、そっち系の足に育ってしまいます。


この考え方が日本のバレエを駄目にしています。


足指足裏を意識的に使って立っているから、甲も出ないし、膝もしならないし、ターンアウトもしないし、5番にも入らないし、動きが固いのです。


ファーストポワントの時点(むしろバレエシューズの時点)からゲイナー的な立ち方をして「ゲイナー脚」を作らねば甲は出ません。


凡人に育てていてもいづれ天才になる。ということは無いので、どの人も初めから天才として育てなければ駄目なのです。

初めからプロと同じもの、本物を履いた方が良いのです。


続く。

おなかで引き上げると足首が伸びない 

ゲイナーのポワント 

↓ギョクチュアイクト。