優子∶最近は体を繋げたいって人がたまたま集まってるから、普段のレッスンでものすごく地味な、仰向けで脚をただ回すだけの練習とかで2時間たったりするよね。

それをひたすら。


でも私は「ここをこう使って、ああ使って、ここをこう使って」っていうんじゃないんですよ。


どこかでエネルギーの流れが止まるわけじゃないですか。

止まるからおかしくなる。

止まったところを私は指でさわって流して、そこが流れてきたら、また他の止まったところを流していくっていう感じ。


それで本人がだんだん自分の作業で流していけるようになる。


Aちゃん∶超地道ですよ。


優子∶見てる人は「何をやってんだろう?」っていう、すっごい地味な作業をずっとやってるんですけど、その作業も私が形を決めるものじゃないよね。


止まってるところをとにかく流す、流し続ける。

流れると本人が気づくんですよ、「あっ!」って。

動かし方が変わった、脚の在り方が変わった、足の重みが変わった、ってなったらそこで本人の体が勝手に見つけていく。


意志の力じゃなくて、体の流れが変わるから体が変わって、それで脳が「あっ!」って気づく。

脳が先じゃなくて、体から理解する。っていうレッスンだよね。


仰向けで出来るようになったら、じゃあ立ってみてって立たせる。

そうするとだいたい立つ時の自分の普段の癖でバランス取るために変な筋肉に力が入っちゃうからエネルギーが落ちないんですよね。

落ちないから、じゃあまた仰向けでって(笑)

そういうくり返しだよね、ひたすら。


Aちゃん∶だからヒットした時は本当に手を上げただけで「あっ!全然違う!」って感じだけど、わかんない日は「あ〜、何をしたのかな〜?よくわかんないな〜」みたいな感じで終わっちゃう日もあるんです。

だから毎回、来るたびに明確に「これが出来るようになった」っていうような実感は湧きにくいかもしれない。

でも1年ぐらいビートに通って、踊りをやってみたら「あっ!こう変わったんだ」みたいなことに気づいた。


確実に変わってきているのはわかります。


優子∶地味な動きを仰向けでやると出来るようになってきたよね。

立った時に、まだね…。


Aちゃん∶うんうんうんうん。


それとレッスンで「ここがこうなる感じがする〜」みたいに誰かが自由に発言して、それに対して「いや、わかんなーい」とか言い合うのがグループレッスンの良いところだと思います。


優子∶あぁ、そうだね。

他人を客観的に見たり、会話でわかる時もあるよね。

ビートはレッスン中の会話が多いよね?

ここをこう流したら、どんな感じになったか?とか。


でも、やってる本人が一生懸命に私の言ってることをやろうとし過ぎちゃうと駄目な時もある。


私が変えていくから「何も考えなくて良いですよ」って言う時もあるし、真面目な人だと考え過ぎちゃうから。

「先生の言ったことをちゃんと再現するんだ!」ってなっちゃうと出来ないんですよ。

それよりはある程度ゆだねてもらったほうが上手くいく。

だから真面目過ぎても上手くいかない(笑)