前回からの続きです。

このように、しなりを転がす踏み方では、足の甲も足裏のように使いバランスを取ります。

足の甲と足裏に明確な境い目は無く地続きです。

どちらも転がりの過程でしかない。

アテールの時もポワントで立った時も何も変わらない。

つま先重心、踵重心、そのどちらとも違います。

つま先も踵も、常に転がる円型シーソーの一部だからです。

言うなれば曲線重心です。

このつま先と踵の関係性がバレエの「床を踏む」「踵を踏む」です。

これが甲を出し切って立てる唯一の立ち方です。(実際にはもう1つ重要なポイントがあります、それがS字の踏み方です。また次回書きます。)

おそらく皆さんが今まで考えていた「床を踏む」とはまったく違うものだったと思います。

ほとんどの人がアテールの時もポワントで立った時も、踵を踏む方向を間違えてます。

皆さんは「踏む」なんだから直線の下向き矢印なんだろう。

と考えてますが実際は円形シーソーだから曲線矢印で踏んでます。

その曲線矢印を私はシャネル(のロゴマーク)と呼んでます。

しなった曲線を踏めば動きが生まれます。
動きが揺れになりリズムになり、そこから踊りになります。
シャネルで踏むから5番に入ります。

まっすぐ踏んでも床に刺さるだけで動きは生まれません。
むしろ動かなくなります。
ただ安定するだけです。
そこにリズムは無くバレエのポーズがあるだけです。


ちなみに私はたくさんレッスンをすると円型シーソーが大きくなり、レッスンを休むとその円が小さくなります。

私は「バレエは重力に踊らされているダンス」だと言ってきましたが、これは抽象的な意味ではなく本当に重力に踊らされているダンスなんです。

だから受動バレエ、パッシブバレエなんです。

続く。


下の記事のイラストも参考にしてください。



1枚目のイラストが円型シーソーの踵が下がり、つま先が上がっている感覚です。甲が入ってくるので甲出ししたくなります。 


続く。