甲出しをして、甲が出るようになると踊りにくくなるのも同じ理由です。


日本で教えられている引き上げバレエに向いているのは、甲があまり出てない「まっすぐな脚」です。


皆さんも「X脚は本当はバレエに向いてない」という話を聞いたことがあると思います。

これはX脚や甲の出るS字にしなった脚の人は落ちやすいので、日本で広く教えられている引き上げバレエには向いてない。という意味です。


海外の一流バレエダンサーのほぼ全員がそうであるように、S字にしなった脚は踏むバレエに向いています。


落ちやすいから踏みやすいのです。

完璧に落ちるから上がるのです。


S字の脚はまっすぐ踏むバレエではなく、私の教えているしなりで踏むバレエに向いています。


「X脚はバレエに向いてない」というのは、引き上げしか教えられない日本の指導者の言い訳からくる嘘です。


この言葉を言ってしまう指導者は「私はバレエ本来の体の使い方はわかりません、教えられません」とカミングアウトしているようなものです。


時代遅れの間違った考えです。


そういう先生には

「じゃあザハロワはバレエに向いてないんですか?ロパートキナは?ワガノワやパリオペのバレエ学校ではわざわざバレエに向いてない体の子供だけを選んで入学させているのですか?」

と問いたいですね。



私自身がX脚で甲が出る体をしてます。

バレエ経験の無い母のほうが甲が出るので遺伝的なものです。


私は、そのしなった脚をまっすぐに使わされたり、踏める体には合わない引き上げバレエを教わって遠回りしてきたタイプの人間です。

1番で左右の踵をつけるようなレッスンを受けていた10代後半から20代前半の頃はどんどん脚が太くなりました。

しなった脚をまっすぐ使うのは、自然な体の流れを変えられてしまうのでストレスでした。


今も日本のバレエ指導はたいして変わっていません。


昔の私のように体に合わないバレエを教わっているX脚の子に気づいてほしいです。


X脚にはX脚に合った、甲が出る人には甲が出る人に合った体の使い方があります。

日本で、しなり派は人数が少ないけど自分の体の感覚に自信持ってほしい。

自分の体を信じてあげてほしいです。



スヴェトラーナ・ザハロワ。
バレエに向いてない体で四苦八苦しながら一生懸命踊っている人に見えますか?


次回から、つま先と踵の関係性について書いていきます。

続く。