大人がバレエを習っても上手くなりにくい理由。


②引き上げやまっすぐ踏むバレエのような、条件が改善出来ないバレエを習っている。


最も条件の悪い先生がやっているのが筋肉で動くバレエです。

条件が悪いと筋肉で動くしかありません。


引き上げれば踏める人がやっているのが引き上げバレエ。


しなりでは踏めないけど、踏むと引き上がる人がやっているのが床をまっすぐ踏むバレエです。


条件の悪い順に書くと

筋肉で踊るバレエ

引き上げバレエ

まっすぐ踏むバレエ

しなりで踏むバレエ

となります。


条件の悪い人ほど外側の筋肉に力が入るバレエをやっています。


そうするとしなりで踏むバレエのように体をゆるめながら条件を改善していくことは出来ません。


日本人的な股関節が引けた姿勢のままレッスンして筋肉が強くなり、股関節の可動域が狭い範囲で固まってしまうと、股関節を良い位置にもっていくことが出来なくなります。


条件が悪いからしなりで踏めない、しなりで踏めないから引き上げるかまっすぐ踏むことしか出来ない。だから努力しても条件は変わらない。を繰り返すことになります。


だから元々の股関節の可動域がある程度広い人(床に寝てストレッチする時の可動域ではなく、立って踊る時の可動域が広い人)しか、引き上げでは踊れるようにはなりません。



引き上げバレエは体に力が入りやすく、可動域を広げにくい。


まっすぐ踏むバレエも、ある程度は条件が良い体(ある程度脚がしなって重心移動がスムーズな体)を生まれつき持っていないと体の負担が大きい。


どちらも条件を改善していくというより、ある程度バレエ向きの体で産まれた人しか上手くなれない方法です。



引き上げバレエで踊れるのは「体の外側に力が入っていても股関節が自由自在に動かせる体を持っている人」だけです。


そういう大人はほとんどいません。


普通は外側に力が入ると内側にも力が入って動かせなくなります。


引き上がらないから踊れないのではなく、引き上げるから踊れるようにならないのです。


続く。



下の2記事は外側に力が入ると内側が動かせなくなる話です。

読んでみてください。



内臓が気持ち悪い 

ご本人は股関節が硬くて開かない、とおっしゃっていました。


が…見てみると、決して硬いわけではなく、プリエをする時、腹筋とお尻の外側の筋肉が股関節の外旋をブロックするように反応しているのが原因だったので、下半身と上半身をつなぐ接続部分(身体の中心部分)の感覚を目覚めさせるトレーニングをしました。


これをすることにより外側の固めている筋肉の力が抜けます。


この状態でプリエをしてもらった結果、股関節の外旋を邪魔していたものが消えたので、画像の状態まで可動域がでました。

この状態で日々プリエをしていくと股関節は自動的に外旋方向に引っ張られていくので、どんどん外旋していきます。


【プリエに関してのご本人の感想】

プリエの時、脚の内側が外に外に引っ張られる感覚が分かった。

今までになかった下半身からみぞおち辺りに何かが突き上がる感覚があるので内蔵が気持ち悪い。


このように、身体の内側の感覚が感じられるようになるのはとても重要です。


ここまでくると、教える側と教わる側、というより本人の身体の感覚と話しあいながら、より質の高いレッスンをしていけるようになります。


本人が身体からのメッセージを受け取れるようになるからです。




半熟卵のような先生

 今日の先生は日本人的な骨格で体に繋がりがあって綺麗な方。

そして、骨盤を良い位置にするためにおしりと腹筋を使うと言っていた。おしりにはエクボができますよ。と。


この先生は半熟卵のような体だと思った。


(私は生卵みたいな体。軸のある生卵。初めからまっすぐなのでおしりにエクボを作ったり腹筋を使う必要は無い。)


この先生は外側にある程度の力が入っても、ちゃんと内側が使える方なのだ。

骨盤の条件はあまり良くないけど、股関節が自由自在に動かせる方なのだ。

私以外のレッスンに来ていた大人の方達は、外側に力を入れると内側は使えていなかった。

おしりや腹筋に力が入ると股関節が動かなくなっていた。

半熟卵にはなれず、黄身も固い茹で卵になっていた。

バレエの形に近づけるってことはゴールじゃないし目的でもない。

でもバレエの形は難度がそれなりに高いので、形にすら近づけない人の場合はそれ自体がゴールになってしまっていることがある。




引き上げバレエと踏むバレエについて、それぞれの特徴を説明しています。