他者に無関心な街「東京」、他者に寛容な街「東京」

先ほどまで、来週開催のゴルフコンペの組合せを考えていた。

しかし、なかなか決まらない。

コンペを主催する以上、参加者には楽しんでもらいたい。

そのために組み合わせは最も重要なことだ。

「この人とこの人なら、気が合うだろうな」

「力量が同じくらいの人がいたほうがいいかな」

「下手な人には、面倒見のいい人がいたほうがいいな」

「そういえば彼は『〇〇さんと同じ組にしてくれ』って言ってたな」

と考え出すとキリがない。

どうしよう。

とりあえずは、６組２４人でコンペをする予定を組んでいるが

毎回頭を悩ませそうだ。

どこかで割り切って、機械的に決めるようにしよう。

それにしても、なんでもやってみることだ。

組み合わせを決めるのが大変だ、なんて思ってもみなかった。

面倒なことは他人にやらせることが多かったこれまで。

コンペの幹事をやっていることで、その大変さ、責任や気持ちが少しわかった。

「実際、その立場になってみないと分からない」

というのは、これまで何度思ってきたことか。

家庭教師をやって先生の気持ちが分かったし、子どもが生まれて親の気持ちが分かった。

今回の幹事にしてもそうだ。

同じ立場になって初めて分かることがある。

２週間ほど前、昔の知人から電話があった。

「ゴルフを始めたんだって！？」

「うん、まあね。何で知ってるの？」

「たまにブログ見てるから」

「そっか、ありがとう。やろうよ」

「オレはサラリーマンだから、平日にやれるキミとは違うんだよ。

　初心者なのにゴルフ会員権を買うとか、サラリーマンじゃありえないし」

嫌味っぽい雰囲気を感じた。

「そうなんだ。。てか、なんで電話してきたの？」

「・・・」

微妙な空気が流れ、それとなく電話を終わらせた。

同じ立場にならないと、分からないことがある。

そうだとしたら、サラリーマンにならないと、その気持ちが分からない、

ということになる。

それは今さら無理なこと。

だとしたら、考えても仕方ない。

そう、本当の意味では、他人の気持ちや立場は分からないものなのだ。

僕は３０歳で痛風になった。

あの痛みは経験した人にしか分からない。

「痛いらしい」という想像はできても、どのくらい痛いのか、という

実際のところは分からないことなのだ。

頭のいい人は、悪い人の気持ちが分からない。

運動神経がいい人は、悪い人の気持ちは分からない。

金持ちは、貧乏の苦しさを分からない。

そんなものなのだ。

他者の立場や気持ちを思いやることは必要だ。

でも、考えすぎるのは窮屈だ。

昨日の記事でも書いたが、こちらの善意を素直に受け取ってくれる人ばかりではない。

ならば、素直に受け取ってくれる人とつき合えばいい。

学生時代はクラスメイトを選べないが、社会人は仲間を選べる。

そういう割り切りは、生活をラクにしてくれる。

得意なことをやり、他人と比べず、なりたい自分になればいい。

そういう意味では、東京はいい街だ。

良くも悪しくも、他人に無関心。

どんな格好をしていようと、金があろうとなかろうと、馬鹿だろうが利口だろうが

誰も気にしない。

様々な人がいるから、気にしても仕方がない。

「東京の人は冷たい」という人がいる。

他者に対する無関心な雰囲気から、そう言われるのだろう。

でも僕は、それが心地よい。

「何をしていても許される」「どんな自分でも構わない」

そう言ってくれている気がする。

無関心さというのは、他者に寛容ということなのだ。

都会の空気は、心地よい。

都会の夜景は、気持ちが上がる。

都会の人々は、余計な気を遣わない。

当たり前になっていた都会の良さを改めて感じた。