友人のインドネシア人の話。
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ある日、妻が体調が悪くて、咳をしていた。
仕事から帰った彼（夫）は、咳をする妻を見て
「なんだ、咳してんのか。薬は飲んだか。ちゃんと薬のめよ」
とだけ言って、釣りに出かけた。
夫が自分に対して気遣いがないと感じた妻。
それ以来、同じ部屋で寝たくないと思い、子どもの部屋で寝るようになる。
数日後、夫はさりげなくボディタッチ、、夜の営みの誘いをかける。
「なにしてんの！触らないで！」
機嫌の直らない妻は、夫の誘いを拒絶。
数日後、夫は再チャレンジ。
再び拒絶。
夫にも自尊心がある。
「もういいよ。二度と誘わない！！」
その数日後、
妻は離婚書類を記入して夫に差し出してきた。
夫は一応はなだめたものの、妻の意志は固い。
夫はなんだか腹が立ち、あっさりと離婚届けを提出した。
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これは、本人である夫から聞いた話。
その他にも離婚の原因はあったのかもしれないが、
彼からすると、あの日の咳の対応、その後の「二度と誘わない」発言以外に、
離婚の原因は、まったく思い当たらないとか。
この話をどう思うか、何人かのインドネシア人女性に聞いてみた。
「そりゃそうよ。咳をしてるのに心配しないのはサイテー」
「奥さん怒ってるのに、そのまま放置してるのもサイテー」
「女は逆のことをいうの。『放っておいて』は逆の意味」
「ほんとに放置しといたら、そりゃさらに怒るわ」
「気遣いがね。一番大事なの」
さて、タケシ。
先日の携帯電話からのSNSバレの件から、マリアの態度は冷たいまま。
タケシはどうしていいかわからず、放置。
普通に過ごし、ほとぼりが冷めるのを待っているという。
そういう態度が一番まずい。
このままいくと、上記エピソードと同じ末路になりかねない。
インドネシア人女性の一番の好物は「気遣い」なのだ。
そこで、タケシ、いいことを教えてやる。
その名は〝スダマカン作戦″だ。
インドネシア人とのやりとりで、日本人が戸惑うナンバーワンは、
たぶん、
「sudah makan スダマカン？（もうご飯たべた？）」
ではないだろうか。
彼らは、食事に誘うわけでもなく、挨拶のようにこれを尋ねる。
日本人は、この質問になんと答えるか戸惑う。
いきなり、なんの脈絡もなく、しかも突然「ご飯食べた？」
と聞かれるものだから、
「なんでそんなこと聞くんだよ」
「オレがいつ食事しようが、あんたに関係ないだろ、ほっといてくれ」
とさえ思う。
しかし、この質問の趣旨は、
「ちゃんとご飯を食べましたか？」
「長い間食べてないとか、そういうことはないよね」
「長い間食べないと、胃の調子が悪くなって健康に悪いよ」
「私はあなたの健康が気になるんだ、ちゃんと食べて元気でいてくれよ」
というものだ。
実際、ちょっとでも食事の間隔があくと、インドネシア人は皆、具合が悪くなる。
きちんと食事をすることが、インドネシア人の健康には不可欠なのだ。
そういうわけで、インドネシア人は「スダマカン」という言葉をかけられると、
単純に「気遣いを受けている」というプラスの意味で受け取る。
静かに怒るマリアの態度にどう対応してよいか悩んでいるタケシ。
奴のために、女性陣や当地のモテ男たちに聞いてみた。
やはり、誰もが「スダマカン」と。
「今すぐにでもスマホから『ご飯を食べたか？』と聞け！！」と。
「気遣いを示せ」と。
インドネシア人とのつき合いは、そこから始まる、と。
「本当かな？ そんなもんなの？」と思ったが、
皆がそういうのだから、それが正解みたいだぞ。
タケシ、騙されたと思って、やってみな。
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