○人類の内側に埋め込まれた殺戮の臓器、「虐殺の文法」
◇思考実験SF小説『虐殺器官』
伊藤計劃(いとうけいかく)著
初刊 早川書房 2007年
◇劇場アニメ映画『虐殺器官』
村瀬修功(むらせしゅうこう)監督 2015年
○ 2022年2月24日~
◇NHK Eテレ
・ETV特集「戦禍に言葉を編む」
放送:2024年 2/24(土)23:00~
(【語り】池松壮亮 )
・「戦禍に言葉を編む」番組概要
戦時下のウクライナで、市井の人たちの体験を聞きとった本『戦争語彙集』が出版された。「ゴミ」「スイーツ」「恋愛」など77の短編には、それまでの日常・・・ささやかでかけがえのない生活や記憶が、ひたひたと戦争にむしばまれていく様子がつづられている。ロシアによる侵攻開始から2年、ウクライナの人々の心の奥底では、どんな変化が起きているのか。現地を歩き、戦禍に編まれた1人1人の言葉をみつめていく。
◇『戦争語彙集』
オスタップ・スリヴィンスキー(著)/ロバート・キャンベル(訳著) 岩波書店 2023年
◇日経経済新聞 2024.2.17(土)
朝刊 32.読書面『戦争語彙集』
【書評】星野智幸(作家)
東日本大震災でも能登半島地震でも、被害が甚大すぎて、一人ひとりすべての被災体験を知ることなど不可能だという絶望と無力感で、私は言葉を発せなくなってしまった。まして、より遠いウクライナの、人間の悪意による戦争被害の経験となったら、いかに実感に届くことができるのか、なおさら途方に暮れるばかりだ。
『戦争語彙集』を著したウクライナの詩人オスタップさんは、全貌を理解しようとあせらなくていいから、まずは戦場から逃れた人たちの言葉に耳を傾けましょうと、避難者たちから聞いた話を書き留めた。それぞれの話からキーワードを抜き出してタイトルとし、ウクライナ語のアルファベット順に並べて収録したのが、本書だ。
例えば「沈黙」は、避難者を受け入れた人形劇場の総監督ウリャーナさんの証言。子ども連れや動物連れが大勢集まったが、「二日間、彼らは朝から晩までマットレスの上でシーンと静まって横たわっていました。これほどの多くの沈黙する子どもたちと動物が一つの場所にいるところを、わたしは見たことがありません」と語る。
どの話も1、2ページと短いが、ギリギリで逃げてきたばかりの人たちの体験や感情が、きわめて即物的な言葉で表され、私も「沈黙」の質感に圧迫されるなど、ナマで触れた気がした。
本書の日本語版が特別なのは、翻訳者のロバート・キャンベルさんがウクライナを訪ね、作者のオスタップさんや証言者たちと面会した記録が後半部をなしていることだ。「沈黙」を証言したウリャーナさんとも会い、シェルター化した状況下で人形劇を再開することで、沈黙がいかに乗り越えられていったかを語ってもらう。
とてつもない暴力の恐怖から逃れた直後の言葉には、語った人自身にも理解しきれない複雑な意味がたくさん含まれている。本の形になった言葉を私たちが読むのは、その意味を少しづつ掘り起こして発見していく行為だが、日本語版では翻訳者が、語った当人たちとともにその言葉を読み直すという、かけがえのない作業が行われる。それは隔たりすぎて理解は難しいと思われた体験が、当事者とそうでない者の間で、言葉を介して共有される瞬間だ。暴力の拡大する今、何度でも読み直したい。
(引用終わり)
○ 2023年10月7日~
◇読売新聞 2024.2.17(土)
朝刊 2.総合面記事
《ガザ南部、イスラエル軍 病院突入》
【カイロ=田尾茂樹、ワシントン=田島大志】
イスラエル軍は15日、パレスチナ自治区ガザ南部ハンユニスのナセル病院に突入し、「正確で限定的な作戦」を実施していると発表した。軍によると、昨年10月のイスラム主義組織ハマスによる奇襲攻撃に加わった疑いなどで、20人以上を病院内で拘束した。
ガザで現在も機能する最大規模の医療機関とされる同病院は、1週間以上前から軍が包囲し、患者らの一部が退避を始めていた。今も避難民を含めて1000人以上がとどまっているという。
軍はハマスが病院で人質を拘束していた「信頼できる情報がある」と説明するが、ハマスは「新たなうそだ」と反発した。
◇読売新聞 同日付関連記事
7.国際面
《ラファ「どこに逃げたら」
侵攻恐れ、避難民ら150万人 不安》
【エルサレム=福島利之、カイロ=西田道成】
イスラエルが準備を進めるパレスチナ自治区ガザ最南部ラファへの地上侵攻に懸念が高まっている。ラファには北部などから逃れた避難民ら約150万人が身を寄せており、地上侵攻の巻き添えで犠牲になる恐れがある。隣国エジプトは、イスラエルとの平和条約を停止すると警告している。
「私たちは、いったいどこに逃げたらいいのだ」。
家族15人でラファに避難しているムハンマド・アラアさん(56)は本紙通信員にこう嘆いた。ハマスがイスラエルを奇襲した昨年10月、イスラエル軍の命令で北部ガザ市から避難した。エジプトとの境界はフェンスが張り巡らされ、現時点でラファ以南に逃げ場はない。
今月12日未明には避難先の国連学校の向かいにあるモスク(イスラム教礼拝所)が空爆を受け、子どもたちは一晩中、叫び続けた。アラアさんは疲れ果てた様子で「もう神に祈ることしかできない」とつぶやいた。
ラファの人口は、戦闘前は約28万人。アラアさんのような避難民で5倍ほどに膨れあがった計算だ。空き地にはテントが立ち並び、街角はごった返している。
イスラエル側は当初、南部ハンユニスをハマスの「中心地」とみていた。しかし、幹部や人質の行方はつかめず、エジプト側から武器などが運び込まれてきたラファを「最後の拠点」とみて照準を移しつつある。
ハマス壊滅を誓うイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は9日、住民の避難計画の策定を軍に命じた。軍はラファの地中海沿いのマワシ地区を避難場所に指定したが、面積は約16平方キロメートルで、150万人を受け入れるのは不可能だ。北部や中部へ再び避難する動きもあるが、住宅や水道などは破壊されており、生活を続けられる保証はない。
ラファへの地上侵攻が完了するまでには、数週間かかるとみられる。軍事アナリストのアミール・ブフブット氏によると、地上侵攻にはまず空爆が不可欠という。過密状態のラファを空爆すれば、犠牲者の拡大は必至だ。米欧などからは地上侵攻を懸念する声が出ている。
一方、エジプトは、イスラエル軍が地上侵攻に踏み切れば、避難民が群衆となってエジプト側になだれ込む事態を恐れている。米メディアによると、エジプト代表団は9日、イスラエル側との会談で、ガザから避難民が流入すれば、イスラエルと1979年に結んだ「平和条約を停止する」と伝えたという。
イスラエルと何度も交戦してきたエジプトは、国民の反イスラエル感情が根強い。ただ、シシ政権は、国内で敵対するイスラム主義組織「ムスリム同胞団」から派生したハマスに、避難民を受け入れることで「助け舟」を出すつもりもない。
○「皆殺しの玄人」
平野耕太の異世界転移国盗り合戦マンガ『ドリフターズ』より。この世界とは異なるファンタジー世界で、“世界廃滅” を掲げる「黒王(こくおう)」率いる亜人種・怪物混成軍が人間種領域への大侵攻を続ける中。
こちらの世界から召喚された歴史上の英雄・偉人たちドリフターズ(漂流者)は異世界の人間種側に立って抗戦する。
そのドリフターズである源義経と古代ローマ時代の闘将ハンニバルの会話から。
*「源義経」は悲劇の英雄ってイメージがありますが、それに対して無抵抗の非戦闘員を殺傷する「無邪気な戦闘狂」という表象もなされることがある。手塚治虫『火の鳥』「乱世編」の義経はその典型の一つ。
◇『ドリフターズ』平野耕太
少年画報社コミックス⑦巻収録
「第80幕:老人と子供のポルカ」より
ハンニバル:
なーなー。村とか城とか攻めて、皆殺しにした事とかある?
義経:
んー。あるよぉ。
ハンニバル:
んじゃ国は? 国とか領地とか住んでる奴、皆殺しにできる?
義経:
いやあ。一人残らずは無理だろぉ。
ハンニバル:
そう。無理なんじゃよなぁ。
人は逃げるし隠れるし紛れるし、絶海の島とか砂漠の孤国でなけりゃ、殺し“つくす” なんてのは無理よなぁ。
黒王がかかげる人間廃滅・人間根絶なぞ、実現する方法は一つしかない。“ていねいに” “ていねいに” 掃き清めるように殺して進み、あとはその「清浄地」を広げながら根気よく「人狩り」隊を出し続ける。害虫や害獣の駆除のようにな。
これは「戦さ」ではなくもはや「事業」だ。何年も何十年も、下手すりゃ何百年もかかる。じつに大変な地道な「作業」だよ。
( しかし黒王軍の進撃の様は圧倒的だが直線的で取りこぼしも多く、その “虐殺事業” の不徹底ぶりはこう評された。)
ハンニバル:
「素人め」「虐殺(ころし)に慣れてねぇな」
その点、2024年2月下旬の今時点でのイスラエル軍のやり口は完璧である。パレスチナ自治区ガザ地域に対し、まず境界線を越えて北部を空爆・地上侵攻し、時間をかけて丁寧に丁寧に掃き清めるように街を破壊し市民を踏みにじりながら徐々に南下していく。
場当たり的にずさんな避難勧告を発してパレスチナ人を南に追い立て、中部を経て更に南進。途上で病院や学校、難民キャンプなど国際秩序が定める非戦闘中立区域にも容赦なく攻撃を加え、安全な居場所を丹念に消し潰して回る。
じゃあパレスチナ人は更に南に、あるいは国境を越えて他国に避難すればいいんじゃないかと思うかもしれないが、そこも抜け目なく対策済み。
もともとガザ地区全域はイスラエルの国策によってほぼ完全封鎖されていた上に、周辺国も大量の難民を受け入れる負担やイスラエルとの関係悪化を危惧して境界線の強化に間接的に加担する状況が生まれているという。
加えて国境上にはイスラエル軍が先回りして厳重な監視警戒体制を敷き、ガザからの脱出者と周辺地域からガザへの援助物資の搬入を極度に制限している。
周囲に開けた陸地にありながら、ガザ地区は絶海の島や砂漠の孤国にも等しい脱出困難の檻、周りから隔絶された絶滅収容所と化しているのだ。
そこでガザ南部で機能している数少ない病院の一つが攻撃を受け、今また最南端ラファが大規模空爆・地上侵攻の恐れに晒されている。
停戦交渉の目処は立たず、国際社会の制止を聞き入れないイスラエル側の強硬な態度に、破滅的な最後の侵攻も今やカウントダウンに入っているかに見える。
フィクションの作品世界の話ながら “人類廃絶” を掲げる黒王軍が不備を指摘された「虐殺事業」が、現実世界でイスラエル軍によって完璧な形で遂行されようとしている。
今日のこの状況が出来する手助けをしてしまったのは、世界中の人々のこの地域に対する無為無策、無関心だ。
一方のウクライナでは。侵攻開始から2年を経た今もなお終息の兆しも見えない泥沼の消耗戦に、前線でもウクライナ・ロシア双方の兵士たちが斃れ続けている。
◇読売新聞 2024.2.19(月)
1面記事より
《 露兵「地獄に送られた」》
《自爆用手りゅう弾「部隊 自分以外死んだ」》
【リビウ(ウクライナ西部)=倉茂由美子】
ウクライナを侵略しているロシア軍兵士を捕虜として収容する施設がリビウ郊外にある。捕虜のキリル・ペス(20)が、1月下旬に収容所を訪れた記者に、前線の状況を淡々と語り始めた。
「隠れる茂みもない野原で、敵に向かって進むことだけを命じられた。味方の死体が散乱する中を歩き、カラシニコフ銃で撃ち続けた。自分たちが送り込まれた場所はいずれも地獄そのものだった」
(~中略~)
1か月間の訓練を経て送られた先は、ウクライナが攻勢をかけていた東部ルハンスク州ビロホリフカ周辺。「着いた瞬間、生きて帰れないと悟った」。渡されたのは死亡した兵士からはぎ取った防弾ベストとヘルメット。カラシニコフ銃は旧式だった。ウクライナ兵に捕まった際の自爆用に、自分の名前が書かれた手りゅう弾も手渡された。
激戦地を転々とした。ドネツク州南西部ウロジャイネでは最も死者が出た。「30人いた部隊で、自分以外は全員死んだ」
◇『蒼天航路』講談社コミックス
㉜巻収録「その三百六十一:杜鵑の花」より
( 魏の重臣たちが劉備の酷薄な用兵を評して)
「いくら死に兵を使おうと、己の声望はわずかばかりも落ちぬと!?」
「蜀を欺し盗(だましと)っても天下はその不義を問わん。そこからくる不敵な自信が今の劉備の用兵だ。」
セリフ中の「蜀」を「ウクライナ領/パレスチナ自治区」に、「劉備」を「プーチン/ネタニヤフ」に変えればあら不思議、今現在起こっていることの原因があらわになる。
その侵攻の際に起こった/今起きつつある殺戮を「虐殺(ジェノサイド)」と認定するか否認するか、というズレた所で迷走している向きもありますが。どこをどう見たってジェノサイドでしょうがよ。
それどころかプロ中のプロの仕事、「皆殺しの玄人」「虐殺のプロフェッショナル」の手際であるのは明らか、100年以上先の歴史にまで記銘されることが確実視される残虐さである。
◇読売新聞 2024.2.20(火)
朝刊 9.国際面
《ホロコーストなぞらえ批判》
【リオデジャネイロ=大月美佳、エルサレム=福島利之】
ブラジルのルラ・ダシルバ大統領は18日、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの侵攻について、ナチス・ドイツのホロコースト(ユダヤ人大虐殺)になぞらえて批判した。
ルラ氏は、訪問先のエチオピアで記者団に「ガザでパレスチナの人々に起きていることは歴史上、類を見ない。ただ、ヒトラーがユダヤ人殺害を決定したときには存在した」と言及。ガザ侵攻を「ジェノサイド(集団殺害)」と呼んだ。
ルラ氏は左派。南米の左派政権ではイスラエルへの反発が強い。昨年10月にはボリビアがイスラエルと断交し、コロンビアやチリは駐イスラエル大使を召還した。
イスラエルは、ルラ氏の発言に抗議し、駐ブラジル大使の召還を決めた。ベンヤミン・ネタニヤフ首相は「ナチスに殺害された600万人のユダヤ人の名を汚した」と非難した。
(引用終わり)
○一度失われてしまった身体や命は二度と取り戻せない、ひと一人を救けるのにも多大な援助が要る
◇読売新聞 2024.2.20(火)
朝刊 9.国際面
《病院に砲弾 恐怖の診察
ハンユニスから避難の医師
ラファへ 道端に死体 異臭漂う》
【エルサレム=福島利之】
パレスチナ自治区ガザ南部ハンユニスのナセル病院に勤務していたアハマド・マグラビ医師(46)が16日、本紙通信員の取材に応じた。イスラエル軍が15日に行った病院への攻撃について、「恐ろしかった」と振り返った。財産をすべて失い、海外移住を模索しているという。
「今すぐ病院を離れろ」
15日午前1時半頃、マグラビ医師が病院で診察していると、イスラエル軍がマイクで命令した。その直前には、手術棟3階に砲弾が撃ち込まれ、医療従事者ら2人が死亡し、10人が負傷していた。
ガザで今も機能している中で最大規模のナセル病院は、3週間前からイスラエル軍に包囲された。病院内と周辺には、患者や避難民約1万人が身を寄せた。1階に下水が逆流し、薬はおろか飲み水や食料はほとんどない。その中で、爆弾で手足を失った患者の治療にあたった。
やがてイスラエル軍が病院内に進入し、銃撃音があちこちで響いた。病院に避難していたマグラビ医師の3歳から17歳の子ども6人は恐怖で泣き叫び、妻は卒倒した。
マグラビ医師は、同僚や患者、家族と病院の外へ走って逃げた。病院の50メ-トル先には軍が設置した検問所がある。検問所で一人ずつ写真を撮られ、一家は30分ほどで通過した。同僚の医師は服を脱がされ、目隠しをされて拘束された。
一家は真っ暗な道を約10キロ南のラファへ向かって歩き始めた。道沿いの家々は破壊され、道端に死体が転がり、異臭が漂う。「私と家族はずっと泣きながら歩き続けた。ホラー映画の中にいるようだった」。ラファに到着しても避難する場所はなく、道端に座り込んで仮眠した。
イスラエル軍は、イスラム主義組織ハマスがナセル病院で人質を拘束していた情報があるとして、攻撃を正当化している。
ガザの保健当局は18日、病院の機能停止を発表した。
(引用終わり)
◇手塚治虫『ブラックジャック』
エピソード「病院ジャック」より
ブラックジャックが子供の手術を行っている最中、政治目的を持つテロリストに病院が占拠された。テロリスト側の要求が通るまで手術の中断を余儀なくされたブラックジャックら医師たち。
やがて病院内で大きな爆発が起こり、停電で真っ暗闇となった手術室に閉じ込められる中、ブラックジャックは決死の覚悟と工夫でオペを続行する。
そして手術は無事終わり、警官隊が突入してテロリスト達も逮捕拘束された。しかし爆発と停電により病院内の他の場所で死傷者が出たことを知ったブラックジャックは、連行されていくテロリストに向けて力なくこう言葉を投げかける。
ブラックジャック:
たいしたやつだな・・・簡単に五人も死なせるなんて。こっちは・・・ひとり助けるだけで、せいいっぱいなんだ・・・。
後半はフィクションの中のお話ですが。世界的な天才外科医がその手腕と身命を賭して1日がかりで救える命は、せいぜい数人が良いところ。
対して無慈悲な暴力や兵器が奪う人々の命と生活は、フィクションとノンフィクションとによらず、場合によっては日に数万人にのぼる。
この非対称の生殺与奪がもたらす無力感に、どこまで抗うことができるか? この世界の凄惨な過酷さに、人間社会にはびこる他者への無関心に、どう立ち向かっていくのか?
◇『ブラックジャック』
「ふたりの黒い医者」より
ブラックジャック:
それでも私は人をなおすんだっ! 自分が生きるために!!
自分が生きるために他人を傷つけるか、あるいは見て見ぬふりをするか?
それとも自分が生きるために、事態に手出し口出しをしていくのか?
同じ世界に生きる一人ひとりが今、重大な問いを突きつけられている。
それでも「へたくそで非力な救命士」なんかの方が、「打算づくの傍観者」よりはマシだ。「安っぽいヒューマニスト」の方が、「虐殺のプロフェッショナル」よりマシだ。だいぶだいぶマシだ。
◇『ブラックジャック』特設サイト
「ふたりの黒い医者」紹介
◇「病院ジャック」 紹介