こんにちは
今日も「よく受ける質問シリーズ」
体外受精を受けている方々にとって気になる
『胚盤胞期胚のグレード』について書いていこうと思いましたが…
あ。でもその前に…
『新鮮胚移植か凍結胚移植かどっちがいいの?』
という説明もしておかなければ上手く語れませんね。
まずは新鮮胚移植、凍結胚移植について説明したいと思います。
採卵(卵子を採取)して、そのまま新鮮胚で移植しない方がいい場合は、一旦凍結保存して、翌月以降に移植します。
新鮮胚を移植しない方がいい場合とは…
①子宮環境の問題がある時
例えば…
・子宮内膜がとても薄く、胚は元気でも着床しないと思われる場合
・ 子宮内膜にポリープがあったり、水が溜まっているなど着床を阻害する要因がある場合
・ 子宮から出血している場合
などがあります。
②血中ホルモン値が適さない時
例えば…
・ エストラジオールというホルモンが高値で卵巣過剰刺激症候群(OHSS) になりそうな場合(OHSSは重症化すると危険です)
またエストラジオールが高値だと内膜の環境も良くないとも言われています。
・ プロゲステロン(黄体ホルモン)が高値な場合
プロゲステロンが出始める時期と着床時期には深い関係があります。
プロゲステロンが何かの原因で早めからに分泌された場合は内膜側の着床時期と胚の発育がズレてしまい着床出来ません。
③その他
例えば…
・ 風疹のワクチンを打った場合
・ 子宮筋腫などの手術をした場合や予定をしている場合
・ 仕事との兼ね合い
などなど…
じゃあ、一方で新鮮胚移植の方がいい場合は
子宮内膜もホルモンも異常なく
子宮がいい感じの時ですね
自然周期で採卵している人が適応になること多いです
クリニックによっては、
『凍結胚移植の方が成績良いから、全例凍結します!』としているところもありますが…
胚培養士からするとその考えは…
『凍結と融解』って…
胚にとっては多少なりともストレスがかかります。
子宮の状態が良いのなら凍結してわざわざストレスをかけることはないですよね。
逆に子宮や身体の環境が悪い人には、胚にストレスが多少かかってでも着床しやすい環境を整えてあげてから移植した方が良いですよね。
当院ではその個人個人に合わせて、新鮮胚移植を勧めたり、凍結胚移植を勧めたりしています。
あと、ご希望などもお聞きしてます…