豚は天国へ逝かない ~ ミニ Cookie 欲望のブタども  | “Mind Resolve” ~ この国の人間の心が どこまでも晴れわたる空のように澄みきる日は もう訪れないのだろうか‥

 
 
    attack sub : 醜き欲望の豚ども ~ 必要以上の美貌、必要以上の経済、必要以上の知識は すべて己の敵となる。 
 
 
 むかし むかし、そのまたむかし
 人間という生き物の、その一部の者たちが 
 腹が減ったので山で捕まえたイノシシを食べてみました。 
 その臭いも食感もクセのある野生動物の肉だったので 
 どうにも食べづらかったのですが 
 人間という生き物は、幾匹かのイノシシを無理やり
 自然界から盗り押さえ、人里まで持ち帰りました。 
 そうして人間という生き物は、
 自分たちで食べやすい肉質や味になるように工夫して 
 それらのイノシシという野生の生き物に様々な餌を与えました。
 やがて、それらが子孫を産まされ また次に子供を産んで
 そうして何百年もしないうち、その生き物は 
 野山に生息していたイノシシという動物とは別の
 ブタという得体の知れない生き物として出来あがりました
 
 勝手に生態を捻じ曲げられた生き物でも
 神に似せて創られたとされる人間という生き物 が改良したためでしょうか…
 その、ブタという生き物は すべて
 キレイ好きな性質だったので 
 世の中に様々ある雑菌や細菌、ウィルスといった、
 そうした病気の素になるモノには
 とっても弱い生き物になっていました。 ブフィヒィ~  
 それでもその生き物は食べることが得意だったので 
 なんでも食べました。
 ガツガツ、ブクブク、がつがつ、ぶくぶく、ガツガツ、ブクブク 
 水も飲みました  
 ガブガブ、ぶごぶご、がつがつ、ブクブク
 本も食べました  
 がつがつ、クチャクチャ、ガツガツ、ぶくぶく
 ブタにとって生きるためには役に立たない、何千万巻という経文・経典も食べました。
 ガツガツ、フガフガ、がつがつ、BookBook… 
 世界中にバラ撒かれた聖書も医学書も、科学事典でも なんでも、残さず食べました。
 がつがつ、ムシャクシャ、ガシャガシャ、ぶくぶく… 
 なんでも食べて食べて 食べまくって元気に育ち 
 どのブタも ブクブクと太り、
 知識も態度も暮らしぶりも 
 まるまると肥えた状態の生き物になりました  
 だから ブタという生き物は 
 それからの世の中に どんどん増えてゆきました。  
 ですが、世の中にブタという生き物が増えるほど
 食べ物がなくなり 
 遂には人間を食べてしまうブタが現れるようになりました。 
 
   エサねぇんだからよ  
 
 ガツガツ、ブクブク、がつがつ、ふがふが… 
 「これは何という料理だい?」 
 あるブタは、生きたままのヒトを食べているうち、いつしか、 
 人間という生き物の言葉も話すようになり、云いました。
 「はい、脳味噌トロロ、股間に昆布風味ご膳でございます」
 別のブタが応えました。
 ガツガツ、ブクブク、がつがつ、ふごふご、ガツガツ、ガツガっ! 
 「デザートは何になさいますか?」 
 「そぉだなぁ~、
 つめたく冷やしたヒトの目玉99個の胆汁あえ…に しようかなぁ…」
 雑食といえども食肉食通なブタが口元を血みどろにしながら云いました。
 「はい、かしこまりました」
 「あ、店員さん! くれぐれも 歳おいて白く濁った目玉はナシね  
  あれさぁ、眼球を支えてた疲れた筋肉のところが筋っぽくて不味いんだよ。
  ちゃんと新鮮な奴で頼むよ」
 「はい、当店のモノはすべて、視力2.0以上だった人間の若者の目玉。
  その極上品です。」
 ガツガツ、ゴロゴロ、がつがつ、グチャクチャ、ガツガツ、ぶちゅぶちゅ… 
 
 そしてその後、ヒトの世は、
 わずか数千年もしないうちに喰い尽くされ、滅んでしまいました。 
 それは、黒いネズミの絵を描いてヒト儲けしたヒトビトも 
 それに肖って いろいろの文房具やファンシーグッズを売っていたヒトたちもすべて、そして、
 そうした人間ばかりではなく、
 人間という生き物に勝手に改造される前の原種のイノシシさえも  
 この地球上から姿を消してしまいました。
 ですが、ブタというヘンな生き物だけが生き残りました。
 ガツガツ、ブクブク、がつがつ、ふごふが、ガツガツ、ブクブク 
 
 ブタという生命種族は、かつての人間という生き物に代わって  
 この地球上という、そこに、なに不自由なく暮らすために 
 海も、山も、河川も、丘や湖畔も、自分たちにとって 
 かけがえのない生息区域の整備、保管、修復改善に務め、
 その星の美しさや
 空気や水、陽の光り、そうした様々な恵みによる快適さの中で 
 分相応、それぞれの創られ方に応じて、
 みんな仲よく生きて生かされ暮らす役まわりになってしまいました。 
 
 そんな世の中の どこかに  
 見事にマルマルと太った、3匹のブタ君がいました。
 ガツガツ、ブクブク、がつがつ、ぷくぷく 
 ある日、そのうち一匹のブタ君が 
 そのマルマルと立派に肥えた体格で汗ミズ垂らし 
 やっとこさっとこ地面へ穴を掘って、その穴を
 ワラやススキ、様々な草の茎などで囲って住居を造りました。
 次に、別の一匹のブタ君が 
 樹木を乾燥させた木材を上手に組んで 
 その柱や外壁を泥で固めた堂々たる家屋を拵えました。 
 そして、もう一匹のブタ君は 
 生きるために必要な自分のエサと交換条件で 
 何匹かの友達や知り合いを雇い、
 岩や粘土を利用して頑丈な城を築きあげました。 
 ガツガツ、ブクブク、がつがつ、ほくほく 
 
 そうしてそうして 3匹のブタ君は それぞれに 
 しばらくの間、自分たちで造った建物の中に住んでいましたが
 やがて、誰の家が立派なのか? 
 そんな、実に つまらないことを比べてしまうようになりました  
 
 「やっぱ、オレんちだろ。」 
 口元に髭を生やし、さも立派そうに振る舞う城の主が、そのように威張りました。
 すると その横で、木造の建物に世帯主の権利を掲げるブタが云いました。 
 「いや、そんなデカすぎる建物じゃ住みづらいだろ。
 腹が減ったとき、餌場【えさば】へ行くまで時間かかりすぎる!」 
 ガツガツ、ブクブク、ガツガツ、ホクホク 
 「そうだよ! その点、我が家は夏も涼しく動きやすいし
 クソをするにもスグに外へ出られるから快適だな」 
 2匹の後ろにいた、縦アナ式住居に住んでいたブタが自慢げに云いました。 
 そのうち、3匹は言い争いになりました。
 やがて  
 大好きな、私腹肥やす時間も 忘れるほど憎しみあって喧嘩しているうち 
 3匹のブタ君たりは、とうとう病気になってしまいました。 
 
 3匹のブタは ブタなのに 岩山の鹿のように痩せこけ 
 なにか物を喰い漁る元気もないほど 口々に、
 「ぶひひ~・・・・」と鳴いて、
 そのままクタバリ損ないになることに嘆いて 
 己の生涯を呪いながら死んで逝きました。 
 ガツガツ、ぶくぶく、ガツガツ、ブツブツ 
 それを見た別のブタはいいました。 
 
   「ダイエットしすぎだよ!」  
 
 
 
 
   まだ つづくかもよ。
 
 
 
 
   自分だけ生きて死んで世の仲おわるような格好の
   嘘っぽい人間という汚い生き物が巣窟した世界
 

 
 
 
 
 
 
 
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