書こうか迷って飛ばしていたことだけど、
スッキリしたいので書いてみようと思う。



人工死産の分娩中に考えた事です。



↓人工死産までの経緯はこちら







分娩室に入って、陣痛に苦しんでいる時、
隣の分娩室から女性のうめき声が聞こえてきた。




うーん、いたい…いたい…



とずっと言っていた。



しばらくして助産師達が沢山隣の部屋に駆け込んで、
胎児のものと思われる、


パウン、パウン、パウン、パウン
(私にはこう聞こえる)


という音が大音量で聞こえてきた。




隣の人のお産が始まったようだ。




うわー…


マジか…



と正直思った。




もちろん胎児の心拍を確認しているんだから、普通分娩だろう。





私の赤ちゃんはこれから死ぬのに、
隣の人の赤ちゃんは、
これから生まれて、
みんなにお祝いされるんだろうなと、、、


陣痛の痛さよりもすごく辛くて、
ここでもまた泣いていた。




しばらくして、


いきんで!!


という声とともに、



ほぎゃー!



という声が上がった。



助産師達が、声を揃えて


おめでとうございます!


と言っていた。




正直、すごく羨ましかった。


でも、
初めて肺呼吸をするのに、
あれほど大きな声で泣けるのは、 
お腹の中でじゅうぶんに成長できた証拠だ。



私の子は、もし妊娠継続ができたとしても、
肺が成熟する前にお腹から出されてしまう可能性がかなり高かった。

取り出された時にはもちろん産声はなく、
そのまま管に繋がれて、長期でNICUにお世話になることになっただろう。


今回息子の病気を調べながら、
赤ちゃんが生まれた瞬間に泣けることって、
本当にすごいことなんだと理解していた。


そしてこの日、
赤ちゃんの産声というものを初めてリアルで聞いたこと、
赤ちゃんが無事に産まれた瞬間に間接的に立ち会ってみて、


羨ましさと、
お腹の子を失う悲しさと、
知らない人の赤ちゃんの誕生への感動とで、
我ながら訳の分からない涙をたくさん流していた。


とにかく1人の誕生は、言葉では表せないくらい尊かった。本当に尊かった。





隣の分娩が終わると、助産師さんがすぐ来てくれて、
「大丈夫?」と声をかけてくださった。

助産師さん達も、
普通分娩と人工死産を行き来されていたので、
複雑だっただろうなと思う。


そのあと、
助産師さんにも「私もね、辛いのよ」と言われて、申し訳なかった。


今回、息子の命を救うためによく診察してくださった主治医には、結果的に息子の命を終わらせる処置をさせてしまうことになり、主治医の心情を考えると、それも辛かった。
仕事だからといっても、やり切れないだろう。





もうひとつ、分娩室でのこと。


私は陣痛に苦しみながら、
こんな妊娠出産があるなんて…

と考えてるうちに、
養子に出す親について考え始めた。



陣痛、痛かった。。

とにかく痛かった。



私の子はとても小さかったから、産むのは容易かったけど、正産期の赤ちゃんは、産むのは壮絶な痛みがあるだろう。。。



陣痛、出産、その前には、大変な妊娠生活があるわけで、
こんなに大変な過程を経て出産したら、
たとえ望まない妊娠だったとしても、
お腹の子に対して、少なからず愛情・愛着を持つ方が多いのではないだろうか…
(もちろんどうしても愛情を持てない方もいらっしゃるだろうけど)

それに、お腹の中で一つの命を育てて、産むこと、
どんな妊娠出産でも、自分の命がかかっているのは確かだ。


それでも養子に出すのだから、
相当の理由があって、
苦渋の決断だったのだろう。



私も今回違う形ではあるけど、
子どもとお別れする事になってしまったから、
共感というか、同情してしまった。



自分の中で養子に対してのイメージが少しずつ変わってきているような気がする。
単純に養子に対して勉強不足なんだけども…。






そんな感じの分娩だった。

思い返すとやっぱり辛いけど、一応残しておこう。


これから不妊治療を再開するか、
DINKsを選択するか、
養子を迎えるかはまだ未定だけど、
養子についても少しずつ調べていこうと思う。


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