2016.6.10 手術後 | 明日への轍

明日への轍

齢五十を過ぎて、ある日大腸がんが見つかる。
手術から回復したと思った一年後、肝臓と肺へがんが転移。
更に続くがんとの付き合いを記録します。

看護師に起こされて目を覚ました。
「今何時ですか。」
「四時五十分頃ですね。」

手術からおよそ三時間で終了したようだ。
それから、いろいろと処置をされてICUの病室に入ったのは五時半ごろ。
まもなくカミさんと姉貴が来てくれた。

病室でN医師から説明があった。
「予定通り部分切除しました。
切り取った腫瘍については、検査の結果やはり転移性の癌でした。
肺癌の可能性もあると事前に説明されたかもしれませんが、原発性の癌ではなかったようです。
安心してください。」

有りがたい事だ。

それから、K医師から採血の結果、ガンマーカーであるCA19-9の値が一けた台に下がったことの説明があった。
肝臓がんの手術前には高い数値を出していたものが下がったのは、肝臓癌の手術の効果があったものと考えられるとの事。
いずれにしても自分にとっては朗報である。

ICUに入ってからは、意識して深呼吸をしていた。
肺を一部でも削除したのだし、手術で以前より呼吸が苦しくなるのではないかと単純に考えた。
手術後のできるだけ早い時期から深く呼吸をすることでそれが回避できるのではないかと思った。

以前は手術後の最初の夜は眠れないのが当たり前だった。
だから、今回もそう思ったが、意外とぐっすり眠れた。
勿論、夜中に何度か目が覚めたがそれでもまたすぐに熟睡してしまった。
翌日の目覚めはすっきりだった。