寒いパリの12月。
仕事が終わり、いつも様にいつものカフェでお疲れビール。
誰かが「今日、クリスマスじゃない!」「そうだよ」
「なんか寂しくない」「今日は忙し過ぎて、早く寝たい」
「明日も朝が早いしな」
皆んなパリに集まったバックパーカー族。
「色々な世界を見てきた連中だ」
でも、今は真面目にバイトしている。
プロスキヤーの人、絵描きの人、慶応ボーイ、コック、ウエター等々。
パリの裏通りのこの店に集まって来た。
俺もブラジルから来た移民くずれの人間だ。
ビールからワインにと量が進むと「やっぱり メリークリスマスだろ」
後はいつもの飲み会に変わった。
「俺たちはいつもクリスマス見たいだよ」
青春のど真ん中、パリで俺たちは跳ねていた。
「あの連中、今何してるのかな」「皆んなおっさんだ」
あの空気は今でも臭いを感じる。こんな青春は俺の宝。
今でも笑える、今でもあの時の続きを話せる。
「あの時のパリの青春、バンザイ」