アメリカに夢を持って来たけれど ドリームは何処にある 曲者だらけの連中 | 「あの日 あの時 世界の街角で」バカブンド

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ブラジル移民から世界放浪 若い頃にフラッシュバック
消せないアルバムの話。

朝から、一ヶ月後の店のオープン準備の打合せ。

 

初めて会う人達だ「顔を見るだけで一癖二癖もありそうな人間達」

 

天ぷら担当の責任者と寿司担当の責任者「どう言う訳か石焼ビーフの担当の洋食の人もいる」

どう考えても調和が取れているとは思えない「当分は様子を見ながら考えよう」

 

「天ぷらの責任者が、どうも態度が一番大きそう」「寿司の責任者は、我冠せずのようだ」

「洋食の人は腕がなさそうで、天ぷらの責任者に媚を売っている感じ」

 

初めに起きた問題は、日本での契約内容と違う件だ。

寿司の責任者の給料の内容が、日本で聞いたのとは違うと言い日本に帰ると言う。

 

次に起きた問題が、誰が親方という問題。

天ぷらの責任者が、日本を出る時に社長から親方と言われたと言う。

店の女将は、日本での水商売の経験がないので判断がつかないようだ。

日本の社長に現状を電話して来てもらう事にした「こんな調子で出来るのか」

 

夜になると、それぞれの部屋での作戦会議。

 

俺は家族がいるので、生活が出来る様に準備を始めた。

経理担当の女性が子供が好きなようで、よく部屋に来るようになった。

女房とも気があったのか仲良くなり、おかげで色々と助けてもらった。

ある時、彼女が言った言葉が「どうして、日本から来た人達は仲が悪いのでしょうね」

「仲が悪い訳ではなく、自分の立場をはっきりさせないと、仕事をしないのが職人と言う人種」

と教えたが彼女は理解できないと言う。

 

数日後、日本から社長がやって来た「建設中の店の中でのミーティイング」

 

社長は、責任者の件の話を皆の前で始めた。

「和食の責任者を中心にする。皆も協力するように」

 

その時は皆も解ったような顔をしたが「これからが大変そう」

 

最悪な人間関係は無協力体制の始まり。