寿司屋が夜逃げ 探さないで下さいの置き手紙 アメリカまで来てドラマチックな日々 | 「あの日 あの時 世界の街角で」バカブンド

「あの日 あの時 世界の街角で」バカブンド

ブラジル移民から世界放浪 若い頃にフラッシュバック
消せないアルバムの話。

一緒にやっていた寿司職人の夜逃げ。

 

何時ものようにアパートの前で待っていると「若い奴が血相を変えてやって来た」

「こんな物が置いてあって、居ません」「置手紙だ」

「迷惑かけてすいません、探さないで下さい」と書いてある。

 

直ぐに店の女将さんに連絡をし、俺達は時間がないので仕事に行った。

飛行場から帰ってから女将さんと相談「判断がつかないので、少し時間がほしい」

「日本から社長を呼んで相談する」と言う。

 

数日後、社長が来た。事情を説明してこれからの体制の相談をした。

すると、「昼の店の方も経営が上手くいっていない 逆に機内食ビジネスの方が利益が出ている」

「それならば、ちゃんと人を入れて下さい」

「今の様な夜中の時間帯ではなく、昼間に出来る場所でお願いしたい」「解った」社長は約束した。

 

後日、若い人が日本からやって来た「とりあえず人の確保出来て、又いつもの時間が流れた」

 

ある日、店の女将さんが部屋に尋ねて来た。

「昼間の経営が上手くいかない、天ぷら屋の責任者がちゃんとしていない」と言う。

「大変ですね」散々いい様にされた自分には興味が無い。

すると「又、昼間に戻ってくれない」と言う。「俺は即答を避けた」

 

「何ていい加減な奴らばかりなんだ」「この店は多分失敗する」

 

アメリカに見ていた夢が、現実のグレーに染まって行くようだ。