リオのコパカバーナ 初めて聴いた都はるみの “北の宿 “ その夜は大怪我で病院行き | 「あの日 あの時 世界の街角で」バカブンド

「あの日 あの時 世界の街角で」バカブンド

ブラジル移民から世界放浪 若い頃にフラッシュバック
消せないアルバムの話。

少し寒さがあったサンパウロからリオに来て三ヶ月。

 

サンパウロで働いた店の板長が辞められ、店の雰囲気が変わり辞める事にした。

 

リオのこの店も、前の店の板長の紹介があったので、直ぐに雇ってもらえた。

 

店は日本の赤坂の料亭の支店だそうだ。女将さんがいて、表のサービスが二人。

 

バーテンダーが一人。そして、厨房がチーフと先輩と俺だけ「まあ 家族的だ」

 

でも、美空ひばりさんが来たり、西田敏行さんも来た「結構有名な店の様だ リオでは」

特に難しい料理は無いし、客も少ない「よく潰れないな」。

 

ある夜の仕事終わり、「今日 付き合え」とチーフが言ってきた、「はい」と一言。

 

夜のコパカバーナのプロムナードを、プラプラと歩いた「少しは慣れた」「はい」

そんな会話をしながら行くと、日本語の看板「ブラック&ホワイト」が見えて来た。

 

「ここだから」「はい」、店に入ると「今晩は」マスターが挨拶して来た。

チーフはここの常連の様だ。「日本みたいですね」「この雰囲気が好きでね」

 

チーフは日系二世なので、日本への思いが強い感じ「カラオケもあるぞ」。

すると、マスターが「今日 新しい曲が入ったので聞く」「都はるみの 北の宿と言う曲だけど」

「日本で流行ってるみたい」、チーフは「それは良い やって」こんな雰囲気が好きなんだ。

俺はその店に何回も連れて行かれて、チーフの話しの色々を聞かされた。

 

ある夜、俺が一人で行った時、ブラジル人の女性と日系の男のカップルが来ていた。

 

突然、ブラジルの女性が騒ぎ出し、何が原因か知らないけど喧嘩を始めた。

 

隣に座っていた俺もとばっちり、「やめろよ」と女性の方に顔を向けた時、

女性の持っていたグラスが俺の顔に、顔面が血だらけになり店は大騒ぎ。

 

警察も来て女性と男は連れていかれ、俺は救急車で病院、どうにか大怪我にはならなかった。

 

マスターは平謝り「大丈夫 本当にごめんなさい」「痛いけど大丈夫です」

俺がリオに居る間、この店ではいつもマスターのおもりになった。

 

♪ あなた変わりないですか ♪ 都はるみの北の宿を聞くと「俺のリオ」が始まる。

 

でも、コパカバーナに演歌、顔面血だらけのあの夜「リオの生活が日本風なのが可笑しい」

 

こんな生活も南米での足跡の一つだ。