イタリアはローマであった恋のプロローグ ふとした事から生まれ “ 友達になって “ | 「あの日 あの時 世界の街角で」バカブンド

「あの日 あの時 世界の街角で」バカブンド

ブラジル移民から世界放浪 若い頃にフラッシュバック
消せないアルバムの話。

この街に来て何ヶ月が過ぎた。

 

日本の大手デパートの日本食店「店の中は日本だ」

 

少ない日本人だけでやっている。

 

従業員のコミュニケーションとして、誕生会をやっていた。

 

その月の誕生日は、表のサービスの女子「小柄で元気な子」

 

その子は、以前いた厨房の男の子の彼女だそうだ。

 

俺と入れ違いで日本に帰ってしまった「好きだったんだろうな 」

 

その女子が22歳になる誕生会。その日はお客も少なく、早めに会が始まった。

 

お酒もまわり、宴会の付き物の歌が始まった「俺も何か歌わなければいけない感じ」

 

少しギターが出来たので「22歳の別れを歌います、ギターは下手ですけど」

 

♫ あなたの誕生日に22本のローソクを立て ♫

 

その時「その子が泣いている」俺は戸惑った。

 

俺は歌うのをやめた。周りの同僚の女子達は「大丈夫、元気出して」

 

すると、その女子が「歌やめないで、最後まで歌って下さい」

 

俺は言われるままに、又 歌い出した。

 

何となく時間が過ぎて、その誕生会は終わった。

 

次の日、その子から仕事終わりで「今日、時間あります?」

 

二人で夜のカフェに行く事なった。「昨日はごめんなさい、急に日本に帰った彼を思い出して」

 

「いいえ 気にしないで。彼の事が本当に好きなんだね」

 

「うん でも それだけじゃないの。貴方が少し似てるので」

 

「22歳の別れも、彼の好きな歌」

 

「それは、まずい歌をやってしまったな。でも あんなに泣くなんて」

 

「でも 嬉しくて。ここに彼がいるみたいな感じがした」

 

「お願いがあるんです」

 

「何ですか?」

 

「ローマに私がいる間、友達になってくれませんか?」

 

「それじゃ浮気になっちゃうじゃないの?」

 

「大人の友達、二人の秘密、お願いします」

 

「まあ いいか ローマの思い出。そんな感じでいいのかな」

 

22歳の別れの歌で、この時間が生まれ、若い子とのストーリー。

 

あんな時代もあった。でも 懐かしい「ローマ 夏って感じ」