腕時計論(中) | Carlos Danger Is Here

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ヘイナーウ!

前回は、美しい時計は実用的でなく、実用的な腕時計は美しさを欠く、といふことを書いた。


ところがどっこいおっかさん、ラクジェリー・スポーツ・ウオッチはどーなんじゃい、とゆー意見が出てきそうだ。


このカテゴリーに属するローヤル・オークは約150万円、パテック・アクアノートは約200万円、ノーチラスは約250万円。


この金額に見合う仕上がりの品だから、美しい時計の筈。


んでもって、スポーツ時計とゆーことで、頑丈に作ってあるんじゃけん、日常使いできて実用性も高い、筈。


ま、理屈としては間違っていない。


んが、俺のアクアノート・オウナーとしての感想を言わせてもらうと、アクアノートは実用性のほうに重心が傾いている。


視認性高い、軽くて着けやすい、ルームが強烈で暗いところでも時間がわかる。とゆーことで、毎日使いしていて文句は全然ない。


でもなんかのっぺりとしていて、優等生的で、凝った部分が強調されていなくて、つまらん時計じゃ、といえないこともない。


アクアノート、じっくりと見れば、ケースのフォルムは官能的で、ダイアルも無駄がなくて精悍で(前回書いたが、実用的な日付ウインドーはダイアルのよさを減らしているが)、裏スケのムーブメントは美しい。


でも高価な時計にあるこだわりというか、派手さというか、突っ張っている態度というか、そーゆーのが一発で伝わってこない。その意味で、審美性の面で妥協している、と言えるかも。


つーことで、俺の体験によると、ラクジェリースポーツウオッチが美しさと実用性を同じくらい兼ねそろえているかは、疑問なわけです。


次回予告:腕時計愛好家は、時計の審美性を重視するべきなのか?