桜から新緑の頃は、いろいろ頂き物が多い。
山野草から鉢物、山菜、野菜、筍など。
一度に被って、食べきれない量となることもある。
その花木は、我が家にも沢山ありますとかもある。
ここで、田舎ルール〝断ってはいけない〟がある。
「どうも、どうも、ありがとうございます。」と受け取って、後は腐らせようが枯れさせようが捨てようが、かまわない。
〝あなたのためを思って〟と言う好意を、拒絶することだけはしてはならない。
拒絶したならば、
〝あそこの家は何でもありなさるようだから、何も持って行けないわ〟と言いふらされ、
毎年届いていたものが、届かなくなることもある。
これは、縁談でもいえることである。
卒業したての若い娘には、とびきり条件の良い縁談が飛び込むことがある。
遠くの大学(または大学院)から帰って来てくれた娘は、もう少し手元に置いておきたいと親は考える。
そこで、親(主に母親)は会う事もなくお断りするという過ちを犯す。
両家の間に入った人の顔を、つぶしたのである。
「あの家には、これ以上の縁談でないと持って行けないわよ」とされてしまう。
もうそろそろと考える頃には、納得できる縁談は誰も持って来なくなっている。
結論としては、まずは仲人の顔を立てて会って、そのうえでムニャムニャと理由をつけて断ればよかったのである。
会った上で断られるのはお互いさまで「ご縁がなかったのね」と無難な落ちが付く。
田舎では、田舎ルールを知っておくべきである。