退職後に、知人に頼まれてお見合い相手を紹介したことがある。
それから、なんとなくたまに仲介している。
素人の私に頼んでくるくらいだから、大抵はいわゆる婚期を過ぎた娘さんと息子さんばかりである。
条件は良いのにどうして?と、不思議なケースもある。
これが、まとまらないのは条件がそこそこ良いと、お相手にはもっと良い条件を求めるからであろう。
そして、そこには親の意見が強くあり、子どもは親の言いなりである。
子どもは、親の反対を押し切ってまで結婚する意志がない。
そういう親の自慢の子ども達は、親がまだまだ、もっともっとと言っているうちにどんどん婚期を逃す。
彼ら彼女らは、高学歴で、家柄も良く、性格も素直で、容姿だって悪くないのだが、親の望む条件の良いお相手には選ばれない。
条件の良い異性にとって、アピールがなかったり、受け身で積極性が無かったり、異性として魅力が感じられなかったり、話しても楽しくなかったり、そのくせ親からは近くに住んでほしい、子どもや孫の世話は母親が手を出すなどと面倒な希望を出される。
要するに、結婚するメリットが感じられないのである。
通常、男性にとっては、そこそこの条件でも、若くて可愛い性格で、日々を楽しく暮らせる知恵を持った女性が良い。
子どもを持てる期限は女性に早く来る。この年まで待ったのだから、今更妥協はできないと深みにはまるか、見切り時や損切を見極めて現実的に手を打つか。
中には、一発逆転を勝ち取る女性もいた。
彼女は家柄も容姿も平凡であったが、話術が巧みで人を楽しませる自分の強みをアピールして、実に冷静に残り物の福を掴んだ。
若い時なら選ばなかったかもしれない身長や容姿でも、今の自分にこれ以上はないと見極めて資産家と結婚した。
それなりの経済的幸福を得て、求められる資産家からの要求を飲んだのである。
彼女は賢かったのである。