失敗しないための美容相談所~整形ブログ・名医の条件・山口 -14ページ目

失敗しないための美容相談所~整形ブログ・名医の条件・山口

全国美容外科の医師選びを解説中。
①症例写真が綺麗=技術が高いは間違っている
②美容外科学会には2種類ある
③選んではいけない美容外科とは

グラマラスライン形成やハムラ法の三白眼修正

グラマラスライン形成やハムラ法の術後に三白眼様になる症例がある。原因の多くは下眼瞼皮膚の過剰切除や前葉短縮による下眼瞼外反、下制過多。いわゆるアッカンベー状態で、眼球下方の強膜露出が目立つ失敗。

下眼瞼は前葉 皮膚眼輪筋と後葉 結膜瞼板で構成され、どちらかが短縮すると支持バランスが崩れる。皮膚を切り過ぎると前葉短縮となり、閉瞼不全や流涙、角膜障害を伴うこともあります。

 

グラマラスライン形成失敗例:三白眼、眼瞼外反

なぜ修正が難しいか

一度切除した皮膚は戻らない。単純植皮は拘縮しやすく、再下制や後戻りを起こしやすい。特に下眼瞼は動的部位で瘢痕収縮の影響を強く受けます。

過去の報告でも、単純植皮のみでは長期安定が得られにくいことが示されています。

修正術の選択肢

方法 適応 長所 問題点
全層植皮 前葉短縮 比較的容易 拘縮再発
真皮脂肪移植 軽度短縮 ボリューム補填 吸収変動
耳介軟骨移植 後葉支持強化 支持力が高い 硬さ
Hard palate graft 後葉延長 長期安定 口腔採取侵襲

耳介軟骨移植の位置づけ

耳介軟骨は支持力があり、下眼瞼後葉の補強材として用いられる。瞼板延長の目的で挿入し、下眼瞼を上方に押し戻す。類似概念としてtarsal spacer graftがあり、Har-Shaiらの報告では軟骨系スペーサーは安定性が高いとされる。Patelらのreviewでも後葉延長材料として耳介軟骨や硬口蓋粘膜が選択肢に挙げられています。

ハムラ法との関連

ハムラ法は眼窩脂肪再配置が本質だが、過度な皮膚切除や支持低下があると外反リスクが上がる。近年は皮膚温存、外眼角支持強化、canthopexy併用が推奨されています。

医師選びの推奨

三白眼化は単なる見た目の問題ではなく構造破綻。単純植皮では不十分なことが多いです。
支持再建として耳介軟骨移植は一つの選択肢だが、適応判断と層の理解が不可欠なので、他院修正をやっている外科医でなければ治すことは難しい・・。

 

やってはならないのが、なんちゃって美容外科医を選択してしまう事。

 

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ディーププレーンは本当に画期的なのか

最近ディーププレーンフェイスリフトが最新術式のように紹介されることが増えています。しかし25年前の解説書にはすでにSMASリフトが明確に記載されています。しかも皮膚だけを引っ張るリフトはやめるべきと書かれている。これは事実です

 

顔のシワの種類と特徴イラスト

SMASリフトの歴史

SMASの概念は1970年代に確立。1990年代には標準的な術式として教科書に掲載されています。皮膚単独牽引では後戻りしやすいという理論も昔から知られていました。

ディーププレーンは新発明か

ディーププレーンは1990年代にHamraらが体系化しています。皮膚とSMASを一体で剥離し保持靭帯を解除する方法です。つまり理論自体は10年以上前どころか30年以上前から存在しています。

 

ディーププレーンとSMASリフトの歴史

 

25年も前のフェイスリフトに関する書籍ですが、

このページにははっきりと
・皮膚だけを引っ張る方法は長持ちしない
・十数年前に画期的な方法が開発された
・皮膚と筋肉の接着部に当たる膜状組織 SMAS も一緒に引く

と書いてある。

つまりこの本が出た時点ですでに
SMASを操作するリフトが標準化していたという事。

 

顔が老ける理由をまとめておきます。

 

部位 原因 本質
上まぶた 皮下脂肪減少によるたるみ ボリューム減少
目の下 眼輪筋の弱化 筋層の変化
鼻の両脇 頬の重みで垂れ下がる 中顔面下垂
加齢による皮膚変化 皮膚+深部変化

術式の整理

術式 主な層 歴史 持続性 コメント
皮膚単独リフト 皮膚のみ 1900年代初期 低い 後戻りしやすい
SMASリフト SMAS操作 1970年代確立 中程度 現在も基本術式
ディーププレーン SMAS+靭帯解除 1990年代体系化 高め 理論は新しくない

SNS美容外科医は信用できない

ディーププレーン切開リフトは突然生まれた革命手術ではありません。

SMAS理論の延長線上にある発展型で、10年以上前には報告されているものです。
術式名よりも、どの層をどう扱い、どこまで剥離し、どう固定するかが本質なので、煽り宣伝している美容外科医は避けることを推奨いたします。

 

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肋軟骨と耳介軟骨はどちらも鼻中隔延長に使えるのですが、性質が異なるため材料選択は「術式の目的」「患者の解剖」「強度と変形リスク」「予備軟骨の有無」で決まります。

 

以下に美容外科の実務ベースで整理してみました。

 

女性の鼻中隔延長術のビフォーアフター

比較表

項目 肋軟骨 耳介軟骨
強度 非常に高い 中程度
変形(warping) 比較的大きい ほぼなし
十分に採取可能 少量
採取創 胸部に中等度創 耳後部に小さな創
痛み・合併症 肋骨痛, 呼吸時痛, 術後制限あり 少ない
加工しやすさ 大きな形で使えるが慎重な調整必要 形状が小さく制限あり
軟骨硬さ 非常に硬い 柔らかい
長期安定性 高いがwarping管理が課題 安定性十分(量は制限)
適応 長い延長距離, 強い支持必要 軽度〜中等度延長

肋軟骨のメリット

強度が高いため大きな延長や大きな支持が必要な鼻に向く。
量が豊富で、複数の部位(延長、支柱、補填)に分けて使える。
柔軟性より支持性重視のケースで安定した結果を出せる。
• 十分に準備すれば長距離の延長や再手術にも対応可能。

肋軟骨のデメリット

warping(反り)リスクがある。肋軟骨は内部応力が強く、切断後に変形しやすい。
採取創が大きい。胸部への傷、痛み、呼吸関連の不快感が術後しばらく出ることがある。
術中の加工が高度。warping管理(対称切断、均等な両端残存など)が必要。
合併症として血胸・肋骨周囲痛・神経痛などのリスクが耳介に比べて高い。

耳介軟骨のメリット

warpingがほぼ起きない。天然の曲面をそのまま使えるため変形リスクが低い。
採取創が小さい。耳後方で隠れる位置に傷ができ、術後感染・痛みが少ない。
加工が簡単。薄くて扱いやすいので手技の再現性が高い。
合併症が少ない。胸部より負担が小さい。

耳介軟骨のデメリット

量が少ない。大きな延長や支柱構築では不十分なことがある。
強度が肋軟骨より低いため、重度の延長や荷重がかかる形態には向かない。
薄さゆえに形状制限。多くのパーツを取れない。

病院選び・使用軟骨どちらを選ぶべきか

延長距離が短く、弱い支持で十分なら耳介を優先
(例:鼻先をほんの少し前方に出したい、柔らかい仕上がり希望)。

延長距離が大きい、強い支持が必要、再手術例、高度な変形修正なら肋軟骨
ただし warping 対策を確立した術者が必要。

術者の熟練度とwarping 管理技術が成否を左右する。
肋軟骨で成功してもwarping が誤ると変形が出るため、術者の経験値と加工技術を重視する。

 

耳介軟骨
→ 小延長/柔らかい支持/リスク低優先。

肋軟骨
→ 大延長/強い構造/再手術や重大変形修正向け。ただし反り対策が必須。

warping を抑えるノウハウ

• 直径均一・双方向均等カット
• 内部応力を予め解放・対称取り
• 必要なら複数ピース組合せ
• 軟骨シェルを固定器具で安定化

(これは取り扱いの高度さを示す。)

 

また肋軟骨で鼻中隔延長を行う施設の中には、生理食塩水に浸して一定時間観察し、warpingの出方を確認する工程を入れているところはあります。warpingは採取後早期、特に最初の15分から60分で顕在化することが多いとされるので、手術時間中にテストをして不具合が起こらないかを確認するわけですが、回転率を重視しているクリニックではこうしたテストをせずに肋軟骨の挿入を行ってしまうので、後から曲がっていきます。これが決定的な差ですね。

 

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