これまで、裏方まで含めて演技をしてきたため、
撮影の現場は違和感を覚えます。
なにからなにまで至れり尽くせりで、
自分が貴族のように思います。
「ありがたい」気持ちを
勘違いしないように意識します。
役割がきちんと分かれている現場では、
自分の役割を認識する必要があります。
そうでもないと、自分が偉くなった気分で天狗になります。
衣装を着る、靴を履く、こんな単純動作でさえ
サポートに入ってもらえ、
私服を脱いで、衣装を渡される時は、
「片手ですみません」と声をかけられる。
商品に少しでも傷が入らないようにしているのであって、
商品としての自分を大切にしてもらってのこと。
ただの商品ではなく、人間として付き合うならば、
空き時間にコミュニケーションを取ること。
場合によっては、一度限りの関係なので、
「旅はかき捨て」と同じで、
大胆な発言ができます。
自分が本音を語ることで、相手をオープンになり、
短い時間の中で、緊密な関係を結べます。
どんな人かわかれば、無駄に警戒する必要がないため、
自分からオープンすると早いです。
特に、俳優に近しい、メイクさんや衣装さんとは
オープンするのが得意な方が多いので、
お互い気楽に話せます。
商品として扱われて「ありがたい」よりも、
人間同士として「ありがたい」になりたいと常々思います。
良き作品は、良き人間関係から生み出されます。
相手の意見を受け入れるのは、信頼関係があってのこと。
素直な「ありがたい」を言える人間関係の撮影現場に
自分でしていく方法です。