前の記事では、センタースピーカーをバックロードホーンで作る事に決めたことを書きました。
使うユニットは、もう随分昔にかったFE103。二本持ってあったのですが、一本がエッジが剥離したて、ハードオフ行き予定になるので、余った一本を使います。
【音道】
バックロードホーンの設計パラメーターは
①空気室
②ホーン入口の面積
③ホーンの開き率
④ホーン長
になります。
①と②は、長岡鉄男氏のD-80(時計台)をトレースしました。(STEREO誌 ’95年7月号)
①空気室は約2L
②ホーン入口面積は3cm×12cm=36cm2
③と④は、決まった大きさ「幅55cm、奥行き45cm」で、高さもそれほど大きくしたくなかったので、15cmとした中で決めていきました。
長岡鉄男氏の計算式によると
③ホーンの開き率は、1.2程度になり、カットオフ周波数は50Hzとなります。
④ホーン長さは約130cmとなりました。
音道はこんな感じです。
カットオフは、長岡鉄男氏の通常の設計より高い周波数になっているかと思います。
それは、僕の今までのFE103を使った感触より、それほど低い周波数まで欲張ると、いわゆる低音感を感じる200Hz辺りがプアになって、甲高い音だけが聞こえてくると思ったためです。
【板取り】
このような板取です。
今回の僕の設計では、棚も一緒に作っているので、スピーカーだけ取り出すと、ちょっと無駄が多くなっています。参考になればと思い、とりあえず載せておきます。
【製作】
少し、難儀しました。
やっぱり、長岡鉄男氏設計のようにうまく作れないものです。
特に、⑤と⑨と⑪を組み立てる際、順番とか僕がマズかっただけかもしれませんが。
あと、⑭の板の、音道になっている部分には、100均で買ったポリエステルのフェルトを貼りまくりました。ずっと一緒の幅の音道なので、変な定常波が出ると嫌だと思ったからです。
あと、③〜⑧までの板にも、かなりポリエステルのフェルトを貼ってます。バックロードホーンの場合、ホーン出口からの中高域の音が漏れると、お風呂の中で鳴っているような違和感が発生してしまうと思うのです。長岡鉄男さんは、あまり吸音材をいれるとつまらない音になると言ってましたが、それには反しているかもしれません。
あと、余った木は、③とか④に貼り付けて、箱鳴りを防止するようにしました。気は心かもしれませんね。
あと、表面にはウレタンニスを塗りまくってます。ウレタンニスの硬度は、木よりも高いので、表面に薄皮を付けるイメージになります。
【試聴】
普通に聞いてみました。
狙いはほぼ当たりです。FE103の甲高い音は聞こえません。ホーン開き率を比較的大きく取ったのが効いているのか、ホーン長の130cmとマッチしたんでしょう。
もちろん、重低音は全然出ません。でも、センタースピーカーなので、それで良いのです。
そもそも10cmのバックロードホーンでは重低音は出ないのだと思います。かつてSuper Swanを使っていたことがあるのですが、あのスピーカーも100Hz~200Hzあたりの音圧が高いので低音感はあるのですが、50Hz以下はほぼ聞こえないと思います。
細かい音のニュアンスとかはあまり注意深く聴いてはいませんが、中高域はいわゆるFE103の音だと思います。
【まとめ】
非常に良く出来たと自画自賛です。
実は、他のバックロードホーンの箱(昔のフォステクスのBK10のレプリカ)に入ったFE103があるのですが、それは全く低音が出ないのです。
ですので、BK10にはFF105WK辺りを入れて、そこで余ったFE103をつかって、同じ音道でスピーカーを作りたくなってしまいました。