⑱これじゃない~ っていう体験のお話。 | 甲状腺未分化がん闘病記

甲状腺未分化がん闘病記

甲状腺乳頭がんから未分化がんに転化り患した、超特急がんサバイバーのリアルながん情報を生存中に書き残します。

こんにちは。

いつもいいねくださりありがとうございます。

 

今日は近所のたい焼きやさんで、「餅入り桜あん」のたい焼きののぼり旗を見かけて、思わず買ってしまいました。

桜あんをいただくと、あの独特の風味は「あ~、春だな~」と、まだまだ咲かない桜の光景さえ蘇ってきますね。

春は迎えられないかと思っていましたが、分子標的薬のお陰で今日も暫し人生の猶予をいただいています。

このままの調子で春を迎えたいな🌸

 

 

 

喘息がある私は造影剤が使えなかったので、術前CTは単純CTのみでした。

腫瘍が頸動脈に浸潤しているか、食道や気道は・・・・ 様々が手探り状態でしたが、明らかに医師から告げられていたのは「左の反回神経は切断する」でした。

腫瘍に取り込まれていて、CTを見ても反回神経がどこにあるかさえ分からない状態でした。

 

幸いにも右の反回神経は切除を逃れたので、片方だけの声帯で声を出しています

 

最近は様々な手続きのために人と会話する機会が多くなっていますが、案外会話が成立していることにちょっと驚いています。

面と向かっての会話は音が波になって伝わるので聴きとっていただきやすいけど、電話は一度デジタル音になるため、私にはまだハードルが高いそうです。

 

反回神経が切れた声帯は全く動きません。

左右の声帯が合わさることで赤ちゃんの時から当たり前に声が出ていたのに、半分扉が空きっぱなしで風通しがよくって息が抜けるだけで、時によりまったく声が音にならない時もあります。

 

どんなに息を吸っても、叫ぶような大きな声は出ません。

息を吐くことは長くできるけれど、発音するとせいぜい4秒しかもちません。

とにかく、喋るときに吐く息の量が必要なので、話し続けると酸欠な感じになったり、咳き込みが出たりしてしまいます。

 

なんとかならないものか・・・と、大学病院の言語療法士さんのリハビリも受けさせていただいていました。

 

「声帯に力を込めて!」 と言われるのですが、そもそも声帯がどことか意識して知っています?

唄いすぎたときみたいなことかな? と訊いたら、それも違うというし。

時折水で潤したり、右を向いて喋ったりと、工夫すると偶然いい音が出ることもありますが、長続きもせず息が抜けてなにも震わせない声のような声で毎日を過ごしています。

これが職場復帰の妨げでもあります。

 

 

少し前に、この声が声にならないがために決定的な不都合を体験したのですが・・・

 

ラーメン屋にいって「ラーメン」を注文したところ、はい、おまたせって言って「タンメン」が出てきちゃって 予想もしなかったから「え~~っ!」ってなったし、「これじゃない~w」 ってなってしまってw

あの時こそ、「いかん、このままじゃ・・・」って何とかしようと思っちゃいました。

 

 

子どもの頃によく食べた懐かしの定食屋でラーメンが食べたくて行ったのに、、、😢

 

 

 

結局、ラーメンにありつけて、「あ~、この味だ!!」と思い出ごと堪能してきました。

自分が味わってきた味、それを懐かしいと思えるのも自分だけ。

 

 

 

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残された時間に限りはあるけれど、私の体験が少しでも後につながり、役立つように。

そして、様々ながんサバイバーのみなさまの一日一日が少しでも幸せでありますように。

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令和6年3月1日  ★b-raugh-yousei★