ボス・リズ:共感できない人の真理。 | マイノリティのお話

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ずっと人前で自分を出せない、自分でいてはいけないのだと思ってました。カウンセリングを受けたら、育った環境に原因がある事がわかりました。

私以外全員ASDだった。

ASDについて勉強したら、今まで見えてなかった事が見え始めた、そんなブログです。

ここ数週間、頭の中でぐるぐるぐるぐるしている、ボス・リズのセリフがある。

 

ボス・リズとキャリア・カンバセーションをした最に、最後にボス・リズが私に言った言葉である。

 

 

リズ:I was nice to you when you had to prioritize your family matter. I could give you mor work. You shoud be thankful and remember that. (私はあなたが家族の事を優先させなきゃいけなかった時に、親切だったでしょう?もっと仕事を渡す事もできたのに。感謝すべきだし、覚えておくべきよ)

 

 

 

このセリフ、リズが「覚えておくべきよ」と言った通り、私の中で、ぐるぐる、ぐるぐる、ぐるぐる、ぐるぐる、おフランス語訛りの激しい英語で回り続けている。ちなみに、このぐるぐるはADHD傾向の人に多い症状だそうだけれど、それはまた別のお話・・・。

 

 

 

 

うちの会社、グローバル企業で、ダイバーシティやフレキシビリティを大事にしている会社である。仕事も大事。でも、自分時間も大事。今、自分の中で一番優先しなければいけない事は何なのか、真剣に考えた結果であれば、仕事に融通をきかせてくれる。もちろん、勝手に「今日は、恋人と居たいから、お休み」とか、「今日はやる気でないから、自分を大事にしてお休み」とか、そういう亊ではない。上司にきちんと伝えた上で、「じゃあ、その期間はこうしましょう」と合意した上で、長期休暇を取る人もいれば、時短で仕事をする人もいる。有給休暇を使いながら、変則時間でフレックスに働く人もいる。

 

普段からサボってばっかりいるような人達は、信用がないので「いや、あかんやろ」と言われるかもしれないけれど。長年勤めて、ある程度の功績をあげ、信用がある社員に対しては、基本「そう決めたなら、あなたの決めた事をサポートする方法を考えよう」と、マネジメントがサポートするカルチャーである。

 

私はそこがすごく好きで、この会社に長く勤めている。

 

 

リズの上記のセリフ、キャリア・カンバセーションの中で、私が「ほかのメンターにも相談してみようかと思う」と言った事で、「私の部署を去るつもりなわけ?!」とカチンと来て、吐いたセリフである。

 

 

私の部署を去るつもりなわけ?!(そうは言わなかったけど)→ 拒絶されたと思って傷ついた → カチン!!!! → 相手を言い負かせる何かを言わなくては!私が負けてしまう!

 

という衝動の流れで、その場で自分が勝つため・優位に立つために、思ってもいない亊を口にした、とも受け取れるのだけれど。

 

 

ふと思ってしまった。

 

 

 

うちの会社はそもそも、そんな事を部下に言うような文化ではない。もちろん、「おお。結構休むな・・・」と思う事があっても、そこでバックアップ体制が取れないようであれば、そのバックアップ体制を取れないマネジメントが問題なのであって、休む事にきめた人が問題なのではない。それを、誰もが理解しているから、「おお。休みますね」と事実を口にしたとしても、「私があなたの分も働いたのよ、親切でしょ?覚えておいてね」とか「私が調節したのよ、優しいでしょ?忘れないでね」なんて言う人は、いないのだ。

 

自分がいつか何かを理由に仕事を休む事はあるわけで、「人に迷惑をかけてはいけない」というよりも、「迷惑をかけるのは当たり前。自分が親切にしてもらった分を、誰かに親切にしてあげよう」という、アメリカ・ベースの企業らしい考えが当たりまえで、誰も口にしない。万が一、そう思っていたとしても、普通、その不満を言うのは本人に対してではなく、サポート体制をうまく作れないマネジメントに対してなのだ。だって、明日は我が身なんだもの。

 

でも、例えば・・・「明日は我が身」が理解できない人だったら?

 

そもそも、相手に共感が出来ず、明日は我が身・・・のリスクヘッジの想定が出来ない人だったら・・・?

 

自然に共感もリスクヘッジの想定もできない人の場合、常に、こういう不測の事態は部下本人のせいだろうし。そして、普通の人にとっては、共感して「まぁ、そういう状況だもんね。しょうがないね」で終わる事も、ものすっっっっごい努力をして、ようやく、相手の立場に立ったテイなのかもしれない。

 

つまり、「明日は我が身」を、会社の文化やソーシャルルールで理解したテイ、な、だけかのかもしれない。

 

そういう場合、『衝動的に相手をその場で言い負かそうとして』、あんな事をぽろっと口にしたわけではなく。

 

「私、ものっっっっごく、あなたに優しくしてあげたわよね?あなたが家族の事で、休みが必要だと言ったから、仕事をミニマムにしてあげたわよね?私、ものすっっっっっっごく、自分自身が我慢して、融通を利かせたわよね?こんなにもしてあげたんだから、そりゃ恩義を感じるのは当たり前でしょう?覚えておいてね?感謝しなさいね?」

 

 

これを、本当に心から、そう思ってる人なのでは・・・?

 

私、どうもこの手の人達の心情に共感し勝ちで、「たぶん、私を言い負かせようとして、ぽろっとそんな事口走っちゃったんだと思う」と、相手をかばいがちだったけれど。これって、本当はリズが相手に共感できるタイプ人である・・・という想定の気がする。

 

 

そもそも、共感力がほぼゼロに等しい人であったら。

 

本気で言ってるやんな。

 

そして、普通の人であれば、何の苦労もなく相手に共感し、客観的にシチュエーションを理解して、「そっかぁ。大変やなぁ。心置きなく休みとって、片付いたら仕事に戻ってや~」と思える事を。ものすっっっっごく苦労して、受け入れたのだとしたら。

 

リズは、私に対してものっっっっごい、投資をした事になるので。心理学上、多額の投資をしてしまったものに関しては、手放したくなくなる・・・の法則で、執着もごっつい事になるんやないんではないか。

 

だから、あんな恩着せがましい事を、上司として絶対に言うてはいかん事を、口にしたのでは?

 

ぽろっと、思ってもいない事を、売り言葉に買い言葉で言うてしもたのではなく。本当に、心から、恩を着せたかったのでは・・・?

 

 

 

なんか、一歩、真理に近づいた気がするねんけど。

 

 

気のせいやろうか。

 

 

 

 

ああ。逃げなあかん。逃げなあかんな。こりゃ。本気で。