ボス・リズ:笑顔で怖い事言う人。 | マイノリティのお話

マイノリティのお話

ずっと人前で自分を出せない、自分でいてはいけないのだと思ってました。カウンセリングを受けたら、育った環境に原因がある事がわかりました。

私以外全員ASDだった。

ASDについて勉強したら、今まで見えてなかった事が見え始めた、そんなブログです。

わー、こわーい。という恐怖体験。

 

この記事の続きです。

 

さて。ボス・リズ、焦って、「金曜日の仕事の話の続きと、キャリア・カンバセーション」と銘打って、私の休み明けそうそうにミーティングを入れてきた。よっぽど私が「キャリア・カンバセーションしたい」と言った事に焦ったのだと思う。

 

さて。どうしたものか。どうやって、ボス・リズに話を持っていくか。もう、そればっかり考えて、週末なんて、他に何も考えられなかった。

 

 

・・・いや、嘘です。マッチングアプリで、イイ感じの人とマッチングして、WhatsAppはしてました・・・。それは、また今度・・・。

 

 

いや、でも、ボス・リズの事が頭から離れず、「あぁ。やだなぁ。やだなぁ。やだなぁ」と、ばっかり思っていた。で、思いついた。そうだ。セシル本部長に相談してみよう。

 

セシル本部長は、以前、リズのボスだった事があるのだ。で、リズの面倒くさいところをよく知っている。さらに私が、自分の役職以上に精神的に大人で、経験値高い事を知ってくれていて、対等に話をしてくれるのだ。アビの下に居た時には、彼女は仕事を丸投げして私にやらせようとするので、なかなか手ごわかったけれど。もう、私に仕事を振る事もないので、気楽な相談相手である。

 

 

 

私:すみません、急にごめんなさい。でも、10分。ください。

セシル: もちろんよ!何?

私: かくかくしかじか・・・で。まったく予測してなかった今日、キャリア・カンバセーションをボス・リズとしなきゃいけない事になって。彼女の性格からして、私の話の流れをポジティブに受け取るはずもないのはわかってるんだけれど。でも、彼女を知ってるセシルなら、何かアドバイスをくれるんじゃないか・・・と思って。

セシル: もちろんよ。

 

私: まぁ、彼女は私が彼女の下で満足してないなんて、思ってもいないでしょうから。青天の霹靂になるわけで・・・。特に、ボス・リズは、今すごいプレッシャーの元で仕事をしているし、フラストレーションも溜まってるし、いっぱいいっぱいだし。

 

セシル: そもそも、リズがフラストレーションたまってイライラしてない事なんてある?

私: ・・・ナイですね!

セシル: ま、そういう事よ。つまり、彼女にとって「いい時」なんてないわけよ。

私: そうでした・・・。そもそも、いい話でもないですしね。

セシル: 最近の彼女はどう?

私: もう、イライラしっぱなし。先週の金曜のミーティングも、最初から最後までめっちゃ八つ当たり状態。で、私が「キャリアカンバセーションをお願いします」って言ったら、急に声色変えて、速攻でミーティング設定してきました・・・。

 

セシル: めちゃくちゃ焦ってるわね・・・。そんな風に急に焦った状態で、彼女があなたの話を聞けるはずがないわ。今日、きちんと話すのはあきらめなさい。ものすっごーく、一般的な、形式的な、キャリア・カンバセーションにしなさい。ものすっごーく、一般的なやつ。

 

私: 確かに、それがよさそう・・・。

セシル: 彼女に良い時なんてないから、もう彼女とこんな話しても建設的になりようがないけれど。でも、たまーに、彼女の機嫌がいい時があったら、それを狙って「あ、ちょっといい?」って感じで話をしたらいいわ。そんな時が来るかわからないけれど。

私: なるほど!そういうラッキーな時が来なかったら、もうしょうがないですね。だって、何をどうしても、満足しない人ですもん。

セシル: そうそう。彼女が落ち着いて、相手の事を考えて話を聞ける時なんて、まぁ、まずないだろうからね・・・。

私: わかりました!ありがとうございます。今日は、一般的な感じにしておきます。

セシル: そうね!

私: ありがとうございました!やっぱり相談してよかったぁ!

セシル: そう言ってくれると嬉しいわ!頑張ってね!

私: ハーイ。

 

 

 

実はセシル本部長も、ものすっごーくASD+ADHD寄りなんですけれど。でも、この人、NPDの重ね着の傾向はみられない。自分の不機嫌さを漏れ漏れにしないし、八つ当たりもしない。忙しかったり、ストレスが溜まると、ただ、ただ、落ち込んで、自分を責め始める人。基本的に他責ではないのである。

 

ここが、リズと大きな違い。リズは、基本、全部他責。

 

そんなわけで、もらったアドバイスをもとに、ものすっごーく、一般化したキャリア・カンバセーションの内容を作り、それをパワポに落とし込んだ。リズは「視覚優勢」タイプである。そして、なんでもとにかく、パワポに起こしたり、テーブルに入れ込むと、なんだか「仕事がデキル」と思う人である・・・。

 

 

リズ: ハロー、Sango。

私: ハロー、リズ。どっちから話します?金曜日に話した仕事の続きから?それとも、キャリア・カンバセーションから?

リズ: え?あなたがキャリア・カンバセーションをしたかったから、このミーティングをしてるのよ?

 

ははぁ。やっぱり。ミーティング招待の中には「金曜日の仕事の話の続きと、キャリア・カンバセーション」と、わざわざキャリア・カンバセーションを2つ目に書いてたけど。やっぱり、こっちに注目してたのね・・・。

 

 

私: あ、ハイ。じゃあ、ええと。こっちのパワポをシェアしますね。

 

私: ええとですね。今回、人事部から5月中に全員キャリア・カンバセーションしろと言ってきてて、その中で1年の目標を振り返って、自分がどこまでできているかを見直しなさいっていう項目があるんですよ。で、見直したのです。そしたら、なんと。1年の目標を設定し忘れてまして・・・。多分、口頭でリズと「こうしましょう」的な事を話してはいたけれど。人事システムには入力し忘れてたみたいです。

 

リズ: あ、そうなの?

 

私: ハイ。で、ちゃんとリズと同じ内容で把握してるかを、まずは、確認したくて。

リズ: あ、そうね。ありがとう。

 

ほがらかな感じで進んだ。そりゃそうだ。別にこれは、爆弾ではないのだ。で、しばらく、リズともともと定めていた目標について話をして、それをパワポに落とし込んだ。

 

私: ありがとうございます。これで、クリアになりました。

リズ: あなたは、ここにある内容よりもずっと、すごい事をしているわ。

私: え?そうなんですか・・・?うーん・・・。あくまでも、私の体感ですが・・・私は全く何もできていないな・・・と感じています。

リズ: え?どうして?

私: 私がこの部署に入って、やりたいな、学びたいなと思った事、そして、これまでの経験値から、貢献できるなと思った事、ほとんど何もできていないように思います。

リズ: わからないわ。あなたは、すごく色々やってるわ!

私: 確かに、仕事量は結構な量だと思います。でも、ほとんどがトランザクショナルで、誰かのタスクを追いかけたり、リマインダーしたり、どこかから、どこかにコピペしたり・・・という事で。自主性を持って何かが出来ている事が少ないように感じます。

 

そうそう。ボス・リズがすごくマイクロマネジメントなので、いちいち、細かい事に指示を出し、自分の思い通りにしたいがために、私は自分で何も決められないのだ。さらに、彼女が思いつきで「アレは?」「コレは?」と次々にタスクを私に渡してくるので、私はそれを処理するのでテンテコマイになり、自分自身がやりたかった大きな目標も仕事もできないのだ。

 

リズ: そういう仕事はしなくてもいいわ。

私: じゃあ、誰がするんでしょう。

リズ: このチームは、みんな部長ランクよ?できるはずでしょ?

私: 実際に出来ていないので、私がフォローする事になっているのですけれど。そして、フォローする役目は必要だと思います。部長たちは、日々の仕事に追われているので、誰かリマインダーをしてくれる人や、タスクの管理をしてくれる人が必要なんだと思います。私がやってる事が無意味とは思いませんが・・・。あくまでも、私のキャリア・・・という、私の今後のみを考えた時に「これは、何かの糧になってるのかな・・・」と不安になってきてしまって。

 

リズ: じゃあ、もっと仕事を渡すわ。

私: え?でも、今もう、仕事が手一杯なのですけれど。

リズ: でも、そんな人のタスク管理なんてしなくていいわ。

 

 

・・・いや、あなたのタスク管理が一番面倒くさいんですけれど。本当に自覚がないんだな・・・。これ以上話しても無駄か・・・。

 

 

私: 仕事を減らせるように、今後も頑張りますけれど。でも、それだと、チームが行わなければいけない仕事はいつまでたってもできない事になります。理想は、もちろん、部長たちがちゃんとやる亊ですけれど。現実はそうではないので。まぁ、とにかく・・・。そんなわけで、「私、何やってるのかな」と、最近、不安になってまして。

 

リズ: 私にどうしてほしい?私が何かしてあげられる事はある?何かプロジェクトとかほしい?

私: もちろん、何かやりたいです。何か、「やったなぁ!」と思えるような仕事が。でも、現状、タスクに追われている状態で、何か大きなものを受け取れば、今やってるタスクはほぼ投げ出す形になりそうです。

リズ: じゃあ、どうしたいの?

私: それがまだわからないので・・・。しばらく考え中・・・です。ただのキャリア・カンバセーションとして、今、私はこんな状態です・・・とお話したかっただけで。具体的に「じゃあ、どうしたい」というのはありません。他にもメンターは何人か居るので、メンターたちにも相談してみようかなぁ、と思ってます。

 

リズ: え?ほかの部署での仕事を探すって事?それなら、先に言ってくれる?それなら、私はあなたが満足できそうなプロジェクトなんて、考えないわ。

 

私: ・・・いや、他の部署で仕事を探すかどうかも不明です。ただ、メンターたちに、今、リズに話してるのと同じように、「どうしたらいいのかなぁ」と、話してみようかなと。その時に、「こういうのはどう?」って、アイディアの一つとして言われたら「なるほどなー」ってなるかもしれないし。キャリアを考える時には、「この部署内でなくてはいけない」と考えない・・・というのが、セオリーですよね。

 

 

そう。うちの人事では、ってか、他もそうだけれど。「大きく考えなさい」と指導している。部署内で・・・とか、営業で・・・とか、経理で・・・とか、狭い枠ではなく。次にしたい事は何かな、私の強みを活かせるのは、何かな・・・と、大きな枠で考えなさい・・・と言われてる。

 

 

つまり、リズは今、正反対の事を言った。「うちの部署から出たいんなら、私は何もしないから、最初からそう言って」と・・・。やっぱり、この人、人の管理向いてないなぁ。

 

 

私: だから、メンターたちに「こんな風に思ってしまってて・・・。どう思う?」と一般的なアドバイスの一環で、聞いても、かまいませんか?

リズ: ・・・もちろんよ。でも、覚えておいて。あなたが家族の諸々で、色々忙しかった時に、仕事を出来るだけ振らないように優遇したのは、私よ。忘れないでね。

私: もちろん、感謝しています。

 

 

・・・有給取りたかったのに、取らせてくれなかったのも、あなたですけれどね・・・。だから、働く羽目になったわけですけれどね・・・。そんな事で、感謝しないといけないとは、思わなかったわ・・・。

 

 

と、まあ、笑顔で怖い亊を2・3言われて終わった。

 

 

その後すぐに・・・。

 

私:アビ―。リズとキャリア・カンバセーションした。

アビ: どうだった?

 

私: あかんかった。まぁ、予想通りやけど。

アビ: 近いうちに話そう。リズと君を、僕の下で働くようにしようかって話してたから。

 

 

 

は?

 

 

 

いや、もう、信じない。アビ、こういう亊をペロッと言っておいて、そのあと1年待たせるの、常套手段だから。

 

 

 

私: へー。

 

 

 

もう、騙されへんで・・・。