他者目線が無くなったASDx後期高齢者 | マイノリティのお話

マイノリティのお話

ずっと人前で自分を出せない、自分でいてはいけないのだと思ってました。カウンセリングを受けたら、育った環境に原因がある事がわかりました。

私以外全員ASDだった。

ASDについて勉強したら、今まで見えてなかった事が見え始めた、そんなブログです。

アメブロさん、身バレ防止したいので。アメトピには載せないでください。ひっそりやってます。

 

さて。ASD+ADHDハイッテル系、積極奇異タイプのおかんが後期高齢者になると、どんな感じかを前回の記事で書きました。

 

 
次は、おとうフォーカスです。
 
おとうは、ザASD、不器用な男ですタイプ。一人が好き、人に構われるのが苦手、人は人、自分は自分。共感力はほぼなく、相手の立場に立って考えるのも苦手。そんな人の脳が衰えると・・・。クソ面倒くさい。
 
ここ数か月ほどで、父の病状は悪化し、しょっちゅう体調を崩すようになった。また、脳の衰えも一気に進み、ムラがあるけれど、自分で何かをコンスタンスに出来る事が少なくなった。日常生活も、イイ日と悪い日があるし、一日の中でもよい時と悪い時の差が激しい。
 
悪い時には、当然、誰かのサポートが必要になる。ごねちぎる両親をなだめすかせて、ようやく、毎日ヘルパーさんを定期的に入れてもらう亊に成功した。このおかげで、父は薬を毎日取っているかの確認をしてもらえるし、ご飯を食べているか、排泄はできているか、熱はないか、どこかケガしてないか、細やかにチェックをしてもらい、時にはできていない亊のサポートまでしてもらえるようになった。
 
このおかげで、妹ちゃんが駆けつける頻度が劇的に減って、本当に楽になった。一時期、減っていた父の体重は元に戻り、排尿・排便が滞っていたのが「出すぎじゃね?」ぐらいの状態まで良くなった。言葉も出なければ、笑いもしなかったのが、大きな声が出雨量になり、笑う亊も出てきた。
 
なんと助かる亊か。
 
私: 毎日ヘルパーさんに来てもらって、助かるね。
おとう: 別に、大した役にはたってない。
私: ・・・いや、ものすっごく役に立ってくれてる。薬のチェック、朝食のチェック、足りない場合の栄養剤のサポート、排泄確認、熱・血圧確認。その上で、看護師さんやかかりつけ医への連絡、ものすごく役に立ってる。
おとう: わからないな。やってきて、ちょっと日誌みたいなのを書いて、ほぼ何もしないで帰っていくじゃないか。
 
出た。出たよ。
 
「見えない亊は、存在しない亊」の、ASDの王道を行くこの特性が、ものすっっっごい顕著に出ている状態である。「名もなき家事」と最近は言われるが・・・・。
 
 
「名もなき介護」があるのだよ!
 
薬を飲めているかどうか
排泄しているかどうか
ご飯食べれているかどうか
ちゃんと気温にあった服装をしているかどうか
足・指の爪は伸びすぎていないかどうか
歯磨きはしたかどうか
昨晩は眠れたかどうか
腰痛などしてないかどうか
転んでけがなどしてないかどうか
声は出ているかどうか
おかしなこと言ってないかどうか
 
もう、書ききれないぐらい、細かい「名もなき介護」があるのだよ。それを、全部していただいているのだ。「声掛け」という、ざっくりした名前の介護で。
 
自分が目に見えてわかる亊以外は、存在しない亊になる、脳の特性が大全開の状態で、ちょっと顎外れた。
 
 
さらにさらに。利尿作用を促す薬を飲んでいる父。夜中に失敗してもらう亊がたまにある。そうすると、母も、私も、夜中に何度も起きて、父の着替え、布団の取り換え、トイレの掃除、などなど・・・まぁ、いろいろあるのだ。
 
 
私: そうそう。見て。今日は、ばっちり、防水シートを敷いてるから。おとう、安心して寝てええで!
おとう: ・・・そんなの、僕のための対策じゃないと思う。何の役に立つんだ。
 
 
 
いやー。飲み込んだよ。「そりゃ、僕ちんのための対策ではないわ、確かに。僕ちんは、粗相しても、その場で呆けてたら誰かが助けてくれるんやからな!その誰かのための対策やわ!」と言いたかったけど。
 
排泄関連の失敗は、自尊心を大きく傷つけると思って、言わなかったよ。言いませんでしたよ。
 
はぁ。
 
やっぱり、後期高齢者になって脳の衰えが出ると、元のASD特性がすんごく色濃く出るな・・・と思う今日この頃。
 
純粋に、ものすっごく、ASDの特性が、何の悪気もなく、素直に出ている気がします。