自転車に家族を殺されるということ -18ページ目

自転車に家族を殺されるということ

交通犯罪犠牲者の命が紙クズ扱いされる司法を変えていきます。フェイスブック・Twitterも発信中。
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2014年1月28日に判決が出て裁判は終わりましたが、私の交通犯罪遺族活動は続いています。

今週、ある週刊誌に自転車問題の特集記事が掲載されました。
(なので土曜日の今ではもう入手は難しいでしょう)


先週、その週刊誌編集部の方から連絡があり、
私の事件の話を聞かせてもらえないかと依頼があったので、
電話口でしたが、事件や裁判のことを簡単にお話しして、
私のブログを(知らなかったので)お伝えしておきました。


さて掲載された記事を見てみると・・・


「自転車事故で賠償金9500万円」
という大見出しの踊り文句がバーンと貼り出され、
「保険会社の回し者じゃないが、保険に入っておいたほうがいい」
というリードが続くというもの。


私以外にも何人かから聞いた話を並べた記事で、
「高額賠償が続いているから自転車保険に入っておこう」
だけの本当にうすっぺらい内容でした。


私の民事裁判で、脳内お花畑なファンタジー主張を展開し、
(「入院中にベッドから落ちて頭を打ったに違いない」)
盛大に自爆してくれた保険会社の広報もコメントしていて、
ちょっと笑ってしまいました。


少し話が脱線しますが、この保険会社には、
「もう利害関係もないし、本音で真相を教えてよ。いいでしょ」
と、ファンタジー主張の真相を粘り強く聞いていますが、
必死に逃げ回っていて、その面白い展開を楽しんでいます。
この話はまだ現在進行形なので、後日まとめて報告します。


さて話を戻しますと、週刊誌の記事のこと。


私も正式な取材というより、情報提供したに過ぎないので、
別に抗議するような内容でもないのですが、
「またこの程度のうすっぺらい記事か」とうんざりでした。


今回もコンビニで数分立ち読みして、棚に戻して終わり。
定価は420円でしたが、これにお金を出すくらいだったら、
牛丼屋さんに入って、牛丼の大盛りでも食べます。


その程度でした。


どうしても自転車の交通犯罪をめぐる記事は、
瞬間風速的なうすっぺらいものが大半なのが現実です。
(今年掲載の読売新聞のような立派な記事もあります)


継続的に追っている記者さんがいないのでしょうね。
突発的に指示が飛んできて、突発的に取材をして、
瞬間風速的な記事に仕立て上げて、はい、おしまい。
そんな機械的で、事務的な風景が浮かんできます。


自転車問題を取り扱おうとするメディアの方であれば、
少なくとも私のブログ程度は事前に行きついてほしいし、
(今回の編集部もブログすら知らずに連絡してきました)
こんなふうに表面的な記事ばかりにうんざりして、
グチグチ言っている遺族がいることは知っておいてほしい。


その上で取材すれば、少しは深みのある記事になるし、
啓発につながる意義も生まれてくるだろうと思いました。


そのくらいの目印としての価値はあるだろうと信じて、
このブログもほそぼそと書き続けていきます。

ここは交通犯罪遺族ブログですが、
今回は交通犯罪と関係ない裁判のことを書きます。


読んで、とても悲しくなった心中事件がありました。




<生活困窮>強制退去の日、娘を殺害 千葉地裁で12日判決
http://news.yahoo.co.jp/pickup/6163296


<娘絞殺>「困窮、非難できず」減刑し懲役7年
http://news.yahoo.co.jp/pickup/6163412


生活保護も蹴られ、家賃滞納の挙句、県営住宅から強制退去。
その退去当日に、中2の一人娘の首を絞めて殺害した心中事件。
執行官が強制執行で踏み込むと、布団で亡くなっている娘さんと、
そのそばで母親が茫然と座り込んで、娘さんの頭をなでながら、
数日前の体育祭で娘さんが映ったビデオを見ていたという。


あらかじめ書くと、作為的なお涙頂戴記事は大嫌いです。
私はもともと涙腺も皆無に等しいような人種です。


しかしこの記事には、やりきれない気持ちになりました。


遺族活動をやっていると、取材を受けることも多く、
報道の一部はかなりいい加減なことを知っています。


メディアは真実を伝える鏡という題目と現実の間に、
大きな隔たりがあることも嫌なほどわかっています。


もちろん全部が全部ではありませんし、
立派で誠実な記者の方も何人も知っています。
素晴らしい記事だっていくらでも例をあげられます。


そんな疑いの目で、隙間から見える断片情報を拾うと、
実家の土地を無断で担保に入れて借金などの行動から、
母親が問題人物だった可能性もあるかもしれません。


それでも間違いなく、明らかだろうと思われることは、
自治体の「水際作戦」が実行されたんだなということです。


恫喝や虚偽トークで、必要な生活保護申請をはねつける
自治体窓口職員による、悪名高い水際作戦。


あれだけ批判を浴びて、まだ実行されていると思うと、
病巣がなかなか駆除できないことにため息が出ます。


水際作戦のことで、いつもいつも不思議なのは、
その窓口職員が処分されたという報道がないことです。


例えば普通の会社の営業マンが、虚偽トークを駆使し、
強引に不要な商品を売りつけたら、大問題になります。
まともな会社であれば人事処分の対象にもなります。
高齢者や障害者にやらかせば、解雇だってありえます。


不正行為なのですから。


そして生活保護を受けるべき人を追い出す水際作戦も、
立派な不正行為です。


しかしこうした水際作戦の実行者(と責任者)が、
処分を受けたという話は聞いたことがありません。


不正をしたら処分される。
そんな当たり前の人事制度は、自治体にはないのか。


ないのであれば、制度を作ればいいだけのはずです。


いつも不思議に思っています。


以前、京都でも同じ裁判がありました。
担当裁判官の心ある言葉も注目を集めました。



http://matome.naver.jp/odai/2139408194432080201
http://kokorodo.net/e1538


「本件で裁かれるのは被告人だけではなく、
介護保険や生活保護行政の在り方も問われている。
こうして事件に発展した以上は、どう対応すべき
だったかを行政の関係者は考え直す余地がある」


そんな言葉まで入った判決が出たのが2006年。
それから流れた9年の歳月。
結局何も変わっていないことに深い絶望を感じます。


と同時に思うことは、この母親の深い孤独です。


世間には、反貧困ネットワークなどの団体もあります。


生活保護申請も一人なら水際作戦で足蹴にされても、
そうした団体同行で笑えるくらい態度が変わるそうです。


ここに交通犯罪遺族と同じ部分を感じるのです。


遺族活動の中で「支援の輪」という言葉をよく使います。


孤独ゆえに、受けられる支援に行きつかない。
支援に繋がるような繋がりもない。
そうした支援があるという知識もない。
なんとかしようとする知恵もない。
そもそも、そうしようとする気力すらない。


それが当事者というものです。


やはり周囲の人が気づいて、周囲の人から動いて、
必要な支援の輪に繋げる必要があります。


金曜日に出た判決では、懲役14年の求刑に対して、
「原因の全てが被告にあったとは言えない」
として懲役7年の判決が出たとのことです。


受けるべき助けを受けられない人を出してはいけない。
このことは、貧困も交通犯罪族もみな同じです。


異変に気づくこと。
声をかけること。
調べること。
人と人を繋げる行動を起こすこと。


すべてわずかな善意で、片手間でできること。


支援の輪を繋げることは、ささいなことからできます。
遺族や支援団体だけの専売特許ではありません。


この悲しい話で、支援の輪がまだまだ必要だと感じました。

交通犯罪には「悪のマニュアル」というものがあります。


加害者のための非常に有益なマニュアルです。


交通犯罪を犯してしまった。
人をひき殺してしまった。


そんな時、自分の罪を軽くするためにとても役に立ちます。


本として出版されているわけではありません。


しかし、加害者弁護士間では、常識として流布している、
検察の硬直性、裁判官の世間遊離性を最大限活用したものです。


Q①「飲酒運転で人をはねてしまいました」
A①「逃げましょう。そのまま逃げ切れるチャンスもあります。
  お酒が入っている状態で捕まることは絶対に避けましょう。
  自首する場合は、お酒が完全に抜けてからにしましょう」


Q②「つい怖くて、ひき逃げしてしまいました」
A②「『人を轢いたとは思わなかった』と主張してみましょう。
  後日捕まっても、不起訴のチャンスは十分あります。
  『何かを踏んだだけだと思った』で乗り切りましょう」


こんなのは、あくまでほんの一例です。


本に書いて出版したら、そこそこ売れるかもしれません。
実用本としても、娯楽風刺本としても。
ポップに、皮肉たっぷりに、面白おかしく書けそうです。


しかし、同時にそれは、加害者に足元を見られっぱなしの
検察官や裁判官を、徹底的に馬鹿にした本になります。


なので遺族活動には多大な支障をきたすことになります。
今の私としては、あくまで妄想にとどめるしかなさそうです。


なぜこんなことをつらつら書いたかといえば、
やはり北海道砂川市の飲酒ひき逃げ事件を思うからです。


加害者の「悪のマニュアル」の忠実な実践ぶりをみると、
もう彼らには弁護士がついているように感じています。

そして「悪のマニュアル」のレッスンをしっかり受けている。


検察も、事件の悪質性と、尊い命が奪われた重大性を直視し、
殺人と危険運転致死傷とその幇助できちんと立件してほしい。
「悪のマニュアル」の有用性を助長しないでほしいと思います。


「カーチェイスできる運転技能があったから危険運転ではない」


間違っても、こんなトンチンカンな茶番劇は演じないでほしい。


これは決して笑い話ではありません。


実際に、危険運転致死傷罪の適用を回避するために、
恥もなく、そんなトンチンカンを展開する検察官はいるのです。


社会正義実現を願い、司法試験を目指していた頃の初心を、
再度思い出して、厳正な職務執行をしてほしいと思います。


昨年7月の小樽のひき逃げ事件でかいた大恥を、
北海道地検は、再び繰り返さないでほしいと願っています。


「悪のマニュアル」は無効化させなければなりません。


そのために、このマニュアル実践は加害者にも不利になり、
検察官や裁判官にとっても、こんなものを利する判断は、
マイナス査定や処分対象になるようにする必要があります。


交通犯罪遺族はみな、この事件の行く末を注視しています。

検察には、小樽の醜態の繰り返しは避けることを勧めます。


検察の威信のためにも、担当者の検事キャリアのためにも、
そして、奪われた命の尊厳と悲劇の再発抑止のためにも。



先日、北海道砂川市で凄惨な事件が起きました。


飲酒ひき逃げ事件。
・・・という言葉では収まらない殺人同然の犯罪です。


この事件で、あいの会は2日連続、テレビ出演をしました。


6月9日に専門家として、あいの会顧問の高橋正人弁護士が、
6月10日に遺族として、あいの会代表の小沢樹里が、
連続して、テレビ朝日の「ワイド!スクランブル」に出演し、
コメントを述べさせていただきました。

(同じく会顧問の佐々木尋貴さんもTBS「ひるおび!」に出演)


念の為、あいの会ブログにも下記の通り掲載しました。


【テレビ朝日「ワイド!スクランブル」出演のお知らせ】

http://blog.livedoor.jp/i_nokai0708/archives/45109971.html


【テレビ朝日「ワイド!スクランブル」出演の結果報告】

http://blog.livedoor.jp/i_nokai0708/archives/45124740.html


生放送ということで、小沢本人は緊張していたらしいのですが、
いやいや、立派に思いを伝えていたと思います。


遺族活動は、どこまでもこうした小さい積み重ねになります。
それが大きな結果に結びつくと信じて活動を続けています。


今回の事件は、既にいろいろなことが言われています。


異常スピード、信号無視、ひき逃げ、引きずり、飲酒・・・
考えられる限りの悪質行為をやりつくした感があります。


殺人よりも交通犯罪のほうが、多くの場合、遺体は凄惨です。
ナイフで刺されるよりも、タイヤに巻き込まれるほうが、
その姿ははるかに傷つけられ、無惨なものになるからです。


今回引きずられた長男がどんな姿に変わり果てたか想像すると、
思わず目をつむりたくなります。


加害者は、逃げたあと、飲んだ酒が抜けてから出頭したり、
「何かにぶつかっただけと思った」と言ってみたりで、
加害者用「悪のマニュアル」を実に忠実になぞっています。


警察も、検察も、こんな愚かしい児戯に付き合うことなく、
危険運転致死(引きずりは殺人)で立件してほしいと思います。


北海道には力強く頼もしい遺族団体がいくつかあります。
きっとしっかりとした支援がなされると思っています。



今日(6月1日)から道路交通法が改正されるそうです。


対象は自転車の「危険行為」をした人とのことで、
信号無視、一時不停止など14パターンの行為を列記して、
2回違反すると講習受講が義務づけられるという内容です。




ちなみに対象年齢は14歳以上とのこと。


こんなことを書くとお叱りを受けるかもしれませんが、
私自身は、道路交通法への関心はあまりなかったりします。


車もそうですし、自転車もそうですが、
あくまで前を見て、信号を守って運転していれば、
悲劇につながる交通犯罪は犯さずにすむと思うからです。


だから今回の道路交通法改正も、読む限りでは、
どうしても本質ではない些末な内容だと感じてしまいます。


ただ100点ではないからと批判ばかりでは何も始まりません。


今回も、弱々しい、わずかな一歩かもしれないけれども、
大事に育てて、本質の流れにつなげてほしいと思っています。


***


そんななか、産経デジタル様から原稿執筆依頼を受けました。
今日からの道路交通法改正について、意見を求められました。


ちょっと考えた末、結局、原稿を書かせていただきました。
その記事が今日掲載されたので、共有させていただきます。


http://ironna.jp/article/1450




掲載先は「iRONNA(いろんな)」という論壇サイトになります。


ちなみに、あいの会経由で受けた依頼だったこともあり、
会のブログにも活動報告として書いたので、URLを掲載します。

http://blog.livedoor.jp/i_nokai0708/archives/45000675.html


ためらった理由は、話し合い中のフジテレビと同系列であること、
掲載いただいた上で、こんなことを書くのは失礼かもしれませんが、
産経新聞系は右傾色が強いため、個人的に抵抗があったためです。


ただ「こういう内容を伝えてほしい」との担当者の思いも感じましたし、
一律で全体だけを見て、せっかくの発信する機会を減らすのは、
決していいことではないと思って、今回は受けることにしました。


特に記事について、ここでは補足はしません。
ただ「記事を読んでみてください」と言えるだけです。


ほぼ提出した原文のまま掲載していただきましたので、
私の意見を尊重してくれた担当者の方には感謝しています。


読み返すと、道路交通法改正という論点以外の部分が多く、
自分のことばかり書いてしまったという反省もあります。


ただ記事でも書きましたが、今回はせっかくの一歩です。
無駄にせず、腐らせないように、きちんと運用してほしい。
現場の警察官は、「危険行為」を見つけたら、
ためらわずに、きちんと取り締まってほしいと思います。


せっかくの法改正があっても、運営されていかなければ、
ただ腐っていくだけです。


危険運転致死傷罪が、いまそうなりつつあります。


検察官が、屁理屈をこねてまで、その適用をためらい、
危険運転でも危険運転ではないと強弁する動きがあります。


そうならないように、現場ではきちんと運用して、
そしてそれを次につなげていってほしいと思っています。


少なくとも外に出て町を見渡せば、対象者は山ほどいます。
きっと初回の講習は、受講者であふれかえるはずです。


逆に初回からガラガラなら、運用がされなかった証で、
今回の改正は失敗だったということだろうと思います。

そうならないことを祈ります。


今回の法改正が生きた法律に育つことを願っています。

あいの会の代表をまかせている小沢樹里が
参議院法務委員会で意見陳述をしてきました。




あいの会のブログでも報告していますので、
ここでもそのリンクを貼っておきます。

http://blog.livedoor.jp/i_nokai0708/archives/44956748.html


平日でしたし、リアルタイムでは観られませんでしたが、
参議院サイトで閲覧ができると聞き、後から確認しました。


参議院インターネット審議中継
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?sid=3150&type=recorded


本人はとても緊張したらしいのですが、そうは見えず(汗)、
いつも通り堂々と自分の思いを伝えていたと感じました。


遺族活動と政治(特に国政)の付き合い方となると、
いろいろと考えなければならない課題も出てきます。
よかれと思っても、悪い展開に流れる場合だってあります。


特に現首相が後の歴史家からどう語られるかを想像すると、
今はよほど慎重にならなければいけない時期でもあります。


しかし今回は、シンプルに貴重で素晴らしい機会だったし、
遺族としてできることを最大限果たしたと、身びいきでなく、
素直に拍手できる活躍だったのではないかと思います。


私はただ見ていただけの身ですが、やはり誇らしく感じます。


最近、あいの会のこれまでの活動を年表化して、
いろいろ過去の再確認や検証をすることも多いのですが、
やはり1回1回の活動の積み重ねを通してこそ、
大きな動きにつなげられているんだなと実感しています。


今回もそうしたうちの大きな1回になると思っています。

本日5月24日に、あいの会の定例会を行いました。


毎度毎度ですが、あいの会ブログに書いた上で、
そのページのURLをここにも貼っておきます。


http://blog.livedoor.jp/i_nokai0708/archives/44883239.html


まず私が被害者になったフジテレビのこと。


現在進行形なので、まだ内容は一切書けません・・・。
ご理解ください。


報告できる時になったら、報告させてもらいます。


そして縁あって、初めて集まりに来られたご遺族のこと。


報道もされた事件です。具体的に書くのは控えますが、
この事件は、私の住所から遠くない場所で起きています。


見晴らしのいい場所で、運転手が気をつけてさえいれば、
悲惨な交通事件など起こるはずのない場所です。
大きな通りで、しばしば大型車が猛スピードで通り過ぎ、
強引な右左折もよく目にする場所です。
そこでの死亡事件も今回が初めてではないと聞きます。


起きた悲劇は取り消せませんが、今日のやり取りが、
少しでも本日のご遺族の助けになったらと願っています。


そして今日のやり取りを振り返ると、ずっといる私も、
初めて聞くノウハウがふんだんに飛び交いました。


本やネットのどこを探しても見つけられない闘い方。


いずれこうした闘い方のノウハウを体系化してまとめて、
あいの会として、開示していきたいと思っています。


交通犯罪遺族は他の遺族を支えようとすることでしか、
結局は自らも救われないのかなと思うことがあります。


しかし、結果として他の遺族の力になることができたら、
自己満足でも自己憐憫でもなんでもかまわないし、
意味があったと誇っていいんじゃないかと考えています。



フジテレビの報道被害のその後の報告に関して補足です。


関東交通犯罪遺族の会(あいの会)ブログで公式表明を行い、
ここでそのリンクを貼った上で、私的な心情吐露を行いました。


しかし、あくまで今回は、私が巻き込まれた話となりますし、
リンクを貼るだけでは不十分ではとの意見もありましたので、
あいの会ブログでの掲載文をあらためて引用しておきます。


ちなみに、あいの会公式ホームページも先日開設しました。


http://i-nokai.org/


ここでも現在、フジテレビの件をトップに出していることもあり、
この機会にホームページ開設のことも報告しておきます。


以下、あいの会としてインターネット上で表明した立場です。


***  ***  ***


当会副代表の東光宏(以下、「東」と言います)が、フジテレビの取材を受けて、本年2月17日に番組が放映されましたが、その取材過程や内容について、問題があると考えていますので、現在に至るまでのフジテレビとの経緯について報告します。


最初に関東交通犯罪遺族の会(以下、「あいの会」と言います)を通じて、自転車の交通事件の遺族の東に対し、インタビューの申し出がありました。


「カスぺ!『あなたの知るかもしれない世界6』」制作にあたり、事件の遺族のインタビューも放映したいとの話でしたが、下記のような事前説明でしたので、今後、同じような悲惨な被害者が現れないよう社会に対する啓発になればと考え、東がインタビュー収録に協力することになりました。


・自転車で事故を起こすとこんな重大な事態になるという問題提起をしたい。
・ただゴールデンタイムの番組なので死亡事故ということは出せないので、相手の顔に重大な怪我を負わせてしまったという設定にする。
・しかし面白おかしくでは決してなく、あくまで自転車事故の重大性を訴える内容になる。


上記が説明の全てでしたが、2月17日に放映された内容は、事前説明とは異なるものでした。


ドラマは、交差点で、横断歩道を歩いていた小学生低学年の男の子が自転車と衝突するシーンから始まりました。
ところが、その「被害者」の小学生は、最初から意図してぶつかってきた、いわゆる「当たり屋」で、そのことが随所で示唆ないし分かるような演出になっていて、ドラマの大部分を占めていました。また「被害者」の代理人の言い値のままに、1,500万円という法外な金額を取られるという設定でした。
そして、番組の冒頭部分に東のインタビュー映像が使われてしまいました。


その後、4月になって初めてフジテレビ側から接触があり、4月10日と4月25日に会って話を聞くことになりました。


まず、当たり屋のドラマがメインであることについて事前に全く説明をうけていなかったとして、抗議しました。


次に、番組の公式サイトには、実際に体験した人々に取材し、全て実話の物語をドラマ化し、 事実のみで構成されたドラマ「最大公約数ストーリー」であると謳っており、番組それ自体でも、冒頭でそのことが謳われていることを取り上げました。


そもそも当たり屋は、自転車被害者の最大公約数ではなく、しかも小学生低学年の当たり屋は皆無に等しいか少なくとも最大公約数ではないと指摘しました。しかし、あたかもそうであるかのように、実際に体験した人々に対する取材を経ない架空のドラマを仕立て上げていたことに抗議し、東や被害者の多くが「当たり屋」であるかのような印象を与えかねないとして抗議させていただきました。


また、軽傷で傷が完治している事案で賠償金が1,500万円になることは、法律的にみて、ありえないことも指摘させていただき、被害者は皆、高額の不当な賠償金を請求しているかのような印象を与えかねないことに対しても、抗議させていただきました。


東及びあいの会から、フジテレビの番組審議会で取り上げられることや書面での謝罪、当該番組が放送されたのと同じ時間帯で影響力のある枠などを使用して謝罪と訂正の報道をされることを要望させていただきました。


その後、フジテレビ側も、代理人を立てられ、改めて話し合いの場を設けてほしいとの丁重な申し入れがありました。


東及びあいの会としては、基本的なスタンスを曲げることはできませんが、柔軟かつ真摯に、また建設的に対応したいと考えています。


現在、話し合い中ですので、詳細は追って報告させていただきます。

フジテレビの報道被害を受けたことを以前書きました。
http://ameblo.jp/azumin827/entry-11993359662.html


あいの会としてずっと対応してきましたので、
私個人としては、あえて沈黙を守ってきましたが、
今回、その後のやり取りを報告をさせていただきます。


あいの会ブログに経緯の詳細は掲載しましたので、
ここでもそのリンクを貼らせていただきます。


【フジテレビとの話し合いの中間報告】
http://blog.livedoor.jp/i_nokai0708/archives/44682300.html


これは私個人だけの話ではありません。
交通犯罪被害者遺族全体への侮辱に対する抗議です。


ですので、ここでは最小限の補足しか書かないつもりです。


前回のブログ記事で、モゴモゴとぼかして書きましたが、
「遺族でないので遺族の気持ちがわからなかった」
と弁解していたのは、今回の件でのフジテレビ担当者でした。
彼にも今回を他人の痛みへの想像力を得る機会にしてほしい。
そう願っています。


今回、フジテレビは代理人弁護士を立ててきたこともあり、
土曜夜、あいの会関係メンバーで急遽池袋に集まり、
今後の対応をいろいろと協議しました。
その結果の一つが今回のあいの会ブログでの報告でした。


これからも時機を見て、報告をしていきます。


おそらく私一人では、ただその場で抗議して終わりで、
フジテレビも表面的な謝罪をして終わりだったと思います。


そしてフジテレビは、我が身を真摯に振り返る機会を失い、
同じ過ちを繰り返していた可能性は否定できません。
そして再び報道被害を受ける遺族が出ていたかもしれません。


あらためて支えてくれる仲間がいることに感謝しています。
支え合うことのありがたさと大切さを、身に沁みて感じました。


そしてフジテレビにおいては、今回犯してしまった過ちを、
被害者遺族の痛みを理解する教訓にしてほしいと思っています。


また追って報告していく予定です。

いま「村上さんのところ」というサイトが期間限定で開設されています。
http://www.welluneednt.com/


もう応募は締め切っていますが、読者からの質問を受け付け、
それを村上氏が全部目を通し、できる限り返答するとの企画です。
(自分も投稿しましたが、残念ながら返答対象にはならず・・・)


このサイト上のやり取りで、交通犯罪遺族にとって、
やや複雑な気持ちにさせられる回答がありました。


原発をめぐって話題にもなった回答ですが、こんなやり取りです。


【読者からの質問】
「(前略)私自身は原発についてどう自分の中で消化してよいか未だにわかりません。親友を亡くしたり自分自身もけがをしたり他人にさせたりした車社会のほうが、身に迫る危険性でいえばよっぽどあります。(年間コンスタントに事故で5000人近くが亡くなっているわけですし)(後略)」


この読者質問に対して、村上氏はこう答えています。


「たしかに年間の交通事故死が約5000人というのは問題ですよね。それについてはなんとか方策を講じなくてはと、もちろん僕も思います(最近は年々減少しているようですが)。しかし福島の原発(核発電所)の事故によって、故郷の地を立ち退かなくてはならなかった人々の数はおおよそ15万人です。桁が違います。(中略)「年間の交通事故死者5000人に比べれば、福島の事故なんてたいしたことないじゃないか」というのは政府や電力会社の息のかかった「御用学者」あるいは「御用文化人」の愛用する常套句です。比べるべきではないものを比べる数字のトリックであり、論理のすり替えです。僕は何度もそれを耳にしてきましたが、耳にするたびにいささか心がさびしくなります」


【原発NO!に疑問を持っています】

http://www.welluneednt.com/entry/2015/04/09/073000


原発がどうこう言う話は、今の日本ではタブーになっています。
原発云々が、ここでこの話題を持ち出した理由ではありませんし、
下手に触れて、官庁からの支援に悪影響を及ぼすなどして、
あいの会に迷惑をかけたら嫌なので黙っています(笑)
(この引用自体が悪影響を及ぼす危険もありますが・・・)


交通遺族の古くからのメーリングリストもあり、私も入っていますが、
そこでもこの回答に対して、複雑な思いを吐露された方もいました。


私も読んで少しだけ複雑な気持ちになりました。


「毎年数千人奪われる交通犠牲者の命を特別視すべきではない」


間違いなく、これを書いた村上氏にそんな意図はないでしょうが、
人によってはそんなニュアンスが感じられないでもないからです。


村上氏がこれまで書いたり話してきたりした内容を振り返れば、
村上春樹という作家が、他人の痛みに対してとても敏感で、
他者への想像力にとても注意深い人であることは明らかです。


例えば、2009年に行ったエルサレム賞受賞スピーチでもそうです。

http://kakiokosi.com/share/culture/89
http://d.hatena.ne.jp/nakanotaku/20120917/1347819555


また今はあまり知られていないかもしれない昔のエッセイですが、
週刊朝日での「村上朝日堂」という連載の最終回(1996年)で、
部落差別の加害者になった過去を告白している美しい文章からも、
他人の痛みへの想像力を決して失わない人なのだとわかります。



ただ、そんな村上氏の書く文章でも、交通犯罪遺族が読むと、
複雑な気持ちにさせるかもしれない内容になることがある。


村上氏自身が交通犯罪遺族だったり、遺族が身近にいれば、
わずかでも違った文章になっていたのではないかと思いました。


先日、あるやり取りで、ある人たちと接することがあったのですが、
(今は書けない内容です。モゴモゴした書き方ですいません)
遺族を傷つけた人が「自分は遺族ではないので(わからなかった)」
と弁解に終始する姿を目にすることがありました。


「遺族でなくても、遺族だったらどう思うか想像くらいできるだろ」
と思いましたし、その相手は論外な人なので極端な例ですが、
村上氏ほどの思慮深さをもってしても危うくなる場合もある。


実際に私はほとんど被害には遭わずにきていますが、
(それでも数回は嫌な思いをしてきています)
周囲の、悪意はないけど無神経な言葉に傷つく遺族は結構います。


先に画像を貼った「村上朝日堂」最終回のエッセイであった、
「ショッキングだったのは、この世界では人は誰でも、無自覚のうちに誰かに対する無意識の加害者になりうるのだという、残酷で冷厳な事実だった。僕は今でも一人の作家として、そのことを深く深く怯えている」
という気持ちは、全ての人に持ってほしいものだと思います。


これは交通犯罪に限らず、犯罪以前の話においても、全てにおいて。


ちなみに「村上さんのところ」は5月13日で閉鎖されてしまいます。
面白く読んでいますし、今回も村上氏への批判の気持ちは皆無です。
「なるほど」と考えさせられる回答や新しい発見も多かったりします。
親しい人にはお勧めしたいサイトであることに変わりはありません。


また投稿にあたっては、もっとユーモアのある文章にすべきだったし、
遠慮せず何通も何通も何通も送るべきだったと後悔しています。