よく弁護士二次被害の話を聞いているため、
前回ブログでも、弁護士を代えたとしても、
着手金は返還請求できる話を書きましたが、
私の場合、弁護士に不満はありませんでした。
ただ私は民事裁判でしかお世話になっていない。
刑事裁判では弁護士をつけられることを知らず、
検察官が唯一の味方と思い込んでいました。
被害者参加制度への参加で満足してしまい、
最初の頃によく書いていた表現を繰り返せば、
ただ検察官席に座らせてもらっただけ、
ただ発言をさせてもらっただけ、
遺族感情のガス抜きに乗せられただけでした。
被害者参加制度自体は決して否定しませんが、
少なくとも私にとってはただの儀式でした。
我ながらピエロだったなと思います。
もちろん弁護士は魔法使いではありません。
執行猶予前提の日本司法風土にあって、
弁護士という魔法使いが杖を振れば、
実刑判決がポンと出るわけではありません。
冷静に考えれば、仮に弁護士をつけても、
私の場合、実刑判決は難しかったと思います。
しかし知らずにその機会自体を逃してしまった。
それが私の生涯の悔いです。
民事裁判でお願いした弁護士は、
振り返ればとても手堅く動いてくれました。
細かい対応も面倒がらずやってくれました。
時間に余裕があればどこかで書きますが、
成年後見制度の訴訟利用についてだけは、
後々苦しむことになったので、
もっと説明が欲しかったなとは思います。
ただその事務所は総力データ戦で臨んでくれ、
変に感情で上滑りすることなく、
論証すべきは論証し、反証すべきは反証し、
着実な判決を勝ち取ったと思います。
上から目線で説教を垂れることも一切なく、
真摯で謙虚で、人柄も尊敬できる方でした。
その弁護士でよかったと今も感じています。
ただやっぱりどうしても後悔するのは、
刑事裁判できちんと弁護士を使いたかった。
使っていれば検察官の不備も指摘できたし、
(彼なりに一生懸命だったとは思いますが、
まだ未熟で100点の仕事ではなかった)
加害者の主張の矛盾も暴露できたと思う。
返すがえすもそれだけは生涯の悔いです。
だからいつか遺族になってしまった方が
どうしたらいいか必死にネット検索して、
たまたまこのページを見ることがあれば、
まずは知ることに尽くしてほしいと考えます。
刑事裁判でも弁護士を使うことはできる。
被害者参加したから実刑になるわけではない。
検察官も100%の仕事ができるわけではない。
その不足を弁護士で補うことができる。
ただ「被害者精通弁護士」にごまかされるな。
遺族にとって日本の裁判の世界は、
知る人と知らない人の格差の激しい世界です。
情弱には残酷すぎるほど残酷な世界です。
まず「知ること」が大切だと思います。
知ることができれば、それさえクリアすれば、
あとは闘いたい思いがすべき行動につながり、
どんな結果でも悔いは残さないはずです。