意外と知らない、去年のお守りや神札の扱い方 | なかいま ~ただこの瞬間を

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なかいま

過去から未来へと、連綿と続く時間の中で、その「中」である「今」を生きる。という言葉です。

なかいまを生きるとは、今この瞬間の自分自身を、全力で経験するということ。

ハムスターのちょびのすけに、常に全力で振り回されています(笑)

たまには、神職らしいことでも。


年の瀬には、1年前に受けた御神札やお守り、縁起物の取扱に悩む方も居るかと思いますので、
今回はそれを書いてみますね。



1年守っていただいた御神札等は、

お焚き上げ

をします。
その理由は、御神札のところで触れます。
お焚き上げには、以下の注意点がありますよ。


★守って頂きたいこと
神社に納めるのは、神社のもの。
お寺に納めるのは、お寺のもの。
これは必ず守ってください。
旅先の神社で受けたお守りを、地元の神社へ預けるのは大丈夫ですが、神社ではお寺のものの適切なお取り扱いが出来ません。
失礼な事になると困りますので、旅先等のお寺で受けたものは、どうぞお寺へお持ちください。



☆御神札
多くのお家では、地区の担当総代さんや神職さんが、
新しい御神札を持って来てくれると思いますが、
元々その風習がない地域や、振興住宅地などでは
自分で初詣の際に新しい御神札を受けに行きます。

御神札は、基本受けた神社にお返しします。
各神社では、お返しされた御神札を御神火でお焚き上げします。
その神社にお返しするのにも理由がありますよ。
御神札には、そこの神様の御稜威が込められています。
御稜威とは、力、エネルギーのことです。

御神札に込められた御稜威は、水が流れるようにあなたや家族へと流れ込み、生きる上での力になります。
すると、大体1年で減ってきますので、
また満タンの御稜威が込められた御神札を新しく受けます。
これが、御神札やお守りをお正月に新しくする理由です。


そして、神様の御稜威の受け皿であった御神札を、
御神火の炎で、神様が在る天へと返します。




以下、すべて同じ理由で年始に新しくします。




☆お守り

お守りのお炊き上げには、注意が必要ですよ。
お守りには鈴などの燃えない素材が使われている事があります。
また、五円玉が入っているお守りもあります。

鈴は、天に御稜威が返らないどころか、爆ぜて危険です。
神社に持っていく前に、不燃物の分類をお願いします。神は紙に宿りますから、不燃物は外して構いません。
鈴は、そのまま鞄などにつけて身につけて戴いて大丈夫です。

旅先で受けたお守り等で、思い出深いものなどは
1年でお返しせずに、大切にお持ち頂いても良いんですよ。
その場合、御稜威や加護を期待するものではなく、
大切な記念の品として、持っていてください。

私もお気に入りのものは、ずっと神棚に飾ったりカバンにぶら下げたりしていますよ。





☆縁起物
縁起物は、その年の干支の力が1番込められているものです。
例えば干支の土鈴などは、十二支を揃えて飾ったり、
自分の干支を飾りたい場合、必ずしも神社に返さなくて大丈夫ですよ。

御稜威は皆さんに力添えをするほど薄れていきますが、可愛い飾り物として、引き続き大切になさって下さいね。




☆お御籤


大切に持ち帰ったおみくじは、1年を振り返りつつ
お焚き上げに持ってくるのも、楽しいかも。





☆お焚き上げ料

意外に知られていないのが、お焚き上げ料について。
御神火を絶やさないために、つきっきりで人が番をしていたり、
神社でのお焚き上げを禁止されている地域では、専用の回収車に回収してもらうのに、結構な費用が掛かるそうなのです。

神社では身銭を切ってお焚き上げを行っていますが、
お焚き上げ料を収める箱があればそこに、
なければお賽銭箱に、お焚き上げ料を納めて頂ければと思いますよ。
神社からの指定がない場合は、御神札やお守り1家族分なら、100円程度が目安です。
神棚など、大きなものを納める場合は、1000円程納めて頂ければ有難いです。





☆神社から受けたものでは無いものについて

お焚き上げをしていて、困る事があります。

不燃物の仏像が入っていると、もうどう取り扱って良いのか分かりません。
皆さんにとってはお寺も神社も、神聖な場所には違いないとは思いますが、お寺だけ見ても宗派によって、
仏様への向き合い方が違います。
ですので、受けた場所へお戻しするのが、一番良いのです。

もし、神社に返された仏様は、元の持ち主に対してどう感じるでしょう。
友だちにノートを貸したら、それが隣の区域の学校の、全く知らない子に返されてたみたいな感じです。
(;´Д`)えーっ
ですよね。
最後まで真心を込めてお取り扱いしてください。

中身が空っぽの熨斗袋が大量に、お焚き上げ箱の中に入っている事もあります。
せめて中に大量の一万円札も入れておいてください(*´ω`*)

門松や注連縄が入っている事も頻繁にあります。スーパー等で購入した門松は、年神様をお迎えする為の門の役割であり、
年神様が入っているものでは無いので、ゴミに捨ててください。

お正月飾りはなんとなく縁起物な感じがして、
丁寧に取り扱いたい気持ちもよく分かるのです。
でも、
でもでも、
実はそれ、
神様の力が込められている御神札と、
使い終わったゴミが、一緒くたに入れられている事になるのです(*´ω`*)
(;´Д`)えーっ
なのです。



こういった事は、テレビで取り上げられる訳でもありませんし、こちらからも発信していかないと
なかなか知らない事なんじゃないかなと思いました。


神社はこの手の発信は不得手ですから、
知られていない事も仕方がないんです。

なのでここをご覧になった方は、良ければぜひ、悩んでいる方にも教えて頂いたりして、参考にして頂けると有難いです。