8、彼女の死が教えてくれたこと(1) | 綾小路有則のスピリチュアル・レポート

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実は、締めきり間際で、ひぃ~ひぃ~言っている最中なのですが、少し時間が取れましたので、久々にレポートを書かせて頂きます。


最近、友人から下記のメールをいただきました。


 

 

「数年前、大切な人が亡くなりました。

 彼は死後の世界を信じきっていたため、


 最期の一ヶ月は、とても心穏やかに過ごすことができました。

 しかし、残される方の家族は、心穏やかではありません。

 どんなことをしても、長く生きてほしい!

 こんな良い人が死んでしまうなんて、神も仏もありえない!

 そう思っていました。


 しかし、本人は少しも恐怖心を感じていなく、


 友人ひとりひとりに感謝の思いを告げた後、

 『じゃあ、またね!』

 と再会の挨拶をして逝ってしまったのです。

 

 でも、この経験は、

 私にとっても、彼の家族にとっても、

 良いことだったのかもしれません。


 『死にたくないよー!(>人<)』

 と、泣きながら逝ってしまう人を看取る辛さにくらべれば、


 ずっと幸せだったでしょう」
 

 

 

 

 

 

最期の数カ月を感謝の思いで生きられた方は、笑顔で逝かれる方が多いと聞いています。


また、看取った家族は、


「悲しみが半減しました。

 むしろ不思議な安堵感がありました」


 私たちは生きているんじゃなく生かされている。

 長く生きることが大切なのではなく、

 

 質の良い人生を生き切ることが大切なのですね」


と感じる方が多いようです。


私の友人に Y.T という女医さんがいらっしゃるのですが、彼女が朝日新聞(北海道版)に以下のエッセイを書きました。


彼女に許可を頂きましたので、ここでそのエッセイを紹介させて頂きます。

 

 

 

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エッセイ「彼女の死が教えてくれたこと」2000年8月6日 掲載



一人の女性を紹介しましょう。


彼女は先天性の心疾患で子供の頃から不自由な生活を強いられ、心臓移植で延命できる可能性がありながら、


「脳死は、人の死ではない!」


という信念のもと、亡くなりました。


肺も悪く、通常の人の三分の一しか酸素が取り込めない状態であったために、常に酸素が手放せず、歩くことも困難で、自宅の一階から二階に上がる時に、お父さまが背負われる状態でした。


私はそのお話を聞いたときに、彼女が感じたお父さまの背中の広さ、そしてお父さまが感じた愛娘の温もり、その無言の親子の交流を思い、胸が熱くなりました。


彼女の日記には、このようなことが書かれてあります。


「私のこの世での残された時間を

 

 一体どのように過ごしていけば いいのでしょう。

 どうすれば有効に過ごすことができるのでしょう。

 少しでも誰かのお役に立つことができるでしょうか」



彼女はどんなに辛いときでも笑顔を絶やすことなく、いつも周りには友人が集まり、また、縁会って出会う方々の幸福を始終願われたそうです。


そして、臓器移植がマスコミをにぎわしている頃、取材に来た記者相手に、このようなことを毅然とした態度で言いました。


「脳死状態では人はまだ死んではいません。


 生きている人から心臓をいただくわけにはいきません」


それから一年の後、桜の咲く季節に、彼女は二十四歳の若さで静かに亡くなりました。


「お母さん、首が痛い…」


とつぶやき、そのまま眠りにつき、もう一度大きく、


「お母さん!」


と呼んでから、目を開けることはなかったそうです。


また彼女は、


「病苦にあえぐ多くの人々に勇気と希望を与えるために、


 敢えて障害を選び、生まれてくる場合があるのです」


と確信を持っていました。


先天性の心臓病は、彼女自身が選んできた課題であったということです。


彼女は、自分の人生を一冊の問題集であると認識し、厳しい環境のなかであっても、固有の光を輝かせ、他の人々に勇気と希望を与えられる存在でありたいと努力しました。


そして、ご両親を始めとする身近な方々の愛を確実に受け取り、


「お母さん、ありがとう」


と繰り返し語られるような感謝の人生を歩み、多くの人々の心を潤し、更には、不幸と見えしものの奥にある圧倒的なる愛を掴んだのです。


その彼女の崇高な姿は、彼女の存在を知る人々を感化してやみません。


そしてそればかりか、誰もが皆、自分の人生の意味を知ることができ、どんな環境のなかであっても頑張れる存在なのですよ、と語りかけて下さいます。


そして彼女の透徹した眼は、障害を持つこと以上にもっと深い悲しみがあるのだとも教えて下さっています。


それは一見、恵まれているように見える人々の、心の眼が開いていないということです。


生きることの意味も分からず、暗闇のなか、手探りで生きている人々 に対して、


「あなたは何のために生まれてきたのですか?」


と、優しく包み込むように問うていることがよく分かります。


その答えは、彼女の二十四年の生涯が示しています。


一日一日を祈るような思いで、彼女の二十四年間を見つめてこられたご両親、彼女を背負ったお父さま、最期、救急車のなかで動かなくなった彼女の手を必死で握り締めておられたお母さまのお気持ちが、ダイレクトに伝わってきます。


そして彼女が亡くなった後、彼女の遺志を受け継いで、


「多くの人々に愛を与えられる人生を!」


送られている数多くの方々の存在に心から感謝し、私も遅ればせながら、その後についていきたいと思っています。

 

 

 

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ここからまた、綾小路の文章です。m(_ _)m


私も彼女が語っていた、


「病苦にあえぐ多くの人々に勇気と希望を与えるために、
 敢えて障害を選び、生まれてくる場合があるのです」



ということを信じています。


だからこそ、健康である自分は、彼女より数十倍頑張って、


「死は永遠の別れではない!」


ということを、絵と文章を駆使して訴え続けていきたいと思っています。(_ 人 _)

 

 

 

 

 

 

彼女の死が教えてくれたこと(2)につづく

 

 

 

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