(Photo by P&O Cruises)
みなさん、こんにちは。
 
これは2001年の世界一周クルーズで
本船カメラマンが撮影したものです。
 
☆印は日本人乗客で、♡印が私。
日の丸は操舵室から拝借しました。
 
私が日本語を教えたのですが
学んだのは、実はこちらのほう...。
 
今回は、私たちが一生お世話になる
日本語とクルーズのお話です。
 
*英国客船オーロラ(約7.6万トン)
これが当時の船内新聞でした。
 
1月に英南部サザンプトンを出航し
3か月の世界一周クルーズへ。
(Photo by P&O Cruises)
私がフル乗船したのは、新聞や
メニューを和訳するためでした。
 
乗船中、あるお客様からこんな声が。
「英語を教えて欲しいの」
 
船内で英国人と話したいし
寄港地でも役に立つから、との事。
 
なるほど、それはいい考えですね。
 
かつて日本に住んでいたころ、
英会話スクールで教えていたので
週1回ぐらいで英会話教室を開始。
 
常時10人ぐらいの日本人が
出席して下さったでしょうか。
 
すると今度は、英国人から依頼が...。
「日本語も教えてよ」
 
わかります、そのお気持ち。
 
横浜、神戸、広島、鹿児島などへ
寄港予定でしたから。
 
30年前に来英し、私は日本語教師
の資格を取っていたので、挑戦です。
(Photo by P&O Cruises)
「11am ジャパニーズ・クラス」
コーディネーターあやこ&日本客と
日本語や文化を学びましょう
 
最終回は、TOP写真のように
参加者50人を超えるほど盛況に。
 
*お客様もセンセイになりました
5~6人の小グループ制で実施。
 
挨拶、お礼、「これいくら?」など
観光で役に立つ片言の日本語です。
 
また折り紙や1,2,3など数え方、
お辞儀の仕方なども実技つきで伝授。
 
所作やしぐさの違いなども。
(Photo by NIPPONIA)
西欧では視線を合わせるEye Contact
が大切ですけど、日本では外しますね。
 
それは昔の習慣からと言われています。
 
お侍さんの時代、視線を外したら
いつ切られるか分からない
 
相手を信頼している時だけ
頭(かしら)を下げられる
 
よってお辞儀するのは相手が
味方(友)だと思えるから
 
これが友好の印で
西欧では握手にあたります。
 
武器を手に持っていませんよ、と
手を握って確認しているわけです。
 
さらに独特な食文化も紹介しました。
(ⓒAyako Yoshida)
男女、子供用のサイズがある
カテラリーなんて日本ぐらい。
 
それに日本の家庭では
コーヒーマグ風にマイ箸もあり。
 
日本語に加え、こんな豆知識で
英国人も観光を楽しめたのでは?
 
*「宿題」の効果が船内中に
いつも宿題を出していました。
 
「毎日3人に日本語で話しかける」
「お辞儀の練習」(腰痛注意!)
「兜や鶴の折り方を忘れないで」
 
これが、日本人客との交流に
とっても役だちました。
 
船内のあちこちで
立ち話を見聞できたのです。
(イメージ写真ⓒAyako Yoshida)
「こんにちは」「お元気ですか」

(イメージ写真ⓒAyako Yoshida)
「いい天気ですね」「はい、とても」
(イメージ写真ⓒAyako Yoshida)
「おいしい?」「おいしそう?」
(イメージ写真ⓒAyako Yoshida)
「これはいくらですか」
「1個?1本?」
 
*上陸する時は「紙」を忘れずに
今なら笑い話になりそうな
日本のトイレ事情も話しました。
(イメージ写真ⓒAyako Yoshida)
これは、最新のウオシュレット付き
客船のトイレです。
 
しかし20年も前、日本の公衆トイレ
は「便所」という感じでしたね。
 
和式で、トイレットペーパーも無し。
 
過去のワールドクルーズで困った話を
聞いていたので、日本語教室では
アドバイスをしました。
 
「できればデパートなどを探して」
「駅などはスクワット・トイレよ」
「女性はティッシュ必携のこと」
 
しかし、今の公衆トイレは役所広司氏
主演の映画「Perfect Days」で、先日
アカデミー賞にノミネートされたほど
優秀になって、嬉しい限りです。
 
*言葉を通じて、楽しむクルーズ
日本人と英国人が仲良くなれたのは
互いの言語と文化に興味があったから。
 
同じ船の住人というシチュエーション
も、手伝ってくれたはずです。
 
ある時、上級者から質問を受けました。
「無さすぎる、ってどういうこと?」
 
英語で「無い」といったらゼロです。
「すぎる」が付くとゼロ以下なの?
 
「思いやりが無さすぎる」などは
英語の概念では理解できない...と
笑っていましたっけ。
 
日本語って奥が深いですね。
 
何歳になっても
英語や日本語を学び続けたいもの。
 
語彙を増やし、相手を思いやる言葉
をもっと学んでいきたいと思います。
 
日常生活でも、言葉を磨いて
毎日を楽しみましょう。
 
ふだんから他人に話しかける事も
脳活にもなるそうですよ。
 
*最後に
こちらで日本語教師を再開しました。
きっかけは、このチーキー君です。
(ⓒAyako Yoshida)
ジムへ行く途中、よく会うのです。
飼い主ママに質問されました。
 
「孫に日本語教えてもらえない?」
 
アニメや食べ物が好きで、将来は
日本へ留学したい中学生とか。
 
よって今は
週2回の家庭教師を楽しんでいます。