【新型コロナウィルス感染対策に知りたいこと①】手荒れしやすい方のハンドソープ選び | 皮膚科医 山本綾子 の アトピー から学ぶ美肌法則

皮膚科医 山本綾子 の アトピー から学ぶ美肌法則

山本ファミリア皮膚科 駒沢公園の院長、山本綾子の美肌法則ブログ。つきあう病気とされてきたアトピー を根治させようと奮闘して見つけた、身体から健康になる美肌法則。

こんにちは、

目黒区東が丘 『山本ファミリア皮膚科 駒沢公園』

院長の 山本綾子です。

 

久しぶりの投稿となりますが、

皆さま、お元気でしょうか。

 

当院でも、新型コロナウィルス感染対策として、

消毒液の確保や、クリニック内の感染予防対策など、

患者様とスタッフともに守るために、

バタバタしておりました。

→当院の感染対策についてはこちら

さて、

世界中が大変なことになっている、

新型コロナウィルスといえども、

感染予防の基本が、「手洗い・うがい」

にあることは他の感染症対策と全く同じです。

 

皆さん、一生懸命、手洗いをされているのは

非常に素晴らしいのですが、

「手を洗いすぎて、手荒れがひどい」

とお困りになって受診される方が増えています。

 

そこで、今日は、

感染予防に大切な「手荒れ対策」について

私から知って頂きたいことをお話しますね。

 

まずは、「ハンドソープ」について。

 

ドラッグストアなどのハンドソープ売り場に行くと、

「除菌」と謳ったハンドソープが最初に完売していることに

気づきます。

 

皆さん、ウィルスを少しでもやっつけようと

「除菌」ハンドソープを買い求めるようです。

 

しかし、この「除菌ハンドソープ」

かなり、手荒れがひどくなります。

菌を殺すということは、正常の皮膚も

かなりダメージを受けるからです。

 

それでも、「除菌ハンドソープ」が有効ならば、

まだやる価値があるのですが、

実は、除菌ハンドソープを使うことよりも、

「きっちり時間をかけて菌を洗い流す」ことのほうが、

よほど大切なのです!

 

これは、医学部の細菌学実習の時に

習ったことなのですが、

「強力な殺菌作用のある消毒液を使うよりも、

”菌を洗い流して、菌の数を減らすほうがよほど重要”」

なのだそうです。

 

実際、

「とびひ(伝染性膿痂疹)」とよばれる、

子供さんなどに有名な皮膚の感染症。

 

最近は、

MRSAという抗生剤の効かない細菌による

とびひが時々見受けられます。

 

そのような患者さんの場合、

どう治療すると思いますか?

 

普通ならば抗生剤でさっとなおりますが、

MRSAでは、抗生剤が効きません。

 

このような場合は、

「ひたすら、洗い流す」のです!

つまり、「菌の数を減らす」のが

本当に大切なのです。

 

コロナウィルスを不活化するとされる「アルコール消毒」ですら、

「まずは、手洗いしてから」というのが前提になっているのです。

 

ですから、

除菌ハンドソープを使うのも悪くはないのですが、

手が荒れてしまって困る方には

「手が荒れてしまって、痛くてしっかり手が洗えない」

となってしまうくらいならば、

「無添加のハンドソープ」で

「しっかり、隅々まで時間をかけて手を洗い、

菌やウィルスをできるだけ洗い流し」て

欲しいと思います。

 

次回は、

「手荒れで困っている方へ、

手荒れを治すコツ」についてお話しようと思います。