【アトピーと心】「先生、命を救ってくれてありがとうございました!」 | 皮膚科医 山本綾子 の アトピー から学ぶ美肌法則

皮膚科医 山本綾子 の アトピー から学ぶ美肌法則

山本ファミリア皮膚科 駒沢公園の院長、山本綾子の美肌法則ブログ。つきあう病気とされてきたアトピー を根治させようと奮闘して見つけた、身体から健康になる美肌法則。

こんにちは、

目黒区東が丘 『山本ファミリア皮膚科 駒沢公園』

院長の 山本綾子です。

 

最近、

私の外来を受診してくれている

アトピーの小学生患者さんのお母様から、

『あんなに酷かったアトピーがキレイになってきたら、

嫌がっていた学校も、楽しそうに行くようになりました』

とか、

『アトピーの症状が治まってきたお陰か、

なんだか、精神的にも落ち着いてきたように思います』

とか、

皮膚という外からの見た目だけでなく、

心という内面にまで影響を与えたよという

ご報告をよく頂きます。

 

アトピーって、

基本的には命に関わらない病気なのだけれど、

皮膚という「周りの人から見える臓器」に

症状が出るために、

大人であっても、子供であっても、

深く深く悩んで、

酷い場合には、生きる希望すらなくしてしまうことが

よくあります。

 

そういえば、

私は今年で皮膚科医20年目になるのですが、

昨年末、そんな皮膚科医人生で初めて、

元アトピーの患者さん

(そう、アトピーから卒業した方です!)から、

 

『先生、命を救ってくださってありがとうございました』

 

という、医師としてこれ以上ない嬉しい言葉を頂きました。

 

実は、この方は、

私のアトピー根治第一号の患者さん。

ブログでもご紹介した、

「アトピー発症の仕組み」を解明するために、

二人三脚で、苦しいときを乗り越えた方。

(何度、「助けて!」の涙を見たことか。

その方も辛かったでしょうが、受け止める私も

胃を悪くするくらいでした)

 

その方が脱ステで寝たきり状態だったとき、

偶然、私が大きな総合病院に勤務時に主治医となり、

「アトピーがある限り、生きる希望が持てない」

という心からの悲痛な声をきっかけに、

解剖学、生理学を徹底的に勉強して

見つけたことを使って、

アトピーから卒業された第1号の患者さん。

 

めでたくご結婚されたとのことで、

結婚式にまで呼んで頂いたのでした。

そして、帰り際に言われた、あの言葉。

 

いつ湿疹が湧いてくるかわからない不安は、

生きる希望を失ってしまうほど、

アトピー患者さんにとっては怖いもの。

 

そのアトピーの不安がなくなるのは、

命を救ってもらうことと同じ。

 

そんな風に、その方は言って下さいました。

 

たかが皮膚の問題でしょ。

そんな風に思われがちのアトピーだけれども、

アトピーに苦しむ患者さんにとっては、

心までズタズタになってしまう病気。

 

でも、ちゃんと、

「同じ部位に湿疹を繰り返す理由」が

しっかりわかれば、

ちゃんと治る病気なのだと、

もっとたくさんの患者さんに知って欲しい。

アトピーって、ちゃんと治る病気なのです。

 

アトピーのお子さんをお持ちのパパ、ママだって、

もしかしたら、本人さん以上に苦しんでいるかもしれない。

 

そんな、パパ、ママにも

本当はアトピーって、ちゃんと治せる病気なんだよって、

もっともっと伝わって欲しいなと

いつも思いながら、診療を行っています。