【赤ちゃんのアトピー・脂漏性皮膚炎】抱っこ紐やベビーカーの使い方が間違っているとお腹が潰れます! | 皮膚科医 山本綾子 の アトピー から学ぶ美肌法則

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山本ファミリア皮膚科 駒沢公園の院長、山本綾子の美肌法則ブログ。つきあう病気とされてきたアトピー を根治させようと奮闘して見つけた、身体から健康になる美肌法則。

こんにちは、

目黒区東が丘「山本ファミリア皮膚科 駒沢公園」

院長の山本綾子です。

 

さて、今日は、

久しぶりに「赤ちゃんのアトピー・脂漏性皮膚炎」について

 

2~3カ月ごろの赤ちゃんは、

程度の差はあれ、

顔や頭に脂漏(しろう)性皮膚炎と呼ばれる

湿疹ができることが多いもの。

普通は、

きちんと石鹸を使って洗ってあげるだけで治る軽いものです。

 

 ところが、外来で診ていると、

「普通の脂漏性皮膚炎」レベルではなく、

分厚いカサブタが皮膚に付着したような状態だったり、

ジュクジュクと透明、あるいは、

やや黄色い液体=浸出液が出ていたりと、

症状がひどい赤ちゃんをときどき見かけます。

これは、もはや生理的現象とは言えないレベルの症状です。

 

そしてこうした症状が出る赤ちゃんに共通するある特徴があります。

写真の赤ちゃんは、顔だけでなく、全身がひどい状態です。

特に首のあたりは、埋もれて見えなくなっています。

確かに赤ちゃんは、大人に比べて首が短いものですが、

ここまで埋もれてしまうと

首を通る血管やリンパ管をつぶしてしまいそうですね!

 

別の赤ちゃんも見てみます。

みんな、「首が埋もれて」いますね。

そして、よく見ると、

「肩が上がっている」のがわかります。

そう、実は、首が埋もれて見えるのは、

肩があがっているせいだったのです。

 

そして、肩があがっている赤ちゃんたち、

お腹を見てみると、こんな特徴があります。

お腹の皮膚が、異常にシワシワだったり、

深いシワが刻み込まれて、

ダンダン腹のように見えたり、

お腹に、「谷折り線」があったり。

(最後の写真は、左半分だけに谷折り線があります。

身体の半分だけなんて、不自然ですよね!)

 

この「谷折り線」こそ

赤ちゃんが、お世話してくれる大人から受けた影響を

物語っています。

 

立ったり座ったり自分でできない赤ちゃんのお腹や首って

どういう状態でしょうか?

お世話する大人(パパママやおじいちゃん、おばあちゃん、

ときには保育園の先生)が、

赤ちゃんを丸めて抱っこしたり、お膝のうえに座らせたときに、

できる「シワ」です。

 

もし、よくわからないと思われたら、

ご自身の赤ちゃんを裸にして、

まっすぐ抱っこしたとき、丸めて座らせたときの

お腹を見てください。

ダイレクトに、大人がさせた姿勢を反映します。

 

そして、この谷折り線。

実は、抱っこやお座りのときだけではないのです。

 

注意すべきは、

「抱っこひも」や「ベビーカー」や「赤ちゃん用椅子」

を使用しているとき。

 

抱っこひもやベビーカーの使い方が間違ってしまうと、

図らずして、「お腹が潰れた状態」を作り出してしまうのです。

 

抱っこひもを使うとき、

パパママのお腹と赤ちゃんのお腹に隙間がたくさんありませんか?

 

隙間がたくさんあると、

赤ちゃんは、「コアラ」のような状態で

背中を丸めて抱っこされてしまいます。

コアラって、とってもかわいいですが、

お母さんに抱っこされているとき、

背中がまん丸ですよね。

あれと同じ状態になってしまうのです。

(コアラと人間では身体の構造が違いますから、

同じまん丸は、人間には良くないのですね)

ベビーカーも同じ。

ずるずると背中がすべって、ふんぞり返った

ような座り方のまま放置して、ベビーカーを使用していませんか?

 

日常のちょっとしたことも

塵も積もれば山となるのですよ。