【アトピーの戦略的治し方】生後5,6ヶ月の赤ちゃんで急に首や顔の湿疹が出たら、まずどう考える? | 皮膚科医 山本綾子 の アトピー から学ぶ美肌法則

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山本ファミリア皮膚科 駒沢公園の院長、山本綾子の美肌法則ブログ。つきあう病気とされてきたアトピー を根治させようと奮闘して見つけた、身体から健康になる美肌法則。

こんにちは、

目黒区東が丘 『山本ファミリア皮膚科 駒沢公園』

院長の山本綾子です。

 

今日は、

実際の症例から、

「湿疹が出たときにどう考えるか?」という考え方のヒント

お話します。

 

今回は、赤ちゃんを例にお話しますが、

赤ちゃんのパパ、ママだけでなく、

大人アトピーの方でも、

「湿疹が出たとき、どう考えるか?」という

「アトピー治療における戦略の練り方」のヒントとなりますから、

是非、一緒に考えてみてくださいね。

生後5ヶ月の赤ちゃん。

生後2ヶ月の頃に、

一旦、首の湿疹が出ていましたが、

抱っこの仕方の指導と、お薬できれいになりました。

 

その後はとくに大きなトラブルなく

受診はありませんでしたが、

最近、1週間ほど前から急にまた首に湿疹が出てきたため、

受診されました。

 

湿疹は首だけ。

お腹には「谷折り線」がありました。

 

どうして、生後2ヶ月からしばらくきれいだったのに、

最近、急に、首に湿疹が再発したのでしょうか?

 

大切なヒントは「生後5、6ヶ月頃」にあります。

 

赤ちゃん育児を経験された方ならば

ご存知だと思いますが、

生後5、6ヶ月頃は、

離乳食を開始したり、

親が座らせると、手をついてお座りできる頃です。

 

ポイントは、

「自分でまっすぐ座る力はまだなく、

手をついて、背中を丸めた状態でしか座れない」という点。

 

辛うじて座れると言えば座れるのですが、

座禅のときのように、

背中をぴしっとまっすぐにしたあぐらは

まだできないのです。

まだ1人座りするには、筋力不足。

 

このような状態で、

1人座りさせてしまうと、

「お腹が潰れてしまう」→「首の隙間がなくなってしまう」

のです。

 

生後3ヶ月の頃に、

一旦、首の湿疹が落ち着くことが多いのは、

赤ちゃんの首が座ってくるから。

 

実際、

腹ばいでアシカのように、

上手に首や背中が反れるようになると

自力で「首の隙間を作れる」ようになるので、

首の湿疹は治ることが多いです。

 

首の湿疹が落ち着いてしまうと、

首の隙間に意識があまり行かなくなって、

まだ1人座りできる筋力がないのに、

離乳食を食べさせる時などに、

1人座りさせてしまって、

また首の隙間がなくなってしまう。

 

では、この時期、赤ちゃんを座らせるには

どうしたらよいと思いますか?

 

親のお腹を「壁」のように、

赤ちゃんの背中にぴったりくっつけて、

赤ちゃんの背中が丸まらないように、

赤ちゃんのお腹が潰れないように

すればよいのです。

 

このとき大事なのは、

親がまっすぐ座っていること。

 

せっかくの「壁」が曲がっていては、

赤ちゃんの背中も曲がってしまいます。

 

赤ちゃんの姿勢は、「親次第」。

こういうことなんですね!