こんにちは。今日は、アトピー治療において、大切な考え方についてです。
「ステロイドは根本的に治していない。」
これは、皆さんがすでに理解していることと思います。ステロイドは対処療法でしかないから使いたくない。
これが多くの患者さんの本音だと思います。出てきた炎症を止めるだけの「付け焼き刃」的治療だからですよね。
じゃあ、漢方薬はどうなの?
これに関しては以前書きました。漢方薬だって、所詮、薬だから、根本ではない。(http://ameblo.jp/ayakoder/entry-11425500886.html )
では、その他はどうでしょう?
診察の際、筋肉が硬くなっていることを指摘して、ストレッチやマッサージを指導すると、ときどきこんな質問を受けることがあります。
「マッサージに通ったほうがいいですか?」
「ジムに通ったほうがいいですか?」
私はこれらの質問に対して、決まってこう答えます。
「マッサージやジムは、楽しみやリラクゼーションのために通うのはいいけれど、アトピーの治療をしているとは決して思わないで下さい」
よほど大金持ちや時間に余裕のある方は、毎日でもマッサージやジムに通えばいいのでしょうが、普通は、それらに毎日通うことはできないでしょう。
1週間に1回のもので、どうして大きな効果があるでしょうか?
身体は毎日使い、毎日凝りやゆがみが溜まります。
だったら、毎日、それらの凝りやゆがみを戻すようなことをしなくてはいけないと、思いませんか?
運動だって、一緒です。
1週間に1度の運動より、日々の生活の中で、姿勢や歩き方、身体の使い方を意識するほうが、よほどトータルの時間は長い運動だと思いませんか?
1回につき、30秒や1分であっても、一日中、ちょこちょこやったほうが、全体として、血流が改善している時間が延びると思いませんか?
結局、人の手を借りるもの、物の力を借りるもの、
薬だったり、サプリメントだったり、
整体や鍼灸、マッサージだったり・・・・
全てが根本治療ではない。
全ては、一時的に状態を良くするだけであって、
本当の根本を治すのは、「自分自身」でしかない
そう、私は思います。
心の問題が深い場合は、カウンセラーや精神科医の力を借りることもあるでしょう。
ですが、それも、あなた任せというか、誰かが治してくれるに違いない、という気持ちでは、決して治らないと思います。
状態がひどいとき、
ステロイドや漢方薬、整体や鍼灸、カウンセリングなどなど・・・
誰かの力を借りるのは、悪いことではありません。
むしろ、あまりにひどくなっているのに、なんとか自力でやろうとして苦しんでしまうくらいならば、いっとき、誰かの力を借りればいいと思います。
ですが、「根本的に治せるのは、自分自身でしかない」
私はよく患者さんに言います。
「主治医はあなた自身。皮膚科医である私じゃない。
毎日、肌や筋肉、リンパ節を触って、どこが硬くなっているとか、ごりごりしているとかをわかってあげられるのは、あなたしかいない。
自分が、今日はどんな状態で、どんな治療が必要かわかって、それをできるのは、自分自身でしかないのだから」
毎日の食事、身体の使い方、考え方などなど・・・
根本的に治すのは、こんな「自分自身でしかできない」ことなのです。