人間の脳は1万年も前から全く進化していないと言われています。
1万年前とは狩猟と採集の時代。
戦うか逃げるかの判断をすぐに下さないといけない、まさに生きるか死ぬかの時代です。
人間がひとりでいることは命の危険にさらされることでもありました。
生き延びるためには誰もがグループに属していないとならなかったのです。
その頃の人間の脳と、今の私たちの脳は全く同じ。
だから、私たちも孤独をものすごーく怖いと感じてしまうのです
ひとりでいたらすぐに死んでしまうような環境にはいなくてもです。
自分は組織の中で浮いている感じがするとか、周りから冷たくされたと感じた時とか、SNSで友人や知人の幸せそうな姿を見た時にも孤独を感じたりします。
アクティブで輝いて見える相手と自分を比べることで、脳は「自分はヒエラルキーの一番下にいる!グループから追い出されるかもしれない!」と勘違いしてしまうのです。
そんな思い(孤独)を長時間感じていると、脳は「何かあっても、誰も私のことを助けてくれない」とまたまた勘違いします。
そして、「あの人は私に敵意を持っているのかもしれない!」とネガティブな信号を出すのです
そう思う根拠は曖昧でいいんです。
なぜなら、「警戒して何が悪い。もし勘違いだとしても死ぬよりはましだろ!?」と脳は思うからです。
最悪の事態に備え、警戒心を強めて気を張り続けると、ますます疑心暗鬼になります。
不眠になったり、ミスが増えたり、楽しいことも楽しめなくなり、やる気が失せます
「私がいたら、みんな楽しくないだろうな」と思ったりして、飲み会などに誘われても断ってしまいます。
周りの人からすると、それがよそよそしく見えたり、機嫌が悪そうに見えてしまいます。
気軽に声をかけずらくなり、飲み会などにも誘いにくくなります。
陰でこそこそ言われちゃったりもするかもしれません。
警戒心を強めている孤独な人は、敏感にそれを察知します
そして脳は、「ほら、やっぱり!私はみんなから嫌われている!」と解釈します。
何度も言うようですが、その根拠は曖昧でいいのです。
こうなると負のスパイラルにはまってしまいます
態度がよそよそしかったり、機嫌が悪そうに見える人は、もしかしたら孤独感に苛まれてひとりで苦しんでいるのかもしれません。
彼らはとてもじゃないけど、自分からみんなに声なんてかけられないのです
今の時代は、ひとりでいても生きていける時代なんですけどね。
サバンナにポツンとひとり取り残されたわけじゃないので。
でも孤独を感じると辛くなってしまう。
なぜなら、サバンナにいる時と全く変わらない私たちの脳が、考えるよりも先に、ひとりだと死んじまうよー、どうしよう、怖いよーーって思ってしまうから。
私たちの脳は、今の時代に全然適応できていないのです
カウンセリングにいらっしゃる方にも孤独を感じている方とても多いです。
子供の頃からずっと孤独だったって方もいます。
そういう気持ちを私に話す(放つ)ことで、或いは何気ないおしゃべりで、警戒心を解いてホッとしてもらえたらいいなって思います