ある猿のお話です。
ストレスが溜まれば、猿だって心が病みます
群れの中でランクの低い、いわゆる下級の猿ウッキーは、群れでの人間関係...違った、猿関係にストレスを感じていました
ウッキーはいつも様々な猿に気を使わなければならず、いじめの対象になっていたのです。
ああ、なんてかわいそうなウッキー。
でも、実はウッキーはちょっぴり嫌な奴なのです
彼は、群れの秩序が守れなかったり、空気を読むのが苦手だったりして、ぶっちゃけみんなのお荷物的な存在なのです。
そのため、いつも先輩猿に怒られたり、仲間からからかわれたり、陰口を叩かれたり、無視されてました。
ウッキーは群れにいるのが怖くなってきて、自分の身を守るために攻撃的になったり、反抗的な態度を取るようになりました。
そんなウッキーに誰も同情なんてしません。彼は完全に孤立してしまいました。
やがて、ウッキーは檻の隅っこに居座り、毛づくろい(仲間に毛づくろいされることによって不安が和らぐ)にも参加しなくなり、食事もしなくなりました。
この猿関係を毎日観察していた、猿の飼育員さん。
飼育員さんは、ウッキーを叱ったり、注意したりはしません。
ウッキーのことをよく観察し、彼と相性の良さそうな猿がいる別の檻に、彼を移動させました。
でも、ウッキーはちょっぴり嫌な奴なので、別の柵でもまた同じように周りの猿からはぶられることもあります
だけど、うまくいくこともあります
新しい檻の中では、ウッキーと親しくしてくれる猿が一匹いました。
その猿にとってわウッキーのちょっぴりズレた言動は面白かったのです。
その猿のお陰で、新しい群れの中でウッキーの居場所ができました。
すると、ウッキーの性格が変わりました
相変わらず空気を読むのは下手だけど(←ここは変わらない)、攻撃的になることが減り、毛づくろいにも参加するようになりました。
周りの猿たちからも「ウッキーはちょっと変わってるど、別にそれでいいし」と思っています。