犬への読み聞かせは子どもを読書へ誘い、生きづらさを抱える子どもは傷ついた動物をケアする中で学ぶ。保護犬を育て直して若者は生き直し、補助犬は障害のある人の人生を切り拓く。高齢者は犬や猫と共に充実した最期の日々を過ごす。人間にとっての動物の存在を国内外で30年近く取材した著者が、未来に向けて綴る。
- 出版社 : 岩波書店
- 発売日 : 2023/4/24
- 新書 : 286ページ
とても良い本でした。
動物たちには、畏敬の念を抱かずにいられません。
「一に私、二に私、三に私だった」と飼い主が言うほど、誰よりも何よりも飼い主を想い寄り添い続けた盲導犬の話にジーンときました。
人間たちと違い、動物たちは、自分をかわいがってくれる人には無条件の愛情と信頼で応えてくれます。
この動物たちの揺らぎなさが、人間にとってどれほど大きな支えになるのか。
どんな時でも、ただ黙って側にい続ける。
これは人間にはなかなかできないことです。
人間は、相手にかけるべき言葉が見つからないと、側にいることすら難しいからです。
そんな時、私たちは「今、ここ」に意識を集中することがなかなかできないからです。
ところが、動物たちは飼い主のために「今、ここ」に全身全霊をかけることができるのです。
それも何時間も、何日間も。
その姿に、人間に心底癒されます。
不登校や引きこもりの若者たちや、問題児と言われ批判され続けてきた子が、自分を無条件で受け入れてくれる動物たちと出会うと、今までに感じられなかった深い愛情や尊厳、優しさを知り、自らもそれらを育んでいけるようになります。
また、自分が誰かの役に立てると感じられると、セルフエスティーム(自尊感情:自分自身を価値あるものとして尊重する感覚)が高められ、これが心の回復や自立を促します。
この本の中でも、そういう施設について紹介されています。
興味がある方はぜひ読んでみてください。
私も、愛犬はな(17)に日々癒されています。
この本を読んで、いつも私の側にいてくれる彼女のことがより一層愛おしくなりました。
いかついきもっちも、はなにはデレデレなんですよ