蔵書6万冊 | aya風呂

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ちょっとまた書いてみようかな(´u`)

日本に戻ってきてからの空海、なじみある地名ばかりが舞台であるものの、知らないことだらけで読むのに時間がかかったぁ。
華厳宗の東大寺に真言院があっても「空海さんも行基さんみたいに神出鬼没だなあ」ぐらいにしか思わなかったけど、大仏さんに毎日唱えるお経は密教の理趣経っていうのを知って驚いた。空海が別当担ったときに決めたそうだ。
時代遅れになった奈良仏教が密教化したいといえば「ほとんど鍍金をほどこす程度の細工を加えて華厳教学に密教を加味し、それでよしとした。いわば、政治的に加工した。」
いろいろ事情があったのね。
空海の風景(下)

「今までなぜ読んでこなかった人シリーズ」大もの登場、司馬遼太郎さん。
昭和の人の歴史観をいまさら聞いても…シバ神をも恐れぬ上から目線のために勝手に読まずにいたけど
司馬さん、親切丁寧、人物に対する視点がおおらかで優しい人だなぁと思った。
歴史や語句、背景の説明を要所要所で入れてくれるし、こういう背景からこう考えることもできる…と史実と創作がわかるような書き方をされているから、いちいち調べ直す手間が省けた

曼陀羅の人が白空海ならこちらは黒空海と、どなたかの書評で読んだのでそのつもりで読んだところ、たしかに、いいところ悪いところバランスよく書かれているので普段聞くことが少なかった黒い部分が印象に残ったような。
最澄・空海どちらに加担することもなく、それぞれの立場にたってそれぞれの気持ちを存分に語っている。わりと公平な印象、こってり執拗に語るからボリュームがすごい。

司馬さん自身に興味を抱いて検索してたら東大阪市に司馬遼太郎記念館なるもの発見。
自宅に6万冊の蔵書
毎日5冊読んで33年もかかる…生涯で読める本は意外と少ないな…。

古代のInstagram、和歌や漢詩を読んでも、その風景や情動がまったくわき起こってこない我が読解能力がもどかしい。
司馬さんが口語訳で教えてくれても「はあ、そうなんだ」ってピンぼけモノクロームの古びた写真を見るようで、活き活きと感じられない。
どうしたらいいものか